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ロンドン渋滞税にみる都市部のCO2削減策 アシスト自転車雑感

クローズアップ現代でやっていたロンドンの環境対策が興味深かったのでメモ。
ついでに暫定税率についても一言。
 → http://www.nhk.or.jp/gendai/

ロンドンでは都市の一部が渋滞税ゾーンとなり、ゾーン内を走る車はすべて8ポンド(円換算)の渋滞税を支払わなければなりません。事前申請なしにゾーン内を走ろうものなら、ロンドン名物の監視カメラがナンバーをチェック。あとから納税することになり、拒否すると罰金が待っています。

逆にプリウスや電気自動車などエコカーは、この渋滞税が免除。
さらに都市部の無料駐車場や無料の充電スタンドが利用できる特典付きだそうです。
 → 蹴茶: プラグインカー「i MiEV」の試乗動画

これにより交通量は20%減少。CO2排出量は(確か)16%ほどの削減となったそうです。加えて、交通量が減ったことで公共バスの運行速度もアップ。当初は課金トラブルなど多少の問題はあったようですが、おおむね順調に推移し最近ゾーンが拡張されました。

こういった施策は日本でも効果がありそうです。東京都も数値目標の設定を検討しているそうですが、ロンドンのような方策もひとつですね。ヤマト運輸が都市部でリアカー配送を展開していますが、こういった取り組みを経済面からも有利にすることができます。もちろんエコカーへの移行を促す効果もあるはずです。
(※自動車は製造時より使用時の排出量が多く、古い車を買い換えるのは有効な手です)
 → 英でも「プリウス」快走---ロンドンの新渋滞税優遇で人気に

政治は暫定税率がどうのこうの言っていますが、民主党の主張であるガソリンを安くする、というのはそれでいいのか?という気はします。確かに無駄な道路は作るべきではありませんが、税率面でガソリンが安くなっても産油国へ日本が支払う金額は同じです。むしろ安くなれば消費が増え、外貨支払いも、石油依存度も増える要因になります。
 → 民主、ガソリン税暫定税率で戦術変更へ 道路一般財源化 - MSN産経ニュース

かつて補助金制度があったため、日本にはシャープや京セラなど太陽光発電産業が育ちました。いまは打ち切られてしまい、独Qセルズや中華系メーカーの台頭を許す結果になっていますが、同じようにガソリンが高かったからこそ、低燃費車の開発が進んだという側面があります。一時のためにガソリンを安くするよりもガソリン税を維持し、それを原資にエコカーの普及や都市部の自転車専用道の整備などを推し進めるべきだと思います。

アシスト自転車 法的には車道を走るべき自転車だが都市部では危険すぎ

結果として日本の原油消費量が減り原油高への抵抗力が高まれば、国際競争力の強化にも繋がります。いまのうちに経済を強くしておかないと、いずれ円が衰退し今より酷い物価高に見舞われることになります。ガソリンを20円、30円安くするという話よりも、もっと長期の政策で討議して欲しいものです。

ちなみに2004年のエネルギー自給率はわずか18%です。これは原子力を国産エネルギーとみた場合で、全量海外からの輸入であるウランを輸入エネルギーとみれば自給率はわずか4%にまで下がります。食糧自給率どころではありません。資源を確保できればいいですが、最近のロシアなど資源ナショナリズムの高まりをみると結構危うい状態ではないでしょうか。
 → 資源エネルギー庁 日本のエネルギー2007 一番下

北方領土問題でも国力の回復したロシアは強気に出ていますが、経済力の衰えは国際社会でのプレゼンスの低下に繋がり、しいては領土問題や捕鯨問題など文化面での劣勢にも繋がる話です。少子化いいじゃないか、経済成長率マイナスでいいじゃないか、などと言っていると将来痛い目にあいそうな気がします。

食料自給率も低さもマスコミが問題視してますが、日本は幸い降雨はあるので、コストさえ我慢すれば食糧自給率は上がる余地が十分あります。食卓は貧相になるでしょうが。資源ばかりは絶対に作り出せないですからね。

 アシスト自転車の話に続く


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