03
07
2015
ほぼApple全額出資でジャパンディスプレイが新工場を建設
ほぼApple全額出資でジャパンディスプレイが新工場を建設
JDIことジャパンディスプレイが、ほぼApple全額出資のもと、新工場を建てるそうです。1700億円。Appleにとってはフリーキャッシュでポンと支払える金額とはいえ、凄いものです。→ JDIが液晶工場を建設へ、投資1700億円はアップルが大半負担 | Reuters
→ ジャパンディスプレイ、石川に中小型液晶パネルの新工場建設-米アップルが資金提供へ:日刊工業新聞
このニュースに対して「死亡フラグ」と言う声があちこちから聞こえてきます。
Apple出資=死亡フラグ?
というのも、昨年はAppleが出資を持ちかけていた米ガラス企業が豪快に倒産。
→ iPhone 6 用のサファイアガラス製造企業が予想外の倒産
亀山第1工場の一角をAppleに貸し出したシャープが今もって苦境に陥るなど、Appleから出資を受けた企業が立て続けに倒産の危機に晒されているためです。
→ 蹴茶: シャープ、Apple租借地の解消を検討 [7.25]
見方によってはまるで疫病神ですが…
Appleとの契約が温くないというのもあるでしょうが、そもそも資金があればAppleから出資を受ける必要は無く、バイアスがかかっている側面はあります。
シャープの時より甘くなった?
興味深いことに、今回はシャープの時と較べると、Appleの金で建てた工場の製品を他社へ供給してもOKというかなりJDI側に配慮した契約になっているそうです。
Apple自身が調達数に絶対の自信を持ち得ないというのもありますが、これは過去の教訓が背景にあるのかもしれません。
日本勢総崩れは困るApple
かつて、Appleの有力サプライヤーだったエルピーダが危機に落ちいった時、Appleは間接的なサポートこそしましたが、直接の資金援助はせず、結局倒産。その後DRAMの市況価格は急上昇し、依然高止まりしたままなのは周知の事実です。
11年12月と12年1月には米アップルの担当者が日本に来て、政投銀に「DRAMは重要なのでエルピーダをサポートしてほしい」とお願いしてくれた。アップルも韓国1社(サムスン電子)体制になることを懸念していた。しかし政投銀は「日本にDRAMは必要ない。韓国から買える」と言ったから、アップルはあきれ果てていた。
→ 坂本前社長が語る「エルピーダ倒産」の全貌 | インタビュー
シャープに続いてJDIまで倒産の危機を迎えることになれば、液晶もDRAMの二の舞となる可能性があります。安く調達したいAppleにとって、日本勢の総崩れは望ましくない事態と言えます。
関連
→ シャープ、赤字2千億円規模に 銀行支援要請、4工場閉鎖へ - 47NEWS
→ ジャパンディスプレイ最終赤字86億円 4~12月 :日本経済新聞
→ シャープ液晶失速、JDIとの消耗戦にも抜本策見えず | Reuters