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チンパンジー“パンくん”、事前にあったいくつかの警告

“天才チンパンジー“パンくん”の女性襲撃は予見されていた?”
 → Business Media 誠:窪田順生の時事日想:天才チンパンジー“パンくん”の女性襲撃は予見されていた?

2006年
 京都大学霊長類研究所に本部を構えるSAGA(*)がテレビ局に要望書を提出。
 ※SAGA「アフリカ・アジアに生きる大型類人猿を支援する集い」(SAGA

2008年
 日本動物水族館協会がパンくん所属の動物園にショーと番組を止めるよう警告。
 警告は聞き入れられず、園は協会を脱退。(朝日新聞


この事件に関してはパンくん擁護の声が多く「女が苛つくことをしたに違いない」と女性を批判する声も少なからずあります。

動物園の意見

また、テレビ番組などで、絶滅が危惧されているチンパンジーが洋服を着させられたり、犬を散歩させられたりしていますが、「野生動物の擬人化」は、同種との社会性を損なって群れに入れなかったり、繁殖に参加できなかったり、「種」としての使命が果たせなくなってしまうおそれがあります。
 → 動物病院 - 旭山動物園



テレビ番組に出演している個体のように,ヒトのように振る舞うことを教え込まれ,服を着せられて過ごすのは希なことです。特定の人と1対1の絆の上で調教され,すべてが擬人化された演出の組み合わせでストーリーが作られています。彼らはもう数年もすると自己主張が強くなり,肉体的にヒトよりも強くなります。制御ができなくなります。演出が成り立たなくなります。見た目も「かわいらしく」なくなります。そうなると「引退」です。引退した後の彼らはどうなるのでしょう?ヒトとも一緒に過ごせない,チンパンジーとして生きる学習もしていないのです。

 都合のいいかわいい時期だけを見ていることが,あるいは見せられていることがあまりにも多いのではないでしょうか。「チンパンジーってこんなに大きいの!」等身大の,ありのままの彼らを見てもらうことが動物園の使命です。
 → ゲンちゃん日記 - 旭山動物園



「市原ぞうの国」の坂本小百合園長
「アメリカでもチンパンジーのキャスターがいたり、映画出演しているのに、日本ではタブー視されるとすれば、全くおかしなことです。メディアに出なければ、皆さんの興味が無くなってしまうだろうし、あんなに賢いのに、動物園で見るだけでは『檻をガチャガチャやってる動物』などの間違った理解になってしまうことにもなりかねないのです」
 → チンパンジーテレビ出演「ノー」「フジテレビ」に支援団体が抗議 - Infoseek ニュース



問題の1つは行動のきっかけが人間のモノサシでは容易に測れない点でしょうね。

メディアへの露出は「動物への関心を持ってもらうために必要」という声もありますが、テレビでよく行われる動物の擬人化はどうも好きになれません。個人的にはアフレコすら嫌な口です。耳を後ろにそらし、明らかに警戒モードのネコに猫なで声を当てたりするのは見るに堪えないです。

関連
 → パンくん - Wikipedia