ヒューレットパッカード HP Compaq nw9440

GPU
Quadro FX 1500M
◆ 購入のきっかけと価格
 それまで使用していたPCが突然頓死し、急遽PCを購入する必要が生じました。MoDTを使用していたので、いっそ次はノートPCにしようと考え、機種選定を始めたのですが、DVI出力、PS/2、DVD-RAMが使用できる(ドッキングステーション等も可)となると、非常に選択が限られていました。最後はDVD-RAMは外付けとして、Core2Duoを選択できるM90にするか、条件を満たしたNW9440にするかで迷いましたが、ちょうどHPのキャンペーンが始まって大幅に安くなったため、NW9440に決定いたしました。
 価格は本体と1GB増設メモリ、ドッキングステーションの組み合わせで228,690円(送料、消費税込み)でした。

◆ 実際の体感速度
 OSの起動自体は、HDD(ST980825AS)の転送速度のためか、今までよりも遅くなったように感じられます。しかし一旦立ち上がると、それまでのMoDT(CPU:PentiumM750<1.86GHz>,RAM:1GB,VGA:GeForce7600GS,HDD:HDS722525VLSA80)よりも全般的に速くなったように感じられます。特に3Dベンチやゲームなどは、QuadroFX1500Mの威力で、かなり速くなりました。

◆ 液晶の質
 実際に表示された文字を眺めてみると、解像度はWSXGA+で良かったと思います。表示されるファイル名等がこれ以上小さいと、読み辛くなると感じられました。
 左右の視野角はそこそこあるようで、正面から中央を見ている分には、四隅の色変化もそれほど大きくはありません。ただ上下の視野角は狭いようで、特に下方向はすぐに変化が感じられます。
 輝度については、最大輝度では明るすぎるくらいですが、幸い輝度調整の幅が大きいので、好みの明るさに調節できます。また十分温まった状態であれば、むらや光の漏れも少なく、なかなか良いと思います。
 色再現性(おそらくNTSC比45~50パーセント)は、標準状態だとsRGBのプロファイルを使用しても青味が強く、ハイライトもややとび気味に感じられました。キャリブレーターで調整したところ、青味やハイライトのとびが抑えられ、フルカラー表示が可能なデスクトップ用のLCDモニターには及ばないものの、そこそこいい感じになりました。
 応答速度(おそらくTN方式、25ms、オーバードライブ無し)は、最近のノートPCとしては標準的だと思いますが、絶対的にはやや遅めで、カメラが大きくパンをするような時に残像感があります。

◆ キーボード
 キーボードは、はっきりとしたクリック感があるタッチで、撓みも少なく、良くできていると思います。またドッキングステーションに接続すると角度がついて、私としては、標準状態よりも打ちやすいと感じられました。
 トラックポイントは結構使いやすく、タッチパッドはタッピングにも対応しています。ただ、クリックボタンがゴムのようなものでできていて、クリックをする時にグニュッとした感じがあり、押しそこなうことがあるのが少々残念です。

◆ サウンド
 外付けのスピーカーには敵うべくもありませんが、ノートPC内蔵のものとしては悪くないと思います。これもドッキングステーションに接続すると、角度がついてスピーカーから出た音が机に反射し、音が聞きやすくなります。
 また特に素晴らしいわけではありませんが、ヘッドフォン端子もノイズが無く、十分実用に耐えると思います。
 その一方でインストール時よりは回転が下がるものの、音楽CD再生時の風切音が大きめなのは残念です。DVD視聴時にはかなり回転が下がり、ほとんど気にならないだけに、余計残念に感じられます。

◆ 筐体:強度と質感
 筐体は思ったよりしっかりしており、ディスプレイの開閉で軋むこともありませんし、撓みも少ないほうだと思います。
 すっきりしたデザインとあいまって質感も悪くありませんが、タッチパッドが汚れやすい(指の跡が付きやすい)ように感じられました。

◆ 筐体:各種コネクタの位置
 コネクター類は、ほとんどが筐体の左右に振り分けられています。特に電源ケーブルとLANケーブルが左右に分かれているため、左右にそれなりの空間が必要になります。もっとも排気口とDVDドライブのことを考えると、いずれにせよ空間を取らねばなりませんが・・・。
 また仕様によればカードスロットは、SDカードには対応しているものの、miniSDカードにはアダプターを介しても対応していないとのことです。
 なおドッキングステーションを接続すると、USBが8個に増えます。

◆ 筐体:発熱と冷却ファン音
 長時間使用していると、右手のパームレストが暖かくなる他、キーボードからも熱が上がってくるため、それなりに手が暖かくなります。そのためディスプレイを閉じ、外部ディスプレイを使用して3Dベンチやゲーム等をすると、筐体に熱がこもる感じになるので、そのような使い方をする時は、少し蓋を浮かせて放熱できるようにしています。もっともこれはエアコンの無い部屋(テスト時の室内気温32~3度)での話ですので、もっと涼しい部屋ならば、このようなことは無いのかもしれません。
 ファンは底面から吸気し、左奥隅と背面左隅から排気する構造で、3Dベンチやゲーム等をすると流石に排気の温度も上がり、ファンが唸りますが、今までのMoDTよりは静かなくらいです。また、処理が軽くなるとすぐにファン音が静かになるので、普段使用している時はほとんど気になりません。前述の室内気温を考えると、非常に優秀だと思います。

