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iPhone 5 ではなく 4Sだった理由

株価まで下がったiPhone 4S。
期待が高かったのが原因ですが、ふり返ると期待を高めた要因が2つあると思います。

 1.ライバル機の台頭
 2.開発期間が長かった

1はHTCやSamsungなどから、4インチ超の高性能スマホがゴロゴロと発売され、当然iPhoneにもそれを期待したというもの。

2は歴代iPhoneを発表日を並べてみると
   iPhone 3G 2008年6月9日
   iPhone 3GS 2009年6月9日
   iPhone 4 2010年6月7日
   iPhone 4S 2011年10月5日
となり、これまで1年ペースで来ていた更新期間が、iPhone 4Sで1年4ヶ月に延長。
当然筐体も含めた大幅なグレードアップを期待したのに、そうではなかった。
これが2つ目の失望要因だろうと思います。


■ 大幅なグレードアップが無かった理由は

プロセッサをデュアル化しましたが、駆動時間 待ち受け時間は100時間減っており(通話時間は7→8時間へ)ぎりぎりの強化です。プロセッサの微細化がその解決策となりますが、Samsungとは疎遠になる方向へ向かっているため、TSMCが新プロセスを出さない限りは改善できません。これはSamsung以外のライバル社も同条件ですね。
 → iPhone 4S vs. iPhone 4 詳細比較チャート -- Engadget Japanese

大画面化。これはサイズのポリシーにも依りますが大きくするだけなら今回でも可能だったはずです。しかし考えると、ジョブズ自身の言葉「Retina Dispaly」がやっかいです。

4インチ超にするとピクセル密度が下がり、「人間の網膜が認識できる上限」という 300 ppiを下回ってしまいます。これではRetinaを名乗れず、進化どころか退化になってしまいます。

かといって解像度を上げると、

 ・ プロセッサ負荷上昇
 ・ バッテリー駆動時間の減少
 ・ iOSのインターフェイス改築
 ・ アプリ制作者への大きな負担

というデメリットがずらずら出てきます。

今回、外見そのままにも関わらず開発が長引いたことから、おそらくはiOS 5、iCloudなどソフトウェアに手こずったのではないかと思います。そこに加えて解像度の変更(大画面化)というのは完璧主義のアップルにとっては厳しい注文だったのかもしれません。憶測ですが。


※ 11月26日追記
 → 「iPhone 5」が発売中止になった理由 - TechTarget



■ LTEの実装が原因だとする説も

AppleはLTE対応のiPhone 5を温存しているとするアナリスト分析も出ています。
 → 「iPhone 5」、LTE対応のため発売は2012年春以降か--アナリスト予測 - CNET Japan
 → Apple iPhone 5 Release in Early 2012, to Feature LTE 4G [REPORT] - International Business Times