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カルフォルニア州で宇宙太陽光発電の運用申請が出される

■ 宇宙太陽光発電計画

宇宙にソーラーパネルを展開し発電、地上へはマイクロ波を使って送電する宇宙太陽光発電プロジェクトを実際にやろうとしている企業があるようです。

パシフィック社では、今回、導入が決まった宇宙太陽光発電は出力が200MWで2016年からの運用開始を目標にカリフォルニア州当局に対して、設置許可申請を行ったと述べている。
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大気圏の影響で太陽光の一部しか到達しない地上に設置するよりも、太陽光を直接受けることができる宇宙空間に設置した場合の方が、同じソーラーパネルでも発電効率は8倍も高く、究極のクリーンエネルギーとも考えられている。(以下略)
 → 米大手電力会社、宇宙太陽光発電の運用で州政府に許可申請 - Technobahn


しかし、宇宙に何かを持って行くというのは非常にコスト高な行為なので、いくら宇宙だと8倍発電できるとはいえ、地球に8倍の面積設置した方が安く済むはずですが、何らかのアピール目的も混じってそうです。


■ スーパーグリッド

欧州連合(EU)でサハラ砂漠から電力を調達する構想が浮上している。23日付ガーディアンが欧州委員会のエネルギー研究所の話として伝えた。 総工費450億ユーロ(7兆6,200億円)の「欧州スーパーグリッド(送電網)」計画の中核をなすもの。日差しが強力な北アフリカに太陽光発電(PV)パネルを設置した場合、欧州北部の最大3倍に及ぶ電力を得られる。各ソーラーファームの発電容量は5万~20万キロワットを想定している。 「欧州スーパーグリッド」は英国やオランダの風力発電のほか、アイスランドとイタリアの地熱発電といった再生可能エネルギーを欧州全体で共有する壮大なプロジェクト。北アフリカとは、従来の交流方式より長距離送電中の電力ロスが少ない高電圧直流送電線で結ぶことになる。 計画はまだ初期段階だが、既にブラウン英首相やサルコジ仏大統領が支持を表明している。欧州全土に送電網を張り巡らせるには、2050年までに年間最大10億ユーロの費用が掛かる見通しだ。



こちらも結構前から提唱されて実現目指して国単位で動いているプロジェクト。北アフリカを巻き込んだ大送電網を構築し、自然エネルギーを最大限活用する計画です。

自然エネルギーの弱点は発電量の不安定さにあります。これは太陽光や風力、地熱といった発電の種類と発電場所の多様化、またバイオマスエネルギーによる補完や、太陽光を貯め込める酢酸Naなどの融解塩を使った蓄熱で対策を取る。

送電には高圧直流送電を使う。伝送ロスは1000kmで3%で済み、これは水素の形でエネルギーを運搬するよりもはるかに効率的。北アフリカのアルジェリアからイタリアまでは約1000km。イギリスまで送ると3000km前後になります。

EUスーパーグリッド構想

ヨーロッパは早くエネルギーの自立を図ることが、エネルギーのロシア依存を減らし、政治的ポジションの強化にも繋がるため気合いが入っているようにも見えます。

東京大学は砂漠に太陽光発電を設置し、できた電気を送電効率の優れた超電導電線で送る研究プロジェクトに着手した。今後、3年間かけて基盤技術を確立し、2014年メドに南米のチリで実証試験をする。
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計画ではチリのアタカマ砂漠に約6700世帯分に相当する出力2万キロワットの太陽光発電を設置する。銅線ではなく超電導材料でできた送電線を使って、約1キロメートル離れた人口3000人の市に電力を供給する。超電導材料は電気抵抗がゼロで、長距離を送電しても電気の損失がほとんどない。
 → NIKKEI NET(日経ネット):砂漠で太陽光発電、超電導で効率送電 東大、チリで試験計画