数本の毛だけでペットの健康チェックできるわけがない 「ペチコミ」 8/30

世の中でたらめなペット情報が氾濫していますが、これも信じられては動物が危ないので突っ込んでおきます。

ペチコミ「数本の毛を送るだけで健康チェック」
 → http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070830_ahcs_pets/

まず、基本的に犬も猫も人間と似た体をもち、同じような病気にかかります。罹患のしやすさに差があったり、犬だけ猫だけの病気ももちろんありますが、人間同様、白血病もあればエイズもあります。肥大型心筋症もあります。花粉症、食物アレルギー、脂肪肝や糖尿病にだってなります。使っている薬も人間用のものが多いのです。

検査も人間と同様です。私たちが人間の病院にいって、髪の毛数本を渡して検査してもらう。その結果だけで安心しますか。確かに可能性があるかも...程度にわかる病気もあるでしょうが、ほんのごくごく一部です。かかる可能性のある多くの病気は、被毛だけではわかりません。

検査結果のサンプルも載ってますが、りんごジュース500mlだの、交感神経が優位だから血液が汚れるだの、さっぱり意味不明です。血液の汚れって何でしょうか。そもそも裏付けとなる論文がなにも提示されていません。どの成分を調べて、何を根拠に今回の結論にいたったのか。難しい内容だとしても、どこかにそれを明記すべきことだと思います。

基本的に食欲もあり、散歩も元気に行く、体重も減っておらず見た目元気であれば、本当にチラ見程度、占い気分で調べてみるのは健康意識を高める上で良いかもしれません。が、書いてあることを鵜吞みにするのは非常に危険です。

一番最後に
『健康状態を保障するものではありません。
 具体的疾病症状がある場合は、獣医師の診断をお勧めします』
と書いてあります。病気を発見できなくても責任はありませんということのようです。

検査の結果分析、それへの対応に獣医師が責任を持つからこその検査料だと思います。数年前に検査から糖尿病の疑いを見いだせず、獣医師が裁判で負けた事例がありました。ケトアシドーシスの状態を見逃したので、これは当然獣医師側の責任です。

この被毛検査で糖尿病を見逃したとして責任が問われるか?というとおそらく問われないでしょう。そもそも通信販売の被毛検査でわかるはずがなく、責任の問いようがありません。検査結果に責任をもたず検査だけというのはずいぶんと楽な話です。