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Amazon配送料無料、勝敗の要となるクラウドと物流

クラウド時代というと、自前サーバーを持たずデータを預けて管理維持費削減が最近の流行り。
 → 基幹システムのクラウド移行は始まっている---メーカー4社のパネル討論:ITpro

ところがサービスがある規模を超えると、今度は自前のデータセンターを進んで持つようになります。MicrosoftがAmazonのクラウドサービスを利用して満足するなんて状況にはなっていません。運用の柔軟性を高め、コストを下げるため、AppleMicrosoftTwitterも自前のデータセンター構築に走っています。

これと似たようなことが‘物流’にも言えるようで、物流のアウトソーシングが流行る一方で、自前の物流システム構築に投資をする楽天のような企業もあります。
 → vsアマゾン、物流で挑む楽天の算盤勘定:日経ビジネスオンライン

そして本題ですが、Amazonもまた日本上陸以来、自前の物流センターに投資を続けてきました。このたび国内5カ所目の物流センターがオープン。全商品、配送料無料という通販業界にとっては夢(恐怖?)のサービスを実現させています。
 → [ITMedia] Amazon.co.jp、通常配送が無料に

ラスト1マイルではありませんが、末端の物流はヤマト運輸や佐川急便が担い続けるのでしょうが、この辺はクラウド業界と回線事業者との関係に似ているかもしれませんね。既存の製造業が水平分業へ流れていくなか、新興サービスでは逆に垂直統合への動きが出てきているところが面白いところです。

いつもながらとりとめなく書きますが、LGやSamsungなどの韓国企業は製造業でありながら、逆に垂直統合を進めています。

LGは、グループ会社であるLG Displayでパネルを、LG Innotekでバックライトを、LG Ghemで偏光板をそれぞれ開発。垂直統合により、市場のニーズに高いレベルでこたえられることを強みとする。
 → LG、IPS搭載/21.5型フルHDで実売2万円の液晶ディスプレイ -AV Watch


現状のように、世界市場で巨大なシェアを取り、ウォン安だからこそできる戦略なのでしょう。

結局、これが正解!というものがあるわけでなく、技術革新の情勢、国家(通貨)の情勢等々、様々な要因で自前主義が良かったり、分業が良かったりと二転三転していくのでしょうね。

先進国でもボーイングのように水平分業したはいいが、今度は品質管理に失敗し、大きな痛手を受けている企業もあります。米国企業もまた今回のドル安を機に、色々と方針転換する時期にあるのかもしれません。
 → 米企業が「垂直型」経営へ回帰 - WSJ.com