05
28
2014
ソニー&パナソニックが有機ELテレビから撤退報道

ソニー&パナソニックが有機ELテレビから撤退報道

報じたのは朝日新聞。

ソニー、パナソニックとも、官民ファンド「産業革新機構」が出資するジャパンディスプレイ(JDI)にそれぞれの有機EL事業を売却する方向で調整している。ともに6月中にも基本合意する見通しだ。JDIはタブレットやスマートフォンなどに使う中小型画面に絞って開発を進める
 → 日本、有機ELから撤退 大型TV、韓国に後れ ソニー・パナ:朝日新聞



両社広報は「決定してない」と微妙な否定。
 → 「テレビ向け有機EL開発撤退」報道に「決定した事実ない」 - Phile-web

朝日新聞のタイトルは「韓国に後れ」となっていますが、韓国の有機ELも試験販売中みたいなもので、まだお荷物状態です。遅れと言うほど先には行っていない。

参考)
Samsungも新規投資は止めている、らしい(2013年の有機EL販売台数はわずか4400台)
 → サムスン、有機ELテレビへの投資中断 販売不振 - 日経新聞



韓国勢がどうのというより、テレビ市場そのものの失速が大きいような。

ディスプレイ市場調査で有名なディスプレイサーチ社ですが、2012年時点で将来需要を以下のように予測していました。

世界市場、TV出荷台数予測 2012
DisplaySearch 2012年7月記事

2016年での総出荷台数が2億8000万台弱、有機ELもそこそこのシェアを取ってます。

ところが2013年の予測では大きく変化。2016年の出荷台数は2億5000万台に満たず、有機ELも薄氷のシェアです。ちなみに成長する主体は新興国市場。

世界市場、TV出荷台数予測 2013
DisplaySearch 2013年12月記事

我々の予測では、エマージングマーケットは今年、6%の成長が見込まれており、それは世界全体のテレビの出荷台数の60%を占める。一方、先進国市場は薄型テレビの出荷台数が飽和点に達しており、
 → テレビ市場は2013年成長へと戻り、2015年からは4Kが台頭: Futuresource Consultingの新しい調査結果より | CEATEC JAPAN




関心事の1つはスレートデバイスの台頭による視聴スタイルの変化。テレビの飽和で済めばいいですが、世界的に「テレビ離れ」が進行する可能性もあります。そうなれば先進国市場は飽和から縮小へ、新興国市場も思ったほど伸びてこないことになります。


かつて、昭和の時代には自分の部屋にマイテレビがあると言えば、ある種の羨望の的でしたが、今の若い人にとってはポカーンな話でしょうね(笑)



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