◆ ACアダプタ:大きさや発熱
 ACアダプターは、噂に違わず大きいですが、発熱は思ったよりひどくは無く、3Dベンチ中でも十分触れます。

◆ モバイル性
 絶対的には大きくかつ重いと思うのですが、6年前に購入したノートPCがA4ファイルサイズで3.2kgあったので、それを思うとこのサイズで3.4kg(MacBookPro17インチは3.08kgだそうですが)というのは、私としては驚きです。
 ただ幅と奥行きは、ほぼスペック通り(実測393×276mm)でしたが、厚みはスペック上は33mmながら、足を含めると42mmありました。これを常時持ち運ぶことはあまり無いかもしれませんが、入れ物を考える時には注意を要すると思います。

◆ その他
 DVI出力とPS/2を使いたいがためにドッキングステーションを導入したのですが、これが電源Onのままでも切り離せるという、なかなかの優れものでした。切り離しは、ただディスプレイを閉じて、切り離しボタンを押すだけという手軽さなのです。
 まだ使い込んではおりませんが、有線LANと無線LANの自動切換え機能などを組み合わせて使いこなせれば、便利かもしれません。
 なお業務用ということでセキュリティ関連が充実しているのですが、個人用途では、セキュリティ設定やパスワード入力等で、少し煩雑に感じる部分があるかもしれません。

◆ 総評
 流石に業務用として生まれただけあって、総じて手堅くまとまっていると思います。細かい不満はありますが、私には、他の長所がそれを補って余りあると感じられます。
 ノートPCは6年ぶりでしたが、この間の進化のほどを考えると、6年後にはその名に違わない「モバイルワークステーション」が実現しているかもしれませんね。

------------------------ 2006.11.6 追記 ------------------------

◆ その他
 一月ほど使用しているうちに、BIOS周りに不具合が見つかり、サポートに連絡したのですが、電話回線に雑音が多くて少々聞き取りにくい上、サポートの方が外国の方のようで、なかなかこちらの伝えたいことが伝わらないのには苦労させられました。

 サポートの方が、慣れない日本語で一生懸命対応しようとしている姿勢は伝わってきましたので、私の電話を受けた方を責める気にはなれません。しかしメーカーとしては、トラブルを抱えて電話をしたのになかなか話が伝わらないという状況では、かえって不安を増長させてしまうのではないかと思いました。

 修理自体は日本国内(私の場合は千葉でした)で行っているようで、二週間ほどで戻ってきた後は、問題なく使用できています。修理内容は、メインボードとグラフィックボードの交換というもので、早い話が中身の総取っ替えだったようです。修理後は、修理前には繋がりにくかった無線LANが良く繋がるようになったので、私の指摘した事項以外にもトラブルがあったのかもしれません。

 LANについては、有線LANと無線LANの切り替えが自動で行えましたが、有線で繋いでいても無線のアクセスポイントを探そうとする(40秒ほど何もできない上、結果は「無線LANが無効になっています」と警告が出るだけ)のと、無線に切り替わる時、少々時間がかかる(こちらは探し始めるまでに、さらに数分かかる)のが難点に感じられました。そこでHPの無線LANユーティリティーを削除したところ、有線に繋いだときには大幅に(25~30秒ほど)時間が短縮されることが判明しました。


 前回の報告時には、3DMark03の結果が思いの外高い原因が判らなかったので、報告いたしませんでしたが、今回改めてQuadroFX1500Mの動作クロックをレジストリをいじって確認したところ、コアが450MHz、メモリが600MHz(1.2GHz)と判明いたしました。NVIDIAの仕様ではメモリが500MHz(1GHz)のはず(コアは明示されておりません)なので、メーカー側でオーバークロックをかけているようです。

 またHPの営業の方に、PureVideoの機能を使った液晶のオーバードライブに対応しているかどうか聞いてみたところ、「現時点で対応しておらず、またこのモデルで今後対応することも難しい。ただ今後のモデルを開発する上での要望として、技術方に伝える。」とのご回答をいただきました。

 液晶のオーバードライブは、さじ加減(画質と速度向上の両立)が難しい上、下手すると液晶の寿命を縮めるといわれておりますので(巷にあふれているオーバードライブは、多くが無謀なものらしいです)、実現する手間やコストと、得られる効果や製品寿命とのバランスを考えると、業務用モデルでは無理ができなかったのかもしれません。

 なおCD(ドライブはLGのGMA-4082Nでした)の回転音については、以前デスクトップで使用していたドライブと同じメーカーであったためか、手持ちの回転数を制御するソフトが効き、解決いたしました。

------------------------ 2006.11.21 追記 ------------------------

◆ 無線LANの改善

その後無線LANユーティリティーなどのテストを行った結果、HPの無線LANユーティリティーは、Windows標準のLANユーティリティーを、サポートしているといったもののようでした。そのためその有無によって、有線LAN接続時にはPCの起動時間や有線から切り替え時間に差があったものの、無線接続時にはあまり差がありませんでした。
ところが、HPのサイトよりBroadcomの無線LANドライバーとユーティリティーをダウンロードしてインストールしてみたところ、有線LAN接続時の高速化は維持したまま、無線LAN接続時の起動が20~25秒ほど短縮し、有線からの切り替えも10~15秒で完了するなど、格段によくなりました。
私の環境では、ハードウェア製造会社のドライバーに分があったようです。おかげで通常時の使い勝手が、かなりよくなりました。

なお追加投稿に伴い、3DMark06のベンチも取ろうとしたのですが、なぜか途中で電源が落ちてしまい、完走することができませんでした。03と05では全く問題がないので、原因はよくわからないのですが、VGAの定格よりも高速なメーカー設定が災いして、電源容量が足りなくなっているとか、ドライバーの不具合などが考えられるのかもしれません。