デル XPS M1210

評価90 点
GPUGeForce Go 7400
CPUCore Duo
DRAM2 GB
OSXP
投稿者totsumiura
2006-07-01 19:09:15
蹴茶さん、皆様、ご無沙汰しております。
新しくノートPCを購入したので、ファーストインプレッションを書いていこうと思います。

◆ 購入のきっかけと価格
会社で使っているWebページ製作用のマシンがあまりに遅く作業効率を上げるためと、適当に遊べるノートPCの双方を満たすものとして、購入。
当初はPC屋らしくAopenのW310というベアノート(詳細はhttp://www.arima.com.tw/ViewProduct.asp?View=151と同じものです)に狙いを定めていたのですが、販売中止ということで、急遽このぐらいの別のノートPCを買おうと、情報収集。
どうもDELLの法人カタログ6月号に、M1210のカタログモデルというものがあり、その価格がCore Duo搭載で99,800円(税別)とずば抜けて安かったので、多少の味付けとその後のパーツ交換を考慮して、購入を決意。

Intel Core Duo T2300E
Hynix DDR2-667 256MB x2(購入後すぐにADATA DDR2-667 1GB x2に交換)
Seagate ST96812AS 5400rpm 60GB SATA150
Intel 945PM + GeForce Go7400TC 64MB+オンボードTC192MB 計256MB
Sony DW-Q58A DVD±RW DL対応(購入後Pioneer DVR-K05 スロットインタイプに交換)
Intel Pro/Wireless 3945ABG ワイヤレスLAN
Webカメラなし液晶(12.1型ワイド、1280x800 WXGA)
Windows XP Home SP2(手持ちのWindows XP Pro SP1aに入れ替え)
大容量9セルバッテリー
ACアダプター x2(今回は通常の2ピンタイプになっていました)
以上の構成(交換パーツは除く)で、131,479円(税込)です。
実際は、それにメモリー増設が入っていますので、15万程度です。

◆ 実際の体感速度
もっさりするときは、必ずといっていいほどHDDアクセスなので、実質的な速度云々で言えばPen-M時代からほとんど変わりはないようです。
マルチタスク処理の動作をして、ようやくデュアルコアの恩恵を受けられていると感じる程度で、一般のWeb閲覧などでは大幅な違いを感じることはありません。
複数作業をしても、ほぼ一定の速度を保てるようになるので、おそらくはそういう使い方をしない限りは、Pen-Mとわからないと思います。
一応「きびきびと動くようになった」とお世辞は付け加えておきます。

◆ 液晶の質
お約束ですね。輝度はかなりあります。最近のノートに比べると見劣りする部分はだいぶ少なくなりました。
視野角はほぼ左右に45度程度。60度を過ぎるころには見えなくなります。
映り込みは結構しますが、角度の問題で解決できます。それほど心配はないと思います。
依然として、応答速度が場面によって遅れる時があり、今後FPSのテストのときに行いますが、フレームが追いつかないという現象は今も残っています。
最近のノートの応答速度がどれぐらいあるかわかりませんが、16ms~25ms程度じゃないかと勝手に予想しています。

◆ キーボード
小型PCだと思っていたのですが、実際はB5ファイルサイズ。
幅に関してはA4に近いです。したがってぎりぎりまで幅を使えばA4タイプのキーボードを搭載できるわけで、当然そんなキーボードが搭載されています。
キー配列はB5、キーピッチはA4といえばわかると思います。使い勝手はかなりいいです。
ストロークがそこそこ深いので、ThinkPadと比べるとやや劣る程度。
一般的なノートPCのキーボードとほぼ変わらない感じだと思われます。
イメージとすれば、日本撤退前のGateway製のノートPCのキーボードに一番近いかなと。
ちなみに、たわんでるという話がありましたが、これは一度メモリーを取り付けるときにキーボードを取り外す必要があるため、その際にきっちり閉めなおしをしたら、なくなりました。ねじ閉めぐらいきっちりやってほしいものです。

◆ サウンド
液晶下にスピーカーが2つ。これはおそらく前モデルに位置するInspiron710mと変わりません。HD-Audio搭載の恩恵かどうか知りませんが、フロントのオーディオ出力が2つあります。マイクと並んで3つあるのは、ノートでは久々に見た気がします。
肝心の音ですが、それなりにいい音です。まあ、こんなものかなあというレベルです。

◆ 筐体:強度と質感
天板が黒というのが好印象です。見た目もXPS系ではなく、Latitude系のような天板ですし、法人向けに売り出せる自信があるのもうなずけます。
いざ開いてみると、普通のシルバーだったので、これはまんまとWeb広告にやられたかなという感じです。使い込むと確実に塗装がはげてくるので、むしろ黒の筐体だったらよかったんじゃないかなあと思います。質感が悪くないだけに、残念な点です。
何より、友人や同僚が「DELLじゃない」と言ったのが印象的でした。確かにDELLのデザインではない感じです。
強度に関しては、ずいぶん強くなったと思います。過去のDELLノートで割と指摘したような軋みはほとんど見られないので、そこだけでもいい評価になってしまいます。

