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複雑な欧州の電力事情 ドイツが電力輸入国になる

日本の事故を受け、原子力発電を停止したドイツが電力輸入国になるとのこと。
 → ドイツ、原発停止措置によって電力の純輸入国に | Reuters

日本にいると電気を輸出とか輸入するとかサッパリですが、欧州ではほとんどの国が電力の売り買いをしています。

手頃な資料が見つからなかったので古いですが、エネルギー庁の資料から欧州の電力網図。
EUグリッド

これが全部ではなく、チェコ-ドイツや、フィンランド-ロシアなど上記には記載されていない送電網もたくさんあります。電力が重要な輸出商品であるウクライナと繋がっている国も多いです。
EUグリッド2
EUグリッド3

転送容量は以下サイトで調べられます。
 → ENTSO-E - European Network of Transmission System Operators for Electricity

欧州の電力事情は非常に複雑ですが、その張り巡らされた電力網が他国電力をバックアップにできるという安定性に繋がっています。

ただ脱原発志向のドイツがフランスから原子力エネルギーを輸入するのはいいのか?と突っ込みがあったり、ドイツの補助金で安く作られた風力発電の電力が他国に輸出されるのはいいのか?など、独立した電力網を持つ日本ではありえない事が問題になったりします。

自然エネルギーの導入ではドイツがよく引き合いに出されますが、他国からの電力の融通ができない日本はドイツよりも自然エネルギーの導入のハードルが高い(バックアップ電源のコストがかさむ)ことは知っておくべき事情だと思います。

もう耳タコですが、原発全廃を目指すのであれば安定的な電力が何より求められます。日照が安定せず台風のメッカでもある日本は太陽光、風力以外の何かが必要です。それが地熱になるのか、バイオマスになるのか、巨大蓄電池になるのか。まだ見ぬ新エネルギーなのか。

※19日深夜、少し追記。

関連 イスラエルの巨大蓄電池は興味沸きますね
 → 国内電力の9割を再生可能に:イスラエルでの提案 | WIRED VISION
 → ATOMICA: 電力海外情勢


 → RWE Facts & Figures 2008 - Transfer Capacities
 → Factbook PDF