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2014
日本製デバイス増えた? iPhone 6 / 6S

日本製デバイス増えた? iPhone 6 / 6S

iPhone 6 / 6Sの分解記事。

 → ニッポン企業健在ナリ! iPhone 6に見る日本モノづくりの実力 - 日経テクノロジー

毎度、全世界で分解されるiPhoneですが、有名なのは海外だと iFixitとChipsworksによるもの。国内では日経テクノロジーの分解レポが有名です。

「分解して元取れるの?」などと思ったりしますが、こうやって記事のネタにしたり、書籍にしたり分解/解析セミナー&部品撮影をやったりとしっかり商売されてます。

このほか、様々な場所で日本企業は健在である。例えば、カメラ用CMOSイメージセンサーはソニー、カメラモジュールはミツミ電機とアルプス電気、バッテリーはTDKとソニー、放熱シートはカネカ、水晶部品はセイコーエプソンと日本電波工業、タッチセンサー内蔵の「インセル対応液晶」はジャパンディスプレイなど。ここに列挙できなかった日本製の部品も多い。



言うまでもなく激戦のiPhoneサプライヤー。半導体の多くは米国企業のものですが、その他のデバイスでは日本企業が多数食い込んでいます。


カメラのCMOSはOmniVisionがたまに入るぐらいで、ソニーの独占に近い。スマホでも最も注目度の高いパーツと言っても過言ではなく、多少コストがかかろうとも最高のモノを載せる必要があるのでしょう。

液晶はジャパンディスプレイとシャープが韓国SamsungやLG、台湾のAUOなどと競い合ってます。最近はより高度な製造技術が求められるインセル型パネルが求められるようになり、台湾メーカーの影が薄くなり、国内メーカーの割合が増えた印象があります。

バッテリーはさらに熾烈で、昔は「日本の十八番」と言われてましたが、既にトップシェアは韓国系メーカーとなり、Appleの調達先も日本→韓国→中国とサプライヤーが推移する話が流れていました。

中国シフトを伝える記事
 → アップル、新型iPhone5からサムスン部品を大量除去 | 中央日報
 → iPhone部品、中国勢の供給拡大に懸念
 → アップル、二次電池の調達でサムスン完全排除へ 中国系2社にシフトと台湾紙 - EMSOne

実際、日経の iPhone分解でも中国製バッテリーは確認されています。

電池の表面には製造メーカーも記されていた。「天津力神電池」、すなわち中国Lishen社である。中国の4大電池メーカー(ATL社、BAK社、BYD社、Lishen社)のうちの1社だ。ちなみにiPhone 4Sの電池には「東莞新能源科技」と記されていた。これはATL社を意味する。高級スマートフォンでも中国製の電池が当たり前に採用される時代になったことを実感した。

【2012年10月2日追加情報】 ソフトバンクモバイル版のiPhone 5を分解したところ、2次電池はソニー製だった。iPhone 5に向けては、少なくともLishen社とソニーの2社が2次電池を供給していることになる。
 → 日経テクノロジーオンライン



このまま中国勢に流れるのか?と思ってましたが、今回の分解ではTDK、ソニー製と一転契約を勝ち取っています(供給者は複数と思われますが)。

品質が再認識されたというのもあるでしょうが、円安も少なからず援護射撃になったと思われます。

関連
 → 世界のスマートフォンを支える日本の部品メーカー
 → Teardowns at TechInsights