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PS3のGPU(RSX)はどんどんお荷物に PS4の行方は

「PS3の弱点はGPU(RSX:GeForce 7800GTX劣化版)だ!」というのは以前から聞く話ですが、最近はそのトレンドがさらに顕著になっているようで、どんどんRSXへの仕事の割り当てを減らす方向になっています。

 3Dグラフィックスのレンダリングパイプラインは大まかに考えると「頂点→ピクセル→ポストプロセス」となるが、今や、PS3では「頂点を SPU(≒PS Edge)で」、「ポストプロセスもSPUで」という潮流ができつつある。裏を返すと、RSXがピクセルシェーダーのみの役割しか任せられないということでもあり、なんとも悲しいことだ。
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PS3のGPU「RSX」は、いまや、「お荷物的存在」なのかもしれないが、SPUでまだまだ未来は切り開けるはず。PS3の未来はSPU活用が握っている。
 → オランダ精鋭部隊がCELLプロセッサで実装した「脅威推測型AI」の秘密


NVIDIAはこうなることを以前からわかっていたのか、「GeForceの父」と呼ばれているKirk氏は2005年のインタビューで今の状態を予見するような話をしています。
 → 「PS3のGPUは1つではない。全部で1+7個ある」

ずっとPSをウォッチしている後藤氏は次のプレイステーション4について、昨年はCellの発展コアで決まりかけているという話を書いていました。今年になってIntelのLarrabeeが採用される可能性にも言及しましたが、Larrabee採用はハードルが高いのではと締めています。
 → PLAYSTATION 4は拡張版Cell搭載へ向かう
 → 携帯電話に対抗するPSP2、CellとLarrabeeで揺れるPS4
 → なぜLarrabeeベースのPS4はハードルが高いのか

上記の「KILLZONE 2」開発チームのようにSPUを使いこなすライブラリを書きためている現状を見ると、PS4はCell発展型が妥当という気がします。新聞でもちらほらとCellを使ってうんぬんというニュースが出ており、ゲーム以外でのCell活用事例も増えています。ここまでCellを育てておいて放棄するのももったいない。(飼い主は東芝とIBMですが)

加えてCellではなくxboxのようにx86と親和性の高いプラットフォームに変えると、それこそMicrosoftとゲーム開発環境を競うソフトウェア勝負になってしまい、それが本業であるMicrosoftには勝てそうにありません。やはりハードでの差別化をしたいところでは。


今後不況が長引き、ゲーム業界の安近短トレンドも強まると EA OnLiveのようなチープなクライアントのサービスが活況になるかもしれません。そうなるとソニーがPS事業の大幅な路線変更を考える可能性もありそうですね。
 → EA OnLive パワフルなゲーム端末は不要になる?:蹴茶

大手家電メーカー3社の2010年3月期は、世界的な景気後退を背景に「V字回復」をうかがう余地はなく、いずれも営業赤字に陥る可能性が高い。
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ソニーではゲーム事業も赤字が続いており、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)3」の赤字圧縮が課題。ただ、PS3は、ストリンガー会長兼社長が重視する「ネットワーク路線」の中核機で、拡大路線を加速させるため、10年3月期は値下げが予想されている。
 → 家電大手は営業赤字の公算、薄型TV苦境で迫られる構造改革