ASUS EeePC 901-X

GPU
Intel 945GSE
◆ 購入のきっかけと価格
通常の 3 Kg クラスのノート PC を通学にモバイルしていました。個人的には重さそのものには問題がないものの、かなり場所をとるので電車や新幹線で広げるのに窮屈だし、バッテリが片道分すら持たないため、燃費のよいサブマシンの導入を考えていました。
Eee PC をはじめとする UMPC/ネットブック には元々興味がありチェックしていましたが、ひととおり性能も充実したようなので、(時期を逃した感があるものの) 特価販売を狙って購入。実質支払い \ 47,000 程度。パールホワイト (白) のモデルを選びました。ちなみに "開けて" みましたが、既に ZIF ソケットは省略されていました。

◆ 体感速度の変化
普段は Core 2 Duo E6750 を 3.40 GHz にクロックアップした自作デスクトップ機 (XP) と、2008 年春に購入した m-Book P551X (Vista / No. 2361 でレポートを送らせていただきました) を使っているため、今回は体感速度は大幅減。フラッシュドライブの恩恵で起動・終了は抜群に速いものの、それ以外の動作を見ていると "XP 登場当時の一般的環境" に戻ったような雰囲気があります。Atom プロセッサは同クロックの Celeron M の 2/3 くらいの性能といったところで (C7-M よりは上!) 、アプリの実動作速度についてはそれなりに健闘しています。 3D ゲームなどには適しませんが、ネットブックの用途として一般的なアプリケーションを動作させるには十分です。

◆ 液晶の質
8.9 インチで WSVGA (1,024 x 600) 。初代 4G-X からひと回り大きくなり、操作性が向上しています。ドットピッチは普通のノートと比べるのはもちろん、UMPC の分類中でも狭いほうです。フォントによっては、サブピクセルスムージング (ClearType など) をかけると綺麗に写ります。4G-X と比較すると若干映り込みがありますが、ごく軽度です。なお、この製品には ZBD という、ドット抜けの交換保証プログラムが適用されますが、今回お世話になることはありませんでした。

◆ キーボード:配列やタッチ
キーストロークは非常に浅いです。右手側が横に狭いのはスペース上の都合で、多くの小型ノートが共通してもつ、半ば "お約束の" 仕様です。むしろ日本語のノートでもっとも重要なのは、[Kanji] (半角/全角) キーの位置ではないでしょうか。現行 Eee PC シリーズは、[Esc] キーの右隣、ファンクションキーと同じ最奥列に配置されています。以前使用した VAIO C1XF という機種では、もっとも手前の列にありました。ちなみに工人舎の Geode LX 搭載モデルにいたっては、[Fn] キーとの複合配列です。そういった機種に比べると、まだ妥当な位置にあるものなので、他の機種との違和感はそれほどありません。複数機種を使い分けている方でも意識せずにタッチタイピングができると思います。

◆ サウンド
ホワイトボックス PC ユーザーならおなじみ、Realtek HD オーディオ。仮想 DSP 機能も健在で、内蔵スピーカの音はかなりこもっているので、それを設定である程度ごまかすくらいには使えます。本体に貼付されている Dolby 社のサウンドルームテクノロジは、ヘッドフォンで再生しながらも擬似的にサラウンド環境を再現するというもので、"言われてみれば…" という程度です。全体的なノイズの載りは少なく良好です。

◆ 筐体:質感や強度、コネクタ配置
パールホワイト・ファインエボニー両方に共通していると思いますが、筐体デザインの光沢が強く、傷が付くと目立ちやすいような気がします。
小さいながらも厚みは結構あるため、通常の使用ではきしみなどは発生しません。剛性の高さをうたうだけあって、余程手荒に扱わない限り問題ありません。
コネクタ類は使用者の利き手にかかわらず、じゃまになりにくい配置をしています。特に USB を左右側面に分けている点はかなり配慮されていると思います。

◆ 排熱:筐体の温度
Atom プロセッサは周波数だけを見ると多少期待はずれに思うかもしれませんが、単位電力あたりの性能は抜群です。そのため全体的な発熱量はかなり少なく納まっています。動作中に底面を持って支えても、ほんの少し温かい程度です。

