ソニーの描く世界

Playstation2発表も間近と言われる今日このごろ。今後のソニーの描く将来像。 1999.8.27

メモリースティック

発表会でのメモリースティック メモリースティックって知ってますか? ソニーが開発したガム状のメモリーで、最近のVAIOには必ずこの差し込み口があります。これ、将来大化けする可能性を秘めています。メモリースティックと著作権保護

世間はMP3で大騒ぎ。朝日新聞のトップページにもMP3の文字が踊るぐらいです。しかし、MP3は業界標準にはなりえないと言われています。今のMP3のままでは複製も配布も思いのまま、まず音楽業界が良しとはしないでしょうからね。そこでソニーはMDに使われている圧縮方法の流れをくむ‘ATRAC3’と、コピー防止技術‘MagicGate’を用意してきました。

この二本柱を使い、ソニーはMDの後継にはメモリースティックを持ってくるつもりです。この著作権に配慮した圧縮はマイクロソフトも目をつけており、MP3にコピープロテクト機能をつけた‘Windows Media Technology’というのものを開発しています。ソニーもマイクロソフトも考えることは一緒ということですね。ただマイクロソフトとソニーの大きな違いは、ソニーが「ウォークマン」という強力な武器を持っていること。実際にソニーは年内までにメモリースティック・ウォークマンを発売する予定です。

ヘッドホン一体型 ワイヤレスウォークマン

ここでソニーという会社の恐ろしさが見えてきます。年内に発売・・・ 年内から来年にかけてソニーから出てくるもの。そう、プレイステーション2です。これにもメモリースティックのスロットが付いてくると言われています。ウォークマンとPS2。そしても今も人気のVAIO。一年後世間にはメモリースティック端末があふれている、なんてこともまんざら夢物語ような気がします。

今けっこう売れているパソコンとリンクする音楽コンポも、メモリースティックが普及すれば用なし。VAIOノートひとつあれば、メモリースティックの編集管理は思いのままですね。プレイステーション2が発表されたとき、ソニーは「今度は音楽配信を大きな柱にする」と言っていました。私はそのとき「あまりインパクトの無い柱だねぇ」と思っていましたが、今になって考えればソニーはPS2だけでなく、ウォークマン、VAIO、そしてインターネットまで使った、一大構想を描いていたわけです。

 

〔想像〕1年後の2000年6月・・・ ある家庭の朝

NTTの分割後スタートした24時間テレホーだいで、我が家のVAIOは常時インターネット接続状態。さて、今日は何の曲にしよう。 VAIOにメモリースティックを差し込み、ソニーのミュージックサイトへ。

 「お、今日は宇多田ヒカルの新曲がの解禁日だったか。じゃ、これと、これと、これっと。」

Webページのボタンにチェックを入れ、ボタンを押すとダウンロード開始。曲名はもちろん、歌詞データまでがメモリースティックに自動的に転送される仕組みだ。妹も居間のプレステ2で曲を落としているみたいだ。処理速度的には変わらないからなぁ。

 「今月は少し買いすぎかな。一曲100円とはいえ、クレジットカードの引き落としが恐いな。」

歯磨きをしている間に転送完了。VAIOからメモリースティックを抜き取り、ウォークマンに差し込めば今日発売の新曲が、朝の通勤電車から聴けるわけだ。

 

〔想像〕オンラインゲーム対応PS2

やれやれ、今日の仕事は大変だったな。プレステ版EQでもするか。DVD-ROMをセットしてと。 *カチッ*

 『メモリースティックを差してください』

忘れてた。これがないとパッチが当たらないからね。PS2はDVDを媒体として使ってきます。DVDの最大の弱点は読み出し専用であること。これは日々パッチで変わるネットゲームには死活問題です。でも、接続毎に最新パッチがメモリースティックにダウンロード。毎回、メモリースティックからパッチがDVDの本体プログラムに当てられることで問題解決。

 

あとがき

ちょっと最後は話がそれてしまいましたが、とりあえず今後一年間のソニーは怒濤の攻めが続くはずです。この戦略が当たればソニーの天下、メモリースティックのライセンス料、Webでの音楽販売でソニーは大儲け。2000年、ゲーム業界、音楽業界はソニーを中心に動いているかもしれません。

PC Watchより記事抜粋リンク
次世代プレイステーションの基本仕様

ネットワーク事業とプレイステーション主役に
COMDEX-Fall '98 メモリースティック編
メモリースティック解説