08
13
2015
2016年、48層 3D NANDでSamsung vs 東芝の2強が激突

2016年、48層 3D NANDでSamsung vs 東芝の2強が激突

これまで平面だったNANDフラッシュが立体化しはじめたのは周知の通り。
各社、それぞれ3D NANDの生産を開始しています。


各社リリース

積層数はメーカーによって差があり、Samsungと東芝は48層を製品化へ。
Intel-Micronは32層の製品化へ動いています。

 Samsung
 ・Samsung、48層MLCの256Gbit V-NANDを生産開始 ~2015年中にコンシューマ向け製品を投入予定 - PC Watch

 東芝-SanDisk連合
 ・サンディスク、3bit TLCで48層の新3D NAND ~四日市にてパイロット生産を開始 - PC Watch
 ・東芝:プレスリリース (2015-08-04):48層積層プロセスを用いた世界初の256ギガビット3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH」の製品化について

 Intel-Micron連合
 ・IntelとMicron、1ダイあたり48GBを実現する3D NAND ~2.5インチで10TBのSSDが実現可能に - PC Watch


サムスン 48層 v-nand

まとめると








Samsung32層MLC128Gbit製品化済み
Samsung48層TLC256Gbit2015年8月から量産開始
東芝48層MLC128Gbit2015年3月からサンプル出荷
東芝48層TLC256Gbit2015年9月からサンプル出荷
IM32層TLC256Gbit2015年3月からサンプル出荷
IM32層TLC384Gbit2015年今春後半からサンプル出荷



Intel・Micron連合は華々しく容量最大となる384Gbit/チップの製品化を発表しましたが、多層化では32層に留まり、その代わりにダイサイズを大きく取って容量を稼いでいるようです(参照)。代償として、コストは高くつきます。



48層で激突することになったSamsungと東芝も若干戦略が異なります。



先行したサムスン、48層に狙いを定めた東芝

3D NANDの製品化ではSamsungが先行。
ライバルの東芝は「48層からが勝負」と24層、32層の製品化は避けています。

 → 蹴茶: 東芝「3次元NANDでの後れに焦りはない」 [9.12]


先行したSamsungのV-NANDは不良率が高い(=コスト高)という話もあり、実際、店頭でも他のSSDと較べると2倍近い価格差があり、V-NANDで先行した感はあまりありません。いまのところ、東芝の目論見通りでしょうか。

昨年から量産を開始しているサムスンも不良品率が高く、採算面で厳しいとの声もある。東芝も同様の課題を抱えていたが、生産技術のめどが立ち、サンプル出荷を決めた。
 → サムスン超え、東芝世界一へ 3次元メモリー「48層」年内量産(1/2ページ) - 産経ニュース





TLCの先、QLCは?

MLC(2値)、TLC(8値)と来て、その先の技術となるQLC(16値)。

2D NANDでは既に試作済みですが、
 → 東芝:プレスリリース (2009-02-11):多値技術を用いたNAND型フラッシュメモリの開発について

いま開催中のフラッシュメモリサミット2015では、QLC仕様の東芝3D NAND「QLC BiCS FLASH」がアナウンスされています。

 → FMS 2015: Toshiba Talks QLC BiCS FLASH for Archival SSDs | Custom PC Review

ただ製品化の時期は明言されず、TLCよりもさらにデータ保持力が弱いことから、記録用SSDを想定しているとのことです。




TB級のSSDが当たり前に

立体化の歩留まりが改善し、量産が軌道に乗れば、微細化で行き詰まりを見せていたNANDフラッシュは再び飛躍の時を迎えることとなります。

先日、2.5インチ 2TBのSSDが話題になりましたが、生産が軌道に乗るであろう2017年あたりにはTB級のSSDが当たり前になってくるかもしれません。

 → サムスン、2.5インチ2TB版SSDを国内発表。7mm厚ではHDD超え - Engadget Japanese


関連)
 ・【福田昭のセミコン業界最前線】本格化する3D NANDフラッシュの量産競争 ~Intel-Micron連合編 - PC Watch