ソニー VAIO VGN-BX90S

GPU
MobilityRadeon X700
◆ 購入のきっかけと価格
仕事用に使っていたThinPad X31が謎の電源落ち現象に見舞われるようになり、立ち上がらなかったり使用中に突如落ちたりと実用に耐えなくなってしまったため代替機として購入。
元々はVaioのType SZと、DELLのInspiron6400、XPS M1210のいずれかを検討していましたが、このサイトのトップページにあったお勧め機種の記事からBXの存在を知りました。
見比べると…これはいい!
 ・XPS M1210にはPC Cardスロットが無い → BXにはある
 ・Inspiron6400は3kgに迫る → BXは2.5kg以下
 ・Type SZは性能に申し分無いが経費で買うには高い! → BXは構成を絞れば廉価PC並

という訳で、対抗機種をぶっちぎってBX購入を決定。
Pen-M 1.73GHz、Mem1GB、HDD40GB、DVD-ROM、XPHome、14.1'SXGA+、Radeon X700、3年間ワイド保障付きで、139,100円に抑えました。


◆ 実際の体感速度
これまで使っていたのがX31(Mobility Radeon 16MB…)だったせいもありますが、とても速い。
家のデスクトップ(GeForce FX5200)でヒィヒィ言いながらやっと動いてるようなゲームが、楽々動きます。
ベンチを計ると4倍の性能差がありました。
ただし、HDDアクセスは遅く感じます。
ゲームのロード時間もデスクトップよりかなり待たされます。
元々待たされるための場面なので、少々伸びても実害はありませんが。


◆ 液晶の質
悪い悪いとこちらのレビューで脅かされていたほどには悪くないと感じました。
X31も液晶が泣き所でしたので、悪いものと比べて悪くないと思ってるだけかも。
視野角はお世辞にも広いとは言えませんが、これもX31同様以下同文。
つまり個人的には気にならないレベルです。


◆ キーボード
ThinkPadユーザーが口を揃えて言うのでもう耳にタコかとは思いますが、例によってここは酷評させてもらいます。
国産メーカーはどこもそうですが、省略キーが多いのは絶対に頂けません。
同時押しキーが多いということは、それだけキーストロークが増える=操作しにくいのです。
特にPageUp/Down、Home/Endを頻繁に使うものでここだけは我慢ならず、キーアサインを変更するフリーソフトを使って不要キーを前述のキーに無理矢理置き換えました。

しかし、キーボードそのものの完成度は高いです。
強くキータイプしても筐体がたわむようなことは無く、キーピッチは均等でブラインドタッチが可能です。
キータッチはふんにゃりしているというか、クリック感が薄いのが気になりますが、パンタグラフ機構はしっかりしており、スペースキーの端を押さえても全体が均等に沈みます。
キー配置にさえ目をつぶれば、他は合格点と言えると思います。

厳密にはキーボードではありませんが、特筆すべきはスティックポインターが装備されていることです。
ThinkPadのトラックポイントと比べても遜色ない精度で動きますし、センターボタンによる上下左右スクロールもサポートされています。
機能面に問題はありませんが、センターボタンが下向きに付いているせいで左右クリックボタンが離れてしまっていることと、タッチパッドを収めるスペースの都合上クリックボタンがキーボードにかなり近すぎます。
これらの複合要因で、ボタンを押しづらいのが多少不便です。


◆ サウンド
ノートPCに音は期待できません。
ヘッドホン常用でどうにかなる問題でもありますし。


◆ 筐体:強度と質感
液晶パネルのヒンジを境にして、上側=パネル部分と下側=本体部分それぞれの剛性感はなかなかのものです。
しかし、蓋を閉めた途端にその噛み合わせの不安定さに驚きます。
X31では液晶を閉じたラッチ側を本のように片手で掴んで持ち運ぶことが多かったのですが、BXではそれをすると液晶を傷つけそうで恐ろしくてできません。
1m弱の高さから落ちたとしたら、きっとヒンジか液晶が壊れるだろうと思います。

筐体外装の大部分はマグネシウム合金製だそうで、パーツの組み合わせ精度が高く、塗装のマットな色使いも良く、とても10万円台には見えません。
質感についてはさすがVaio、うまくやっていると思いました。


◆ 筐体:各種コネクタの位置
USBが全て右側にありマウス操作の邪魔になりそうですが、奥の方に寄っているので空間を広く取れば気になるほどではありません。
それより前面のワイヤレスLANスイッチが気になります。
前面部は鏡面仕上げされたプラスチックなのですが、ワイヤレスのスイッチは安っぽい銀色メッキ塗装で、そこだけ浮いています。
これならキーボードと同色のマットな黒の方が良かったのでは…。
また電源、バッテリー、HDDアクセスのLEDが同じく前面にあり、キーボードに乗せた手で隠れてしまうので非常に見づらいです。


◆ 筐体:発熱と冷却ファン音
爆音と聞いた通りかなりのもので、小型デスクトップの排気ファン並です。
当然、発熱もかなりあります。
HDDがあるらしき右側前面はパームレスト上にも熱がかなり伝わり、冷めたインスタントカイロくらいに熱いです。
背面も全体的に熱く、こちらはずっと手を当てているのが辛いくらいに高温です。
布団や雑誌の上で使うなんて熱暴走させたがっているようなもので、きちんとテーブルの上で、排熱口を塞がないように置いて使う必要があります。


◆ ACアダプタ:大きさや発熱
そんなに馬鹿でかいとは感じませんでした。
持ってる人しかわからないでしょうが、PlayStation2のACアダプタとほぼ同サイズです。


◆ モバイル性
軽めといっても2kgを超えますので、日中うろうろ持ち運ぶには全く向きません。
愛があれば朝晩の通勤だけ持ち運ぶのは苦にならないでしょう。
車移動が主であれば何の問題も無さそうです。


◆ その他
箱を開いて、さあこれからはこいつが愛機だ!というテンションの高ぶりは、正直ありませんでした。
どちらかというと、ついにThinkPadを見限ってしまったなぁ…という諦めの方が大きかった感じで。
BXのレビューなのにThinkPadとばかり比較してしまってBXに悪いけど、それだけ好きだったんですよね。
でも、今はもう…。

気を取り直して、Type BXは総合的に相当いい機種だと思います。
キーボードの省略キーさえ我慢できれば、それ以外の要素はほぼ全て高水準です。
現状で最高にコストパフォーマンスのいい機種ではないでしょうか。
PC-9821時代から通算して7代目のノートですが、歴代の中でトップを争う当たり機種だと思います。

余談ですが、購入の決め手になったわりと大きな要因はスティックポインターです。
仕事の一部でゴム製の手袋を着用しなければならないことがあり、タッチパッドだと静電気が通らないのでカーソルが操作できないのです。
使用環境を選ばず、手をホームポジションから動かす必要もなく、チルトホイールなんて微妙品を使わなくても全方位スクロールができる、便利なスティック型…なんでもっと普及してくれないんだろうかー。


◆ 総評
省略キーには断固反対の-20点…と言いたいところを
国産機種では省略されてる方が普通な現状を鑑みて恩情措置で-10点。
暖かいにも程があるパームレスト発熱量で-5点。
絶滅危惧種なスティックポインターの採用を評価して+5点。
このサイズ、重量でX700搭載の高グラフィック性能を評価して+5点。
合計で95点としておきます。
キーボードに偏執じみたこだわりさえ無ければ、普通は100点超える勢いだと思います。