◆ 静粛性:HDD, 光学ドライブ, 冷却ファン
ゼロスピンドルのため、小さなファン以外の可動部がありません。その動作音もごくわずかで、前述の発熱量の少なさが奏功しています。

◆ モバイル:軽さ、ACアダプタやバッテリーなど
1.2 Kg をやや下回る程度。AC アダプタを含めても 1.35 Kg 程度で、これでも重いと感じる方はいるかもしれませんが、十分モバイル PC としての利用が可能です。後述しますが、バッテリの効率を最大限に利用する設計を施しているため、小容量でも比較的長時間の駆動が可能です。実測値 3 時間 55 分。アダプタの出力は 12 V、3.0 A で、これも同様にほとんど熱くなりません。

◆ その他
- 他機種に無い特徴として、ASUS 独自の "Super Hybrid Engine" という機能が目を引きます。これは同社製デスクトップ PC 用マザーボードで最近利用されている省電力化用制御チップ "EPU" の機能を応用したシステムとのことで、ユーザーの設定や電源接続状況に応じて CPU のクロック周波数と電圧を一元管理します。Eee PC 901-X では、3 段階の手動設定レベルと、状況に応じた自動設定を含め 4 つのモードを選択可能で、設定により、動作クロックはそれぞれ 1.68 GHz (オーバークロック) 、1.60 GHz (定格) 、1.20 GHz に動的に設定され (いずれも CPU-Z 読み) 、電圧も付随して上下します。効果のほどはともかく、そのときの TPO で自由に選択できるあたりが、柔軟な設計になっていて魅力的だと思います。
- 標準で搭載されているメモリは 200 MHz の PC3200 ですが、実際は 333 MHz の PC5300 まで対応します。
- CrystalMark 2004R3: (ALU) 5438、(FPU) 4686、(MEM) 4061、(HDD) 4267、(GDI) 3063、(D2D) 2430、(OGL) 691。フォントスムージング ClearType、HDD 測定ファイルサイズ 128 MB、解像度 1,024 x 600、32 bit/pixel。High Performance Mode (1.60 GHz) にて計測しています。
- 3DMark03: 637 3DMarks、(CPU Score) 227。無理だろうと思いつつ実行してみたものの、完走はできました。ASUS ドライバで対応している "1,024 x 768 圧縮表示" では 259 3DMarks、(CPU Score) 227。なぜかテクスチャが一部はがれたり、オブジェクトがそもそも描画されなかったりと不具合が散見されました。
- 最近の PC としては珍しく、付属品にはソフトケースや光学マウス、液晶パネルクリーナーといった小物も含まれています。

◆ 総評
無線 LAN やウェブカメラ、Bluetooth など機能が満載で、小型モバイル PC としてはかなり優秀な部類に入ると思います。Atom は意外にパフォーマンスがよく、XP 上で各種デイリーツールを運用するには十分な性能をもっています。前世代製品と比較して、さまざまな点でスペックアップがなされており、コストパフォーマンスは更に向上していますが、やはり普通のノートのそれにはかないません。特にフラッシュドライブの容量の少なさが浮き彫りになり、しかも社外品により拡張すると高くつきます。いろいろできる PC ですが、"何でもできる" というわけではありません。あくまでも 2 台目以降として小ささや携帯性を活かし、それなりに割り切った使い方をする必要がありそうです。
データを多く保管しておく必要があるならば、競合製品の HDD 搭載モデルを選択したほうが無難でしょう (ASUS からも 10 月 25 日に新発売するようです) 。

◇ 追記事項 (2008/10/25)
一部センテンスに致命的な抜けが見つかりましたので、修正しました。
また、初出時に FF11 Vana'diel Bench 3 (High) の解像度を、"圧縮表示の 1,024 x 768" にしていたため、かなり低い値となっていました。圧縮状態で 491、スクロールで 972 です。3DMark03 も同様に、圧縮状態で 259、スクロールで 637。圧縮処理はソフトウェア対応なのか、案外重いことがわかりました。