08
02
2014
SIMロック解除義務化 → スマホ 10万円!?

SIMロック解除義務化 → スマホ 10万円!?

かなり煽ったタイトルが付いておりますが。

 → SIMロック解除が来年義務化へ スマホ価格が10万円に跳ね上がる可能性も - 日経トレンディネット

SIMロックをかけることができなければ、割引施策が一切適用できなくなる。そのため、端末が定価に近い額へと一気に高額化してしまう。

そうした場合、日本で販売されている高性能スマートフォンは、定価に近い7万~10万円程度の価格を支払わなければ購入できなくなる。



この「7万~10万円」は iPhone 5s を念頭に置いてそうです。アップルストアのSIMフリー版は税抜 6万~8万円弱、税込で約7.3万~9.5万円になります。

アップルストア iPhone 5s 価格
出典: Apple Store (Japan)


これだけ見ると「なるほど!」なのですが、iPhone 5c(6万円~)や Android機も視野に入れると話は変わってきます。



Nexus 5 の場合

Androidだと Nexus 5 が4万円台から買えます(品切れてますが)。

Nexus 5
出典: Nexus 5 - Google

製造元は韓国LG。Nexus 5 はほとんどのMVNOが動作確認をしており、SIMフリーの代表格です。ヘビーユーザーにとってはキャリアによるカスタマイズが無く、素のAndroidである点も好印象ですね。



IIJ mio の場合

既にSIMロックフリーで商売しているのが IIJ。こちらは 4.7インチの LG G2 mini などをSIMロックフリーの状態でSIMとセット販売してます。

IIJ mio LG G2 mini
出典: 株式会社ハイホー(IIJ子会社) / プレスリリース SS

2年後には月額料金が1347円値下がるので、そこから端末価格を計算すると

 1347円x24ヶ月=3万2328円

となります。

IIJもハイホーもドコモやauに較べれば知名度は無いに等しく、ボリュームが出る販売ルートではないですが、それでもこの価格で売れるという点に注目。



10万円にはならない

SIMロック解除の義務化で「総費用はいまより高くなる!」と断言する人もいますが、それは現在と同様、iPhone 5s のようなハイエンド機が人気であり続ける場合の話です。

上記のように、既にSIMフリーの端末は最新モデルでも5万円以下で売られており「10万円」は煽りすぎです。自動車評論家ではないですが、キャリアと親密になりすぎて代弁者になってしまっている感が少々。



iPhoneの牙城は崩壊へ

転売防止の「縛り」は残る気配なのでまだわかりませんが、割賦販売で端末の価格が誤魔化しにくくなるほど、他国と同じように低価格なAndroid機に流れ、iPhoneのシェアは瓦解することになります。

 → 日本は世界一の「iPhone王国」 特異な市場シェアを生み出した意外な理由 | 東京IT新聞



サポート


SIMフリー端末のサポートを誰が担うのかという問題もあります。

ただこれも実質サポートレスの格安PCが売られていることを思えば、解決可能な問題です。NECのように価格高め・サポート手厚くというメーカーがある一方で、手取り足取りサポートはしない格安パソコンも売れています。

パソコン市場の場合、廉価PCのサポートの穴は量販店や独立系の有償サポートが補完しています。スマホでも似た展開になるのでは。先細る携帯ショップが新規分野としてサポート業に乗り出すこともありそうです。


端末同様、サポートもコストが分離されて見える化が進むと思われます。


関連
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 → 中国のXiaomi、世界第5位のスマートフォンメーカーに躍進 - CNET Japan