◆ 筐体:各種コネクタの位置
左側面:ExpressCard、S-VIDEO、USBx2、ワイヤレスLANスイッチ、モデム
右側面:光学ドライブ、SDカードスロット、IEEE1394、USBx2、RGB
背面:LAN、ケンジントンロック、ACアダプタ口
前面:オーディオ出力x2
USBの左右振り分けが大きなポイントです。電力供給も問題ないようです。またUSBデバイスからのスタンバイ復帰も可能です。
いつものごとくドライブの位置が右手前に位置しているので、CDの入れ替えが非常にわずらわしく、スロットインタイプへ換装しました。マウスを使う場合はどうしてもその位置にマウスが来るので、スペースの問題を考えるとやむなしではありますが、逆サイドに移動してくれると一番ありがたいところです。

◆ 筐体:発熱と冷却ファン音
発熱は暖かくなる程度で、ゲーム中の廃熱が熱い程度。HDDの位置がパームレスト下なので、発熱によっては熱くなる可能性は十分にあります。
ファンの音はそれほど大きい音ではないので、つけっぱなしで寝ても問題はないでしょう。

◆ ACアダプタ:大きさや発熱
前述のとおり、メガネケーブルタイプのコネクターになったのがちょっとした事件でした。大きさは以前のLatitude D600タイプと変わりませんが、そこだけがちょっとうれしいです。電力供給は65wタイプです。
以前のタイプを挿すと、Latitude時代にあった異音がなくなることから、以前の異音問題は消費電力の供給不足に近い状態だったのではないかと思われます。
それはさておき、新型ACはそれほどの発熱もなく、異音もしないので、後はサイズを考慮してくれればと思います。

◆ モバイル性
6セル+ドライブで約2キロだったので、9セル+ドライブで2.4キロぐらいでしょうか。
サイズがかさばらないのがうれしいです。薄型A4も好きですが携帯しずらいので、持ち運びには苦労はしないと思います。
重量は、バッテリーとのトレードオフなので、たいした問題ではないです。
ただ、昨今の軽量ノートに比べるまもなく、A4スリムにすら及ばない重量なので、そこに妥協できるかだと思います。私は十分に持ち運びできますね。

◆ その他
RivaTunerによるGPUデータ
2D時、コア100MHz/メモリ200MHz
Low3D時、コア200MHz/メモリ600MHz
High3D時、コア450MHz/メモリ900MHz(実際は891MHz)
GDDR3 64bitバス接続となります。
BIOS上では、同コアを使用しているQuadro NVS 110Mと表示されます。
(ちなみにドライバーはさすがに当たりませんでした)
ベンチスコアは、クリーンインストール後、IntelのINFをIntelの最新版、GeForce7400のドライバーをUSAサイトの最新更新のものをインストール、ほかはすべてドライバーCDよりインストールしました。またAC使用時より、バッテリー使用時のスコアのほうがよかったことも付け加えておきます。

DELLとは、購入時や注文後に多少トラブルがあったのですが、それはおいおい追加レポートで書いていこうと思います。PCの性能がよすぎるので、今は忘れていたいです。

あと、MediaDirect用のボタンですが、わざわざフロントに配置して、しかもブルーのLEDで光らせる必要はないんじゃないかと思いますね。XPSシリーズなんで、そこは譲れないと思いますけど、法人向けに売る場合のウイークポイントになってしまいそうです。

9セルバッテリーですが、液晶の輝度を最高にした上で、ほかを最小の電力設定にして、ほぼ3~5時間ほどは問題ないようです。光学ドライブの稼働状況にもよりますが、この程度の時間持てば、外回りでも十分問題ないと思います。背面にはみ出しますので、ここはしょうがないということで。

底面のメモリースロットにスリットが入っているのが、ちょっと面白いです。
メモリーも冷却しないと廃熱が間に合わないようになってしまったようです。

◆ 総評
そんなこんなで、すごく甘くなってしまいましたが、90点です。
というのは、いろいろクリーンインストールまで紆余曲折があり、この辺は再度評価しないといけないような内容なので、確実にまだ評価できるものではないためです。
今回は純粋に商品の出来と、DELLの商品の進化に敬意を表して、こんな点数です。

CPUもメモリーもHDDも簡単に交換できるので、ここはさすがにベアノートがベースだけあるなあと思いつつ、そこをうまくOEMで加工したDELLにただただ感心するばかりです。

ちなみに、今のところはAopenかMSIあたりのベアノートではないかと勝手に推測しています。1551-AG1とつくりはほぼ同じなので、グラフィックが違うにせよ、AopenのW310なんじゃないかと邪推してしまいますが…。

その辺も含めて、もう少し使ってから、自分のHPとこちらで再度詳細レポートをまたしようと思っています。