X-BOX

日本ではあまり評価されていないX-BOX。しかし、PCゲームが広く普及しているアメリカに目を向けると、既にあるPCゲームを簡単な作業だけで移植することのできるX-BOXは、ゲーム開発する側にとっては非常に魅力的な存在だと思います。国産ゲームとは較べ物にならない海外PCゲームの凄さは、蹴茶に来ている常連さんなら誰もが知っていると思います。

もともとPS2は開発環境にLinuxを採用し、いままでに較べればずっと安価に開発環境を手に入れることができるようになったと言われています。しかし、結局は新しく揃える必要があることに変わりはありません。その点X-BOX向けならば、今すでに持っているハードウェアやソフトをそのまま流用できてしまいます。

競合ゲーム機篇

X-BOXの登場で最も影響を受けるのはどこか。PS2が真っ先に頭に浮かびますが、スクウェアがX-BOXへの参入を見送ったことや、X-BOXの発売まで1年以上先行できることから当面優位に立てると思います。もっと大きな影響が考えられるのは、やはりセガの‘Dreamcast’、次いで任天堂の‘Dolphin’でしょう。

今から考えると、マイクロソフトにとって‘Dreamcast’は何だったんでしょうか? マイクロソフトは発表会で「準備に18カ月を用意した」と周到に準備してきたことを強調したそうです。18カ月前というと、1998年の9月から開発に着手したことになります。そしてDreamcastの発売日は'98年の11月。つまり、Dreamcastの発売前から自前のゲーム機を準備していたわけです。マイクロソフトが否定しようと、Dreamcastを経験を基に、悪く言えばDreamcastを踏み台にしてX-BOXは作られたことになります。

任天堂のDolphinにとっては、間の悪いことにX-BOXの発売日が2001年の秋(日米同時)、Dolphinの登場時期(2001年夏)とバッティングすることになります。とはいえ、Dolphinの目玉タイトルはピカチューを代表される、任天堂自前のタイトルになると思うので、意外に影響は少ないのかもしれません。ゲームボーイアドバンスト(GBA)との連携も用意してくるでしょうし。

1996年はプレイステーション、セガサターン、NINTENDO64の三つ巴の戦いでした。でも今回はソニー vs Wintelの一騎打ちになりそうな気がします。

 

CPU篇

噂されていたX-BOXがついに発表されました。驚いたのは当初AMDのCPUが採用される予定だったものが、土壇場になってインテルに変わってしまったことです。おそらくインテルは採算を度外視した条件をマイクロソフトに提示したはずで、資金繰りの苦しいAMDにとってそれに対抗するだけの体力が無かったのでしょう。

なぜ、インテルがそこまでX-BOXに固執したのか。その答えは3DNow!の存在にあります。もしX-BOXにAMDが採用されれば、それは3DNow!の普及に繋がるからです。純粋なCPU能力の差を測れば、AthlonはPentium3を上回ります。しかし実際のソフトを使ったベンチマークで、Pentium3は互角かそれ以上のスコアを出します。これは多くのソフトが3DNow!を全く使っていない、もしくはフルに活用していないせいです。

この状況を打開できるだけのインパクトをX-BOXは持っていました。多くのゲーム会社が3DNow!を採用するきっかけになったはずです。今でさえAthlonに脅威を感じているインテルが、それを黙って見過ごすわけがありません。ある程度の持ち出しは覚悟の好条件をマイクロソフトに提示し、X-BOXにAMDが採用されることを阻止したと考えられます。

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