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関西電力の余剰電力が底を突くという噂について

※更新 設備情報をWikipediaから関西電力プロファイル2010のものへと変更 グラフ追加

数時間前から『関西電力、中部電力等の余剰電力が底を突く』という話がtwitter、携帯メール問わず猛烈な勢いで届いています。

【拡散希望】西日本方面の方々 節電のご協力をお願いします。本日18時以降関東の電気の備蓄が底をつくらしく、中部電力や関西電力からも送電を行います。節電なら誰でもできます!被災地から離れてますが協力しましょう。


知人の関西電力勤務の人に聞きましたが、そんな事は無いと否定。
もちろん、これも1社員からの情報でしかないですが、西から東へは60Hzから50Hzへの変換が必要なため送電能力は最大で 120万kw100万kw(東清水はまだに仮運転中)と大きくありません。

電力の安定供給のためには重要な周波数変換所ですが、変換能力は佐久間が 30 万 kW、新信濃が 60 万 kW、東清水が 30 万 kW (現在は仮運用のため 10 万kW)
 → 探検発見 : 電源開発 佐久間周波数変換所


3カ所の周波数変換所
3カ所の周波数変換所 変換容量
画像ソース: 容量確保ルールに 関する参考資料 容量確保ルールに 関する参考資料

参考
 → 中部電力 | 東清水周波数変換装置(東清水FC)の運転再開について PR(2006年)
 → 日立評論2010年1月号 : 電力流通


元もと関西電力は3,432万kwの発電能力を持ち(KANDEN PROFILE2010より ※)、これは主に電力消費が増える夏場を想定した設備です。冬場の今であれば東に送電する余裕は十分にあると見るべきでは。(さらに言えば中部電力の余力もあります)

関西電力の発電能力と夏期冬期の最大需要
今回の震災と無関係に節電することは火力発電の抑制へと繋がるので良いことです。

関西電力は14日、瞬間的な電力需要が同日午後5~6時の平均で2665万2000キロ・ワットに達し、冬季(12月~翌年2月)の過去最高を更新したと発表
 → 瞬間電力需要、冬季の最高更新…関西電力 : 読売新聞




関西電力の公式発表無しに猛烈な勢いで話が広がっているので、本当に?という意味を込めて書きました。
参考として受け入れる側の不足分は12日で以下の通り。

東電は、12日午後6~7時の電力需要を3800万キロワットと想定。これに対し供給力は、福島第1、第2原発の停止などの影響で3700万キロワットにとどまる見通しだ。
 → 時事.com:東電、初の「輪番停電」検討=供給不足で地域ごとに


関西電力は公式サイトがそもそも落ちてしまっていますが、何かしらの形で公式見解の発表を望みます。
 → 関西電力株式会社

※ 追記
関西電力トップページにアナウンスが出てました。
関西電力アナウンス