24
02

Intel、ファウンドリ事業で2社目を獲得 22nmプロセス

Intelが製造受託ビジネスで2社目を獲得。去年あたりから自社製プロセッサだけでなく、他社製品の製造にも力を入れ始めています。

Tabula社の3PLD製品をIntelが22nm世代の3次元構造のトライゲートトランジスタ技術を適用して製造すると発表した。(略)
(Reuters)は、Intelの複数の幹部が「もし機会が与えられるなら、例えばAppleのような大手機器メーカーに向けて、チップの量産を請け負うこともしたい」と語ったと報じている。
 → Intelがファウンダリ事業を加速、22nmで新興FPGAベンダー2社目を獲得 - EE Times Japan


このIntelがAppleからの受注を狙っているという話は昨年からチラホラ出ています。

Appleが"ノートブック向けのARMチップを開発中か"という話もありますが、"Intel離れ" をブラフにIntelから好条件を引き出す選択肢も考えられるところです。Intelが乗ってこなければ本当に離れてしまうのもありでしょうし。

半導体製造のTSMC社やGF社が28nmでもたつく現状では、22nmプロセスはARM陣営が喉から手が出るほど欲しい製造プロセスです。もし「Intelが作るARMはAppleプロセッサだけ」という独占条件を引き出せれば、AppleはAndroid勢に対して断然優位に立つことになります。
 → Intel、ARMの新GPUの半導体パートナーに - EE Times Japan

Intel自身がARMに参入する可能性もありますが、私はかなりギャンブルだと思います。Intel参入でARMがますます勢いづけば、性能の低い Atomが喰われるだけでなく下手すればIntelマネーの源泉であるCore i系のシェアまで犯しかねません。そこはIntelの絶対防衛ラインのはずで、そこをかけるリスクを取るだろうかという疑問があります。
 → 後藤弘茂: IntelがARM SoCをモバイル市場へ投入する可能性

IntelがAppleだけにARMプロセッサを製造供給すれば、間接的にAndroid陣営の勢いを削ぐことになります。それはつまりTIやQualcomm、NVIDIAにSamsungといったARMで打倒Intelを狙う半導体ライバルを失速させることにも繋がります。

上の記事にあるようにIntelの複数の幹部がコメントしていることから、おそらく既にAppleと何らかの交渉はしているのでしょう。あとは話がまとまるのか、決裂するのか。合意したのならいつサプライズが飛び出すのか。興味と妄想は尽きないところです。