01
07
2015
Intelが推すワイヤレス充電規格がライバルと合併
Intelが推すワイヤレス充電規格がライバルと合併
Intelが推すワイヤレス充電規格がライバルと合併。→ ワイヤレス給電の業界団体、A4WPとPMAが統合へ - ケータイ Watch
→ ワイヤレス充電規格推進2団体が合流、スマホなどへの早期採用目指す | Reuters
遡ること一年前に、規格統合では既に合意済み。今回は団体そのものを統合へ。
→ [2012-02-12] A4WPとPMAが規格の統合へ - ケータイ Watch
A4WPがPMAを飲み込んだように見えますねぇ。
各ワイヤレス充電規格団体の概要
■ WPC(2008年12月)電磁誘導
TI、Philips、三洋電機など8社が設立。
「Qi」として実用化では大きくリードしているのは周知の通り。
Google Nexusシリーズでも代々採用が続いている(例: Nexus 6)。
■ PMA(2012年3月設立)電磁誘導
大元の母体はイスラエルのベンチャー企業。
2011年にP&Gと提携し、2012年にIEEEが主導する形でPMAを設立。
P&G傘下のDuraCellや、AT&T、Googleなどの支援を取り付ける。
スターバックス店舗への展開は大きなニュースとなったものの、端末への採用は今ひとつ進んでない。
■ A4WP(2012年5月設立)磁気共鳴
SamsungとQualcommが主導し立ち上げた団体。
2013年6月にIntelが加盟(参考)。
PMA同様、製品への採用はまだ進んでないものの、Intelが猛プッシュ中。
磁気共鳴の特徴
磁気共鳴方式の理論が発表されたのが2006年(参考)。まだ発表から10年経ってないという。最近の話なんですね。
電磁誘導方式と較べると伝送効率が若干劣るものの、細かな位置合わせが不要、複数台充電が容易という利点を持つ。そのため、ほぼ密着する必要がある電磁誘導型と違い、ある程度離れていても充電が可能。
出典: A Future Without Cords: Wireless Charging | Intel® Developer Zone
細かな位置合わせが不要なので、ノートパソコンの側に置くだけで充電したり(左図)、放り込めば充電できる充電ボウルのような製品(右図)が作れる。
出典: Technology@Intel / Intel Newsroom
これまで電磁誘導を採用する WPC vs PMAという図式で眺めてましたが、あれよあれよという間にA4WPが台頭してきた印象です。
完全なケーブルレスPCを狙うIntel
Intelはこの無線充電技術と、WiGig(伝送距離は短いが高速通信向けの無線規格)でケーブルレスを実現する目論見です。CentrinoでWi-Fiが広まったように、新たなブランドで二匹目のドジョウを狙うのかもしれません。
2014年記事
→ 2015年にはA4WPとWiGigでPCの完全無線化を実現 - PC Watch
関連
→ 日経BP: 「The Wireless Power Consortium」を立ち上げ
→ ASCII: A4WP設立を発表
→ A4WPがワイヤレス給電規格Rezenceの充電能力拡大 タブレット、PCにも対応 | A4WP
→ 第131回 暮らしを支える新しいワイヤレス送電技術 −磁気共鳴伝送の仕組み−|テクの雑学|TDK Techno Magazine