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802.11nの10倍、7Gbpsを実現する無線規格 WiGig

また新しい規格が策定されました。「WiGig」。
無線でGigabitEthernet級の速度を狙う規格です。巷の802.11n製品の理論値が300Mbps(約0.3Gbps)なので、桁の違う速度を目指しています。
 → 次世代高速無線規格「WiGig 1.0」の仕様完成 - ITmedia News
 → [CNET Japan] WiGig Alliance、新ワイヤレス規格の策定を完了

大人の事情で規格が複数立ち上がるのは毎度のことですが、やっと本格普及のはじまった802.11nの次も対立中。次を狙う標準化グループは2つあり、

 6GHz帯以下を使う「802.11ac」
 60GHz帯を使う「802.11ad」

Intel、Atheros、Broadcom、MicrosoftなどなどPC系はミリ波推進グループ。
Motorola、Qualcommといった携帯寄りの企業が押すのが6GHz帯。
 → 2008-03-10 - eggmanの日記
 → WiGigメンバー NVIDIAやAMDがメンバーに

WiGigはどっちでも無いのか?!という話ですが、「802.11ad」の類似規格となっており

「WiGigの仕様書を見ると,IEEE802.11の拡張仕様であることが読み取れるだろう」(同氏)。WiGigはミリ波を用いるため,伝送距離が短い。このため,現行の2.4GHz帯や5GHz帯使う無線LAN方式と,相互補完の関係にあるという。現在IEEE802.11委員会では,60GHz帯のミリ波使う伝送仕様の策定部会として「TGad(タスクグループad)」が活動を開始している。WiGigの主導企業とTGadで活動する企業はほぼ一致しており,今後TGadの議論にもWiGigの活動が影響を与えそうだ
 → ミリ波Gビット無線の業界団体「WiGig」が正式仕様策定,NVIDIAやAMDがメンバーに - Tech-On!
 → 【続報】「WiGigは次世代の無線LAN」WiGig Alliance - Tech-On!


という、一般人には意味不明な展開。

「WirelessHD」「WHDI」「TransferJet」など乱立する無線規格のまとめは以下記事
 → PANもLANも、無線通信はギガビットの時代へ - @IT

ミリ波無線になると部屋をまたげないでしょうから、使い方はかなり限定的になります。薄型テレビのチューナーと液晶パネルを分離してその間をミリ波で繋ぐといった提案がなされてますが、それで価格が高くなるならあんまり支持されないような。パソコンで使うにしても結構不便な気が。

携帯の世界もLTEや次世代WiMAXやら、色々と規格戦争状態です。

関連
 → 蹴茶: 802.11n正式版 9月に承認予定 2009.7.23