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寿命が非常に長い レドックスフロー電池

NASAが開発したレドックスフロー電池。
小型化は難しいものの、充放電による劣化がほとんどなく寿命が非常に長いのが特徴。


特徴

1.充放電サイクル寿命が長い
2.用途に応じた最適な出力/容量設計が可能
3.各セルの充電状態の管理が容易
4.熱管理が容易
5.セル部を除き、待機、停止時の自己放電がない
6.ミリ秒オーダの瞬時応答性を有し、短時間であれば 設計定格の数倍の高出力での充放電が可能
7.半永久的に再利用可能であり環境にやさしい

参考:
 住友電気工業株式会社|技術論文集 July 2011 No.179
 レドックス・フロー電池 - Wikipedia



実用化済み

研究段階に留まらず、既に実用化されているのも大きな利点です。

レドックス・フロー電池
横浜製作所に設置された世界最大規模のレドックス・フロー電池。容量 1MW×5時間
レドックス・フロー電池
出典: 住友電気工業株式会社 / 住友電工 社長 松本正義Blog

レドックス・フロー電池は、重量エネルギー密度が20Wh/kg程度と低く、リチウムイオン二次電池の1/5程度に過ぎない。このため小型化には向かない。しかし、サイクル寿命が1万回以上と長く、実用上10年以上利用できる。さらに構造が単純で大型化に適するため、1000kW級の電力用設備として実用化されている
 → WIRED.jp




ドイツで脚光を集める P2G

ドイツなどでは太陽光発電が増大する晴天時などは邪魔になるほどの電力が発生しており、その有効利用が大きな課題になっています。

そこで利用しきれない電力で水を加水分解し、水素やメタンを作り出し、ガスの形で貯蔵する Power to Gas 構想というのも注目を集めています。ただこちらはレドックスフロー電池とは違って、まだ構想段階です。

Power to Gas

既存の揚水発電をベースに、これらの新技術を組み合わせることで、変動の激しい再生可能エネルギーの平準化を狙う。