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2014
iPhone 6のNANDフラッシュはMLCもあれば、TLCもある

iPhone 6のNANDフラッシュはMLCもあれば、TLCもある

なぜ混ぜた

 → 【やじうまPC Watch】iPhone 6のNANDフラッシュはMLCかTLCか - PC Watch

香港のPC関連情報サイトHKEPCによると、任意に選んだ3台の iPhone 6のうち、2台のフラッシュメモリはMLC(東芝製 or Hynix製)で、1台がTLC(SanDisk製)であったとのこと。

メーカーが異なるのはよくある話ですが、TLCが混じっているというのは初耳。

「TLC」は大雑把に言うと、耐久性を犠牲に容量を増やしたフラッシュメモリ。最先端のNANDチップですが、悪く言えば「コスト優先」志向と言えます。

AnandTechの比較表をベースに簡単に比較すると







 SLCMLCTLC
セル当たりのBit数123
書込・消去耐久回数10万回3000回1000回
速度速い普通遅い
容量当たりのコスト高い普通安い



ちなみにDRAMの書き換え回数は10の15乗、実質無制限

このTLCの耐久性・速度の弱点をカバーするため、通常はDRAMでバッファーを設けることで、なるべく書き込み回数を減らす工夫をします。

TLCを採用したSanDiskのローエンドSSDなどもその1つ。

Based on X3 NAND Flash technology, the SanDisk Ultra II SSD comes equipped with nCache™ 2.0 technology that utilizes a two-tiered caching architecture to optimize drive speed and endurance.
 → SanDiskニュースリリース

X3 NANDフラッシュテクノロジーをベースにした、サンディスク ウルトラ II SSDはドライブの速度と耐久性を最適化する2層のキャッシュ構造 nCache 2.0 テクノロジーを備えています。




TLC版 iPhone 6 ではキャッシュ用のDRAMを積まずに、メインメモリをバッファーとして使っているとのことで「なんだかなー」という感じです。


TLCは四日市工場製?

SanDiskは東芝と共同でファブを運営しており、このTLCも四日市工場製である可能性が高いです。

本プロセスを採用した3ビット/セル製品も第1四半期中の量産開始を計画しており
 → 東芝:プレスリリース (2014-04-23):世界初、15nmプロセスを用いたNAND型フラッシュメモリの量産について



東芝 15nmプロセス NAND

年々TLCも改良が加えられており、MLCからTLCへの流れは不可避なのかもしれませんが、TLC版 iPhone 6 がハズレに見えるのは否めないところです。