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国内生産というけれど
ヒューレットパッカードが「昭島工場」のプレス公開を行ったようで、各誌に一斉に記事が出ています。→ 東京仕様は“漬け物石”──日本HPのPC生産拠点、HP昭島工場に潜入してみた
→ 日本HP、東京でのPC生産10周年を振り返る
→ ASCII.jp:「MADE IN TOKYO」ではや10年 HPの昭島工場を見た
→ 日本HPが東京生産開始から10年 - 完全注文仕様生産方式で納期5日を実現 | マイコミジャーナル
「MADE IN TOKYO」を謳っていますが、それは他社にないメリットなのでしょうか。以前マウスコンピューターの「国内生産」にも突っ込んでしまいましたが「国内生産」をデカデカとアピールすることにどうも違和感を感じてしまいます。
国内生産というか実態は「国内組立」であって、国内組立自体は珍しいことではありません。それを言うなら秋葉原の小さなPCショップも「国内生産」です。Let'snoteのようにマザーボードから国内で作っているわけではありません(Let'snoteも一部は海外生産)。
→ パナソニック神戸工場の高い生産力の秘密
→ ソーテックブランドPCを生産する鳥取オンキヨーを訪ねる
→ NECパーソナルプロダクツの米沢事業場
→ 「出雲の国」で生産される富士通のノートPC
→ ヤマト、ネット通販一括受託
島根富士通の最大の特徴は、プリント板からのPC一貫生産を行なっている点だ。多くのメーカーがマザーボードを海外から調達したり、生産そのものを海外へと移管しているのに対して、国内で一貫生産しているのは、島根富士通と、松下電器のLet'noteの生産を担当している松下電器神戸工場ぐらいだ。
→ 大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」
「昭島工場」と書いてますが建物は物流業者のもので、そこを間借りしている状態です。最近は物流業者が倉庫の一部を貸し出したり、一部業務を請け負うのがトレンドになっています。NECや富士通のように自社(子会社)工場を建てたわけではありません。
HPの国内組立自体は納期も早まりユーザーにとっても利点は多いですし、海外生産したものをノーチェックでユーザーに届けることに較べれば輸送過程で生じる故障も減らすことができます。それを批難する気はさらさら無いのですが、他社との比較を書かずに盲目的に「国内生産」の文字を踊らせるのはどうかと思ってしまいます。
アピールしたいなら、むしろ「国内サポート」を実現するべきではないかと。