マウスコンピューター m-Book P551X

評価
GPUGeForce 8600M GS
CPUCore 2 Duo
DRAM2 GB
OSVista
投稿者LOTEC599
2008-05-19 05:54:01
◆ 購入のきっかけと価格
進学にあたって、手持ちの古いノートではさすがに厳しいため、新調することにしました。
大手メーカ製の多くのモデルがもつような様式美を追求するよりも、それなりの基本性能があるほうが自分にとっては長持ちすると思い、このモデルに決めました。
OS に Windows Vista Ultimate 32bit を選び、Office 2007 Personal with PowerPoint 2007 を追加。購入時には無償アップグレードキャンペーンの適用はされておらず、標準構成です。三年保証は付けていません。\ 3,150 の送料込みで \ 192,360。

◆ 体感速度の変化
これまで使っていたノート PC は ThinkPad R31 (IBM リフレッシュモデル 2656-CJ8) で、Mobile Celeron 1.20 GHz / PC133 512 MB / ATA100 20 GB / i830 GC / Windows 2000 という構成でした。これ一台しか持っていなかった時期は多目的に使っていましたが、最近はほぼネット専用機としての利用のみ。Web の動画サイト閲覧の際など、どうしても無理が生じてきていました。
発売時期にして 6 年以上、CPU 演算速度で旧機種からおよそ 5~6 倍の性能になったので、もはや同じ土俵の上で比較できるというレベルではありませんでした。Windows Vista は重いという印象があり、実際以前別の機会に使ったときにはそう感じていたものですが、ある程度のスペックがあればそれほど操作時にストレスをためることはないと思います。Aero およびフリップ 3D もさすがにもたつくことなく軽快に動作します。

◆ 液晶の質
液晶は 15 インチで WXGA (1,280 x 800) ですから、かなりドットピッチは大きく、読みやすいです。はじめての光沢液晶ということで、使用開始後しばらくは消灯時に映り込み等違和感を覚えましたが、すぐに慣れました。ドット抜けはひとつも確認されていません。

◆ キーボード:配列やタッチ
さすがに IBM 世代の ThinkPad に比べると独特のペナペナ感はぬぐいきれません。長時間のタイプでもそれほど疲れるようなことはありませんが、普段から文書作成を主目的とする方にはお勧めできません。
また紹介にもある通り、[Enter] キーの右側一列にキーがあります ([PgUp] と [PgDn] キー) 。[End] キーは [Fn] + [Home] の同時押しが必要です。あまり同時押しは認識してくれないので、ゲームによってはプレイする際にやや不自由です。

◆ サウンド
本体スピーカーは底面手前に 2 基。こちらの音質はまずまずです。ヘッドフォンで聴くと、高音域のこもり加減が少々気になります。マイクロフォンも 2 基、ヒンジ部の左右に搭載されています。
Realtek HD Audio の標準でインストールされているドライバには仮想 DSP 機能があり、ソフトウェア的に簡単な音響効果やイコライジング処理がかけられます。

◆ 筐体:質感や強度
本体のすわりは良く、平らなところでの操作ではきしんだりたわんだりすることは今のところありません。天板はややざらついた質感です。パームレスト部の銀色の表面塗装が経年使用ではげるかもしれませんが、それ以外は個人的に気になる点はないと思います。

◆ 筐体:各種コネクタの位置
eSATA ポート、HDMI とアナログのディスプレイ端子など、ひととおり充実しています。
USB 2.0 ポートは背面左側に 2 基、側面右中央に 1 基。右利きの人は、フラッシュメモリ等を側面コネクタに挿すとマウス操作時にじゃまに感じることがあるかと思います (かといって背面に手を伸ばすのは…) 。同じく側面右中央にあるマルチカードリーダーに SD カードを挿入すると、およそ 4 mm はみ出します。

◆ 静粛性:HDD, 光学ドライブ, 冷却ファン
およそ 80 mm の冷却ファンが底面右側奥に配置されていて、温度にあわせて停止状態および二段階の回転速度で動作します。HDD アクセス音はファンが回転していない間以外はほとんどわからないほど静かです。光学ドライブの動作時はかなりうるさいうえに、左側パームレストにわずかに震動が伝わってきます。

◆ モバイル:軽さ、ACアダプタやバッテリーなど
公称値 3 Kg。フットプリントの大きさも相まって、モバイルには適しません。当方持ち運ぶことが多いのですが、バックパックに入りそうで入りきらない大きさが気になります。
バッテリの駆動時間はおよそ 1 時間 35 分。AC アダプターの出力は 20 V、4.5 A です。重さは 400 g 程度で、動作時はかなり熱くなります。

◆ その他
- 室温 24 度で負荷をかけた状態では、それぞれ CPU 58 度、GPU 68 度、HDD 50 度前後 (S.M.A.R.T. 読み) 。冷却台が必須というレベルではありませんが、各々のパーツを長持ちさせるためには非常に有効だと思います。
- キーボード奥のファンのシンボルをしたボタンを押すと、サイレントモードとなり、CPU の動作倍率が 8 倍に固定されます (通常は 6 ~ 12.5 倍) 。発熱が抑えられ、ファンが回りにくくなりますが、CPU-Z などで確認する限りでは電圧はほとんど下がらないので、バッテリの駆動時間を延ばすことはあまりできないようです。
- GPU のメモリクロックは定格仕様と異なり、400 MHz です (すなわち帯域幅は 12.8 GB/s) 。デスクトップ用ローエンド GPU、GeForce 8500 GT の性能に近いです。ゲームの快適さを予測する際の参考までに。
- CrystalMark 2004R3: (ALU) 24453、(FPU) 23171、(MEM) 12926、(HDD) 6917、(GDI) 7542、(D2D) 6088、(OGL) 34104。垂直同期オフ、フォントスムージング ClearType、HDD 測定ファイルサイズ 128 MB、解像度 1,280 x 800、32 bit/pixel。
- 3DMark03: 7541 3DMarks、(CPU Score) 1747。
- 個人的には Express 34/54 カードではなく、PCMCIA カードスロットが欲しいところです。承知の上で決定したとはいえ、イー・モバイルの端末が流用ないのはちょっと…

◆ 総評
キーボードやサウンド、外観設計など、大手メーカ製モデルと比較すると見劣りする部分はちらほらありますが、同価格帯の製品で比較するとかなり高いスペックで、コストパフォーマンスは高めです。特に強いこだわりがなければ、候補のひとつに入れてもいいのではないでしょうか。