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ソフトバンク、XGPを終了しAXGPへ完全移行。その思惑とは
ソフトバンク傘下のWCPがウィルコム時代にはじめたXGPサービスを終了。→ Wireless City Planning、「XGP」を2012年1月に終了――今後はAXGPに注力
後継はAXGP。
「Advanced XGP」とXGPの上位版のような名前が付いてますが、中身は中国が力を入れるLTE方式(TD-LTE)に極めて近く、中国製の端末や基地局を安価に導入できるのが強みです。
→ ZTEがWCPに納入したAXGP基地局が2011年11月に商用予定 - ZTE Japan
このAXGP、安い中国製機器が使える利点の他に、もう1つ狙いがあるのでは?と一部で噂されています。それがAppleが中国を念頭に、次期iPhoneでTD-LTEに対応するという話です。
(ドコモが展開するLTEとTD-LTEは別物です)
「われわれは過去2年間この問題について議論してきた。現在状況は前進している。アップルははっきりと『TD-LTEをサポートする』と言っている("Apple has made it clear they will support TD-LTE")」と述べたという。
→ 「アップル、iPhoneのTD-LTE対応を確約」- チャイナ・モバイル会長がコメント - WirelessWire News
もし次期iPhoneがTD-LTE対応となれば、ソフトバンクとしては美味い。
先に書いたようにAXGP≒TD-LTEですので、「遅い、遅い」と言われ続けているSB版iPhone用に(ほぼ)専用のデータ通信帯域を確保できます。
単純なデータ通信だけ見れば、ドコモLTE、UQ WiMAXにイーモバとライバルも多く、採算が取れるかどうかわからないAXGPに投資するのも合点がいきます。
ウィルコム買収の際、負債を圧縮した上で410億円程度を負担したソフトバンクですが、基地局の敷地を流用し、電波免許も活用できるとなれば安い買い物だったのかもしれません。
以上、妄想でした。
関連
→ ソフバンク:ウィルコムPHS本体も支援、410億円の6年返済を補助 - Bloomberg
→ ソフトバンク、ウィルコムの基地局を転用して「基地局倍増」へ | スラッシュドット
→ ソフトバンクモバイルによるウィルコム基地転用問題 - Togetter
※ 2011/12/09追記
山谷剛史コラムより
かつては「TD-SCDMA版iPhoneが出る」といううわさもあった。しかし、現在は「アップルと中国移動の交渉が決裂」と報道されたことからTD-SCDMA版は絶望視され、中国電信版の登場が期待されている。
→ 中国独自3G方式「TD-SCDMA」が自滅しなかった理由 - 日経トレンディネット
交渉決裂報道は過去にもあり、依然交渉中という報道もあります。
中国移動(チャイナモバイル)では、米アップルと中国でのスマートフォン(多機能携帯 電話)「iPhone(アイフォーン)」の提供をめぐる協議を続けているものの、何らかの合意は同社が次世代携帯電話サービスを立ち上げた後になる公算が 大きい、と本土企業幹部は16日明らかにした。
→ 中国移動、アップルのiPhone取り扱いは4G立ち上げ後の公算大 - WSJ日本版
中国移動をドコモと置き換えると話は見やすいですね。ドコモもAppleと条件をめぐって「出す、出さない」とグダグダしてますが、あれと似たようなものでしょう。