03
12
2013
米国MS、苦情を受け Office 2013 のライセンスを緩和

米国MS、苦情を受け Office 2013 のライセンスを緩和

先日 Office 2013 のライセンスが話題になってましたが、新たな動きが。


インストール1台限定の発端

米国で Office 2013 がインストールできるのは 1台だけ というライセンス形態が発表されたのが先月のこと(日本は異なります)。
 → Office 2013 and Office 365 installations and transferability
 → Office 2013をインストールできるのは1台の PC だけ―システム破損の場合でも再インストールは不可 - インターネットコム

これがユーザーの猛反発を招きます。


ユーザーの声を受けライセンス緩和

よほど猛烈だったらしく、その後MSはライセンスの緩和を告知しています。
 → Office News - Office 2013 now transferable
 → ユーザーの声に応えて「Office 2013」の使用ライセンスを変更:ITpro

(Office 2013)ソフトウェアを別のPCやユーザーに移管できるのか?  あなたが所有する別のコンピュータにソフトウェアを移管することはできるが、90日に1回以内に限られる(ただしハードウェアの故障による場合は除く。この場合は90日経たなくても移管が可能)。別のコンピュータにソフトウェアを移管すると、移管先のマシンが「ライセンスを付与されたコンピュータ」になる。
 → マイクロソフト、米国でも「Office 2013」のライセンス移管を許可へ - CNET Japan




Microsoft視点で見ると

一見、Microsoftが無茶したように見えますが、MSにも言い分があります。
Microsoft視点で見ると、今回のライセンス移行はこうなります。

Office 2013 ライセンス MS視点
出典: Office News

Office 2010 PKC(プロダクトキーカード)版の後継が Office 2013。
Office 2010 FPP(フルパッケージ)版の後継が Office 365 という位置づけ。

つまり、Office 2010でもプロダクトキーカード版は移管できない形態でしたので、同様にライセンスキーだけ販売する Office 2013 が1台オンリーでも

「何も変わってない」

これがMicrosoftの言い分です。
まぁ、この説明だけ見ると多少納得するところはあります。


ユーザー視点で見ると

ところが、ユーザーはそうは受け取りませんでした。
ユーザー視点で見るとこうなります。

Office 2013 ライセンス ユーザー視点

こう見える要因の1つは従来のフルパッケージ版(買取型)が消えたことにあります。

Office 2013 cannot be purchased on physical media (e.g. DVD). Instead, buyers receive just the license key, allowing them to download the actual software/product to their PC from a Microsoft website.

Office 2013は(DVDのような)物理メディアを購入することはできない。代わりに購入者はライセンスキーを受け取り、実際のソフトウェアはMicrosoftサイトからPCにダウンロードすることになる。
 → Microsoft Office 2013 - Wikipedia, the free encyclopedia



ユーザーは Office 2013 を従来の “買取型” として見ますが、Microsoftビジョンでは “買取型” の後釜は “課金型” の Office 365 なわけです。

「課金型が買取型の後釜」と言われても、ユーザーにしてみれば「んなバカな話があるか!」となるのもまぁ当然の話ではあります。


関連
 → 【三浦優子のIT業界通信】なぜ日本のOffice 2013のライセンス形態が特別なのか