ソースネクスト「スーパーセキュリティZERO」 比較広告を補足
ソースネクストが「スーパーセキュリティZERO」を発表。旧ZEROと同じく、使用しているWindowsの公式サポート期間中は更新料 0円が特徴です。
→ INTERNET Watch / ASCII
使われている検出エンジンはルーマニアの BitDefenderです。
昨年 8月に約半額に値下げしたウイルスセキュリティZERO(旧ZERO)も併売され、
販売価格の違い(ウイルスセキュリティZEROは1980円)によって、両製品の住み分けを図ると述べている。
→ ASCII.jp:ソースネクストが更新料0円の新セキュリティーソフトを発売
とのこと。メディア記事ではプレス発表を流すだけですが「検知率のすみ分け」がどうなるのか質問して欲しかったところです。
■ AV-Test結果を補足してみる
ソースネクストの公式サイトではAV-Test 2011年7/8月の検知率を中心にアピールしてます。
→ スーパーセキュリティZERO:世界最高クラスの性能|ソースネクスト
ちなみに、2011年7/8月はWin7環境でのテスト。
最新の9/10月レポではWinXP環境でテストが実施されています。
→ AV-TEST - The Independent IT-Security Institute: Jul/Aug 2011
→ AV-TEST - The Independent IT-Security Institute: Sep/Oct 2011
日本では露骨な比較広告は嫌われるためか、社名が匿名になっていますが、検知率から類推するとおそらくA~E社は以下のようになります。
(“販売”が条件なので、無料のAvastやMicrosoft S.E.などは上記比較からは除外されている)
種類 | E-Mail, Web | 直近2~3ヶ月 | 4項目 平均 | ||
時期 | 7月 | 8月 | 7月 | 8月 | |
BitDefender Internet Security | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
カスペルスキー Internet Security(A社) | 100 | 100 | 99 | 99 | 99.5 |
F-Secure Internet Security | 100 | 96 | 100 | 100 | 99 |
AVG Internet Security | 100 | 96 | 98 | 99 | 98.25 |
G Data Total Security(C社) | 96 | 96 | 100 | 100 | 98 |
ノートン Internet Security(B社) | 96 | 100 | 96 | 99 | 97.75 |
Avast Free AntiVirus | 93 | 96 | 99 | 99 | 96.75 |
トレンドマイクロ Titanium I.S.(D社) | 93 | 92 | 99 | 97 | 95.25 |
Avira Internet Security | 93 | 86 | 96 | 99 | 93.5 |
ESET Smart Security | 86 | 94 | 96 | 96 | 93 |
マカフィー Total Protection(E社) | 75 | 90 | 99 | 100 | 91 |
マイクロソフト Security Essentials | 68 | 88 | 97 | 96 | 87.25 |
K7 Total Security (旧ZERO) | 68 | 80 | 98 | 96 | 85.5 |
広告に使われている4項目の平均では、BitDefenderが並み居る強豪他社を抑えて見事 1位に輝く一方で、旧ZEROで採用されているK7は最下位という結果になっています。
→ ソフトを開発しているのは、インドのソフトウエアメーカー、K7コンピューティング
■ AV Comparative調査ではどうか
そしてもう1つの調査機関の大御所 AV Comparative。
こちらもソースネクストがPRに使っていますが、ここの総合テスト結果を見てみます。
→ AV-Comparatives - Independent Tests of Anti-Virus Software - Whole Product Dynamic Tests
任意で集計が取れるので2011年1月~10月でチェックしてみました。
こちらもほぼ同様、BitDefenderが検知率1位、旧ZEROのK7は下から2番目となっています。
■ 旧ZEROユーザーへの救済策は?
テスト結果の通り、BitDefenderは優秀なセキュリティ製品と思われます(私は使ったことがないのですが‥)。それが更新料 0円、3980円で販売されるのはユーザーにとってもメリットのある話です。
一方で旧ウイルスセキュリティZEROが他社製品に較べて“劣る”ことはソースネクスト自身がPRに使う調査機関のテストで明らかです。旧ZEROユーザーへの救済策、アップグレードパスがあってもいいように思うのですが、どうでしょうか。