ガンマ線バースト ベテルギウスの膨張
地球と同じ天の川銀河に属し、比較的 “近い” 643光年の距離にある赤色超巨星ベテルギウス(大きさは太陽の約1000倍)。元々見え方が不安定な星ですが、今回の新たな観測手法によって膨張している可能性が国内の新聞で報じられ、一部で話題になっています。
→ 朝日新聞デジタル:ベテルギウスが謎の膨張 40年で直径2~3倍に
→ オリオン座:ベテルギウス2~3倍に膨らむ? 形もいびつ- 毎日新聞
→ なゆた望遠鏡がとらえた、2~3倍に膨れたベテルギウス

出典: ESA

出典: NASA
超新星爆発といえば、天体ショーだけでなく、かつて恐竜を絶滅させたという説もあるガンマ線バーストが話題になります。
超新星爆発時のガンマ線バーストは全方位に均質に放たれるわけではなく、限定された方向へ放たれると考えられています。
たまたまその先に地球があると人類絶滅の危機なのですが、元々我々の天の川銀河はガンマ線バーストが起きにくい銀河であり、確率的に気にするものでもないというのが今の結論のようです。
→ ガンマ線バースト - Wikipedia
ハッブル宇宙望遠鏡のニュースレター和訳
→ ガンマ線バーストは人類の脅威になりえるか
NASA
NASAはガンマ線バースト観測衛星「スウィフト(Swift)」で観測を続けています。
→ NASA - Gamma Ray Bursts

この衛星はガンマ線バースト(GRB)を観察するため、素早い方向転換が可能で、打ち上げから8年間で 750回ものをGRBを観測しています。
GRB検出と同時に自動的に世界各国の天体観測所に連絡がいき、わずかな時間しか観測できないGRBを観測する仕組みになっています。
In its first eight years since launch, Swift has detected and localized around 750 GRBs.
→ Missions - Swift - NASA Science
NASAの解説ビデオ
→ GRBstar2.mov
→ Gamma_Ray_Burst_Two_Component_Jet_Stream_512x388.mpg
ナショジオ
ガンマ線バーストは大量絶滅を引き起こすか?
→ Gamma-Ray Burst Caused Mass Extinction?
6,500光年離れた距離からのガンマ線バーストで何が起こるか
・ オゾン層の大規模な破壊
・ 二酸化窒素を生成し、酸性雨をもたらす
・ 寒冷期の到来
・ オルドビス紀の大量死をもたらした原因である可能性
考えうる脅威
・ 地球から8,000光年の距離にあるWR104
国際宇宙ステーションでも観測
ISSに備え付けられたX線モニター「MAXI」でも観測されている
出典: JAXA
関連
後藤さんのツィート。
オルドビス紀末の大絶滅はガンマ線バーストだと言われてるけど、海洋生物ばかりだったオルドビス紀でさえ85%種も死に絶えたのはすさまじいと思う。これが、陸上生物花盛りの今来たら、もっと絶滅率が高いはず。ディアスポラのように太陽系を脱出しようという原動力になるかも
― Hiro Goto (@go2hiro) November 6, 2013
→ 超新星 - ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト
→ 「ベテルギウスに超新星爆発が起こる」は本当か? - Togetter
→ 宇宙のステルヴィア - Wikipedia
ガンマ線バーストに立ち向かう人類が題材のアニメ「宇宙のステルヴィア」