8文字のパスワードを5時間半で解析するGPUクラスタ
昨年の記事ですが、GPUを束ねてパスワード解析。→ 8文字の全パスワードを5時間半で解析するコンピュータクラスタが登場 - CNET Japan
特別な機材、ソフトウェアは使っていません。
GPUクラスタの能力
・ Radeon(計25枚)を搭載した5台のPCから成る
・ バーチャルOpenCLで仮想化し、25枚のRadeonを束ねる
・ 解析にはフリーのoclHashcat-plusを使用
・ 1秒間に3500億通りをチェック
・ 5.5時間稼働させると、試せるパターンは
6,930,000,000,000,000(6930兆)通り
バーチャルOpenCLで、仮想的に超強力なGPUを構築しているのがみそです。
8桁のパスワードのパターン数
・ 使用文字数を95文字(半角スペース含)とし、8桁であれば95の8乗通り
・ 95の8乗は
6,634,204,312,890,620 (約6634兆)通り
5.5時間で6930兆通りを試せるので、総当たりで解析可能ということになります。
(総当たり対策として、パスワードロックなど他の防御手段も講じられています)
2009年のIPAは62文字8桁に太鼓判
印象深いのはIPA(情報処理推進機構)の2008年の記事です。
→ 情報処理推進機構:情報セキュリティ:ウイルス・不正アクセス届出状況について(2008年9月分および第3四半期)
ここで “強いパスワードとは” と題して、62文字8桁のパスワードに太鼓判を押しています。
62の8乗 218,340,105,584,896(218兆通り)
このときの試算では 約50年かかる となっていました。
ところが、上記のシステムであれば、11分足らずで解読されることになります。当時は妥当な強度だったので「IPAの見通しが甘い」というのとはちょっと違うとは思いますが、劇的な環境の変化です。
ここ最近はちょっと鈍ってますが、まだまだGPU性能は伸びています。クラウドによるパフォーマンスのレンタルもはじまっていますし、10桁でも足りない時代が遠からず訪れそうです。
無線LANで使われているWPAのクラックなども話題になっています。
要注意ですね。
関連
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→ 本当は怖いパスワードの話 - @IT
クラック
→ WindowsのパスワードはGPUを25個使えば約6分から6時間で突破が可能、毎秒3500億通りもの総当たりが可能な方法とは? - GIGAZINE
→ Windows上でもPDFファイルのパスワードを総当たりで解析できるフリーソフト「PDFCrack」 - GIGAZINE
WPAクラックのPyrit
→ 無線LANのWPA/WPA2-PSKを総当たりで突破する「Pyrit」の実際の解析速度と自衛手段について - GIGAZINE
→ 無線LANのWPA/WPA2-PSKをGPUで超高速解析してパスワードを見つけるフリーのオープンソースソフト「Pyrit」 - GIGAZINE
→ WPA password recovery and audit tool. GPU accelerated.
→ WPA/WPA2-PSKのパスワードを超高速で発見できるソフト「Pyrit」 - 【チラシの裏.net】
→ 数値単位変換 - 1ミリオンは何万?を解決するサイト