膨大な天然ガスを産むシェールガス vs メタンハイドレード
※ 早朝にフィードで一部を撒いてしまったのですが、残りを仕上げました。※ エネルギーネタばかりですみません。つい調べてしまうのでメモっておきます。
■ シェールガス革命
「シェールガス」は技術の進歩によって最近掘れるようになった新しいガス田です。
(メタンハイドレードの探鉱手法より)
シェールガスは地下100~2600mの頁岩(シェール)に含まれています。横向きに井戸を掘るのが特徴で、井戸を掘りそこから圧力をかけた水で地層に割れ目を入れると、封じ込められていたガスがパイプを通して回収されます。
その開発ペースがもの凄く早い。
「合計24人の作業員が12時間シフトで昼夜ぶっ通しで掘り続けている。2週間ここで寝泊まりして働き、次の2週間は帰宅して休む。4カ月という短期間で6本の井戸を一気に掘るのさ」
→ 復興需要狙う米天然ガス:日経ビジネスオンライン
1本当たりの採掘量が少ないため、数多く掘らないと量が取れないというのもありますが、深海深くに井戸を掘るメタンハイドレードではこうはいきません。
■ メタンハイドレード
メタンハイドレードは1000m以上の深海から採掘します。
深海では固形なので上から温水を送って暖めたり、減圧することで気体に戻し、パイプを通じて回収します。砂利も一緒に吹き出てくるので、対策をしないとすぐ詰まってしまいます。
シェールガスのように陸上からガンガン掘るのとは難易度が違います。温水や減圧設備も別途必要です。原子炉も容易には近づけませんが、深海も人が海底に降りて掘れないという点で作業の難しさは似たようなものです。
テレビのコメンテイターの中には「メタンハイドレードはいますぐ実用化可能」という人もいますが、技術的に掘れても商業的にはまず無理では。当のコメンテイターが関連研究所の代表を務めていることもありポジショントーク気味です。本当に実用化可能なら、商社がさっさと投資して既に実証プラントぐらい作っているはずです。
将来的に資源高が進み、資源国の言い値で買わされるのを防ぐ“交渉カード”としてメタンハイドレードの採掘技術を磨く意義はあると思いますが、すぐにこれが原発衰退後の日本の救世主になるかと言うと、私は疑問です。
■ 膨れあがるシェールガス
シェールガスは新たなガス田が次々に開けてきます。
商業ベースで採掘が進むシェールガス田。
資本主義の米国ゆえ一気に北米での探鉱が進みましたが、今後は中国をはじめとして世界中でシェールガス探しがはじまると思います。従来型のガス田に較べると効率が悪いのと、地下水汚染など問題もありますので、将来がバラ色というわけではないようですが。
関連
→ メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム
→ ∞ 独立総合研究所
→ 非在来型天然ガスの開発技術の動向
→ ポスト「福島」:本格的な天然ガス時代突入へ