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H.264全盛時代 栄枯盛衰はいつ?

今週行われていた半導体国際会議でも目玉の1つだった「H.264」。
YouTubeやニコニコ動画でも使われ、名前を聞いたことがない人はいないのでは?というぐらいに有名なコーデックになりつつあります。
 → [PC Watch] 【ISSCC 2010レポート】次世代TVに対応するマルチメディアプロセッサ

動画配信以外で有名な採用例は「Blu-ray Disc」。
BDには複数のコーデックが採用されていますが、実質的にH.264が標準になっています。

また日本の地デジは策定が早かったこともあり違うのですが、海外に目を向ければ欧州、ロシア、インド、ブラジルなど多くの国でH.264がテレビ放送に使われる予定です。だからこそ、東芝やNECが一生懸命デコーダーチップの開発に注力しているわけですが。

この順風満帆に見えるH.264にも問題があり、完全フリーではないためライセンス料がハードルとなっています。条件付きでフリーではありますし、H.264開発者にライセンス料が入ることは悪いことではないのですが、小さなベンチャー企業がH.264コーデックを同梱したソフトウェアを広く頒布したいときには少なからずネックになってきます。
 → H.264ライセンス懸念解消、HTML5 Video問題は継続 | マイコミジャーナル
 → ネット参入に“料金所”は要らない、Mozilla - @IT

この障害をあらゆる物をフリーにし、楽市楽座的政策によって広告収益を拡大させてきたGoogleが問題視しないわけがなく、問題解決に彼らが目を付けたのがOn2 TechnologiesのVP8コーデックと言われています。現在買収交渉中で決定事項ではないですし、Googleは「VP8をオープンにする」とは一言も言っていませんが、にわかに期待が高まっています。
 → [CNET Japan] グーグル、On2 Technologies買収で現金の上乗せを提案

On2買収を成功させてVP8をオープンソース化しYouTubeなどで採用すれば、雪崩をうってVP8の採用が増えるかも知れません。フリーの動画編集ソフトも色々出てきたりするのでしょうか。


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