デル XPS M1330

評価
GPUGeForce 8400M GS
CPUCore 2 Duo
DRAM4 GB
OSVista
投稿者mopop256
2009-01-30 14:38:37
◆ 前書
XPS M1330 にも Vista にも慣れてきて、勉強がてら、無性にPC本体をいじり回したくなってきた。そこで「最強のXPS M1330にしよう」と奮起一番、改良計画を立案。本改良結果を、ベンチマーク結果と併せ再レポートする。

◆ 改良項目

・CPU換装
・HDDからSSDへの換装
・HDMI端子の利用
・光学ドライブ換装
・Bluetoothの利用
・Express Cardスロットの利用
・キーアサイン変更
・用途に応じたGPUとCPUとFANのコントロール

◆ CPU換装
SocketPでFSBが800MHzであり、必然的に最高のCPUは Core 2 Extreme X9000 となる。オークションで30,000円で落札。TDPが35Wから44Wに増えるため、保険として90WのACアダプタもあわせてオークション購入。3,980円。案の定、65WのACアダプタでは給電できなかった。「14WのACアダプタを接続しています。お使いのシステムの動作が遅くなり、 バッテリーが充電されません。システムを最良に動作させるために、65Wかそれ以上のDELL製のACアダプタを接続してください」の様な不思議な英語メッセージが表示される。90W版では正常に給電できた。

◆ HDDからSSDへの換装
モバイル時の低消費電力、耐衝撃性、静音性のメリットを考えSSDに換装。せっかくなので256GBモデルを選択。速いと評判のPhotoFast PF25S256GSSDV2。行きつけのショップで友人価格64,980円。SSDは書き換え回数の寿命に諸説あり、最短一万回程度で使えなくなるらしい。できるだけ長く使いたいと思い、OSの設定を色々と変更した。

・定時デフラグ解除
・バックグラウンドデフラグ解除
・インデックス作成抑制
・ファイルのアクセス日時を書き込まない設定
・不要なサービス停止
・ページングファイルサイズの固定化
・データバックアップ先をネットワークストレージに設定
・Internet Explorer一時ファイル と 環境変数 TEMP、TMP を RAMディスクに設定
・Windowsカーネルの物理メモリへの設置

◆HDMI端子の利用
せっかく付いているのだからと、スリムタワー機で用いている液晶ディスプレイに接続。24インチ IIYAMA ProLite E2607WS PLE2607WS-W1。一本のケーブルで、映像だけでなく音声も送れることに感動。1920x1080の解像度まで出せ、コマ落ちしないフルHDのH.264動画を堪能している。

◆ 光学ドライブ換装
標準搭載のUJ-857Gがリコール製品と知り交換を決意。ジャンクで見つけたのがスーパーマルチドライブUJ-867。同じメーカーの後継モデルとは数奇な巡り合わせである。2,000円で購入。サイズもネジ位置も全く同じため、すんなりと換装に成功。ジャンク品だったが運良く動作も問題なし。動作音は以前よりもずっと静かになった。Blu-ray対応は今後の課題か。

◆ Bluetoothの利用
せっかく機能があるのだからと、LogicoolのBluetoothマウスを探した。しかし日本製品はなく、米国製品を探し、V470を35$で購入。単三乾電池を二本入れるため小型の割に重かったが、通信状態も良好でカーソルはスムーズに動いて一安心。これによりUSBポートを一つ空けた。

◆ Express Cardスロットの利用
色々と迷った末、Gigabit-LANアダプタを接続。PLANEX GEX-1000T。オークション購入で2000円。これによりUSBポートをもう一つ空けた。かさばらないReadyBoost用メモリ導入も考えたが、4GB RAM&SSD環境では必要ないと判断した。

◆ キーアサイン変更
下記変更でミスタイプが無くなった。
・Backspace右のHomeをBackspaceで上書き
・Enter右のPage UpとPage DnをEnterで上書き
・↑カーソル右のEndを右Shiftで上書き

◆ 用途に応じたGPUとCPUとFANのコントロール
自宅での3Dゲーム時はGPUをオーバークロック、CPU定格クロック、FAN100%回転設定。モバイル2D時はGPUを定格よりもダウンクロック、CPUの逓倍率を下げ最低クロック、FAN20%回転、照度最低設定。モバイル時のバッテリ駆動時間は、フル充電した6セルバッテリのオフィスソフト利用で、3時間01分。アイドリングで3時間15分。メーカー公式数値よりも長持ちしており、新幹線でも十分仕事ができる。これにはSSD化の恩恵もあるようだ。また、照度を落としても鮮明に映り、かつ省電力のWLED液晶の効果も高いと思われる。

◆ 体感速度の変化
電源投入からログオン画面表示までの時間:22秒→13秒。かなり速くなっている。
ログオンからアイドリングまでの時間 : 35秒→14秒。相当速くなっている。

◆ 使用したソフトウェア
・Change Key : キーアサイン変更
・Riva Tuner : GPUクロック変更
・nTune : GPUクロック変更、GPU温度確認
・CrystalCPUID : CPUクロック変更
・I8kfanGUI : FAN回転数制御、CPU温度/GPU温度/HDD温度/チップセット温度/FAN回転数確認
・Win高速化 PC+ : Windowsカスタマイズ
・Comfortable PC : Windowsカスタマイズ
・いじくるつくーる : Windowsカスタマイズ
・TweakVI : Windowsカスタマイズ
・PC Wizard 2008 : システム状況確認
・CoreAVC : H.264ソフトウェアビデオデコーダ
・Gavotte Ramdisk : RAMディスク作成ツール

◆ ベンチマーク結果(改良前→改良後★外部モニタ接続★)
『3DMark03 Free Version (Build 3.6.0)』
 6373 3DMarks
→9224 3DMarks
『3DMark05 Free Version (Build 1.3.0)』
 3741 3DMarks
→5581 3DMarks
『3DMark06 Basic Edition (Build 1.1.0)』
 1621 3DMarks
→2263 3DMarks
 『3DMark Vantage Basic Edition (Build 1.0.1)』
→動作せず
『FINAL FANTASY XI for Windows - Official Benchmark Program 3 Ver.1.00』
 High 4362-H
→High 5872-H
Low 6788-L
→Low 9028-L
『無双OROCHI 動作チェック』
 高グラフィック測定 平均フレームレート 35.1
→高グラフィック測定 平均フレームレート 53.3
 低グラフィック測定 平均フレームレート 105.1
→低グラフィック測定 平均フレームレート 289.4
『モンスターハンター フロンティア ベンチマーク』
 SCORE 963
→SCORE 1445
『銀河英雄伝説 体験版』
 1461points
→2987points
『Windows エクスペリエンス インデックス』
 CPU : 5.1、RAM : 4.9、Aero : 4.1、Game : 4.6、HDD : 4.7、BASE : 4.1
→CPU : 5.6、RAM : 5.1、Aero : 5.3、Game : 5.4、HDD : 5.9、BASE : 5.1
『SPEC Viewperf 9.03』
 3dsmax = 6.753、Catia = 5.517、Ensight = 6.897、Light = 6.570
→3dsmax = 7.158、Catia = 6.516、Ensight = 7.300、Light = 8.116
 Maya = 19.12、ProE = 6.193、SW = 9.835、Tcvis = 1.255、Ugnx = 1.564
→Maya = 25.85、ProE = 7.363、SW = 12.52、Tcvis = 2.281、Ugnx = 2.560
『CrystalDiskMark 2.2』
 Seq : 37.28/36.49
 512K : 21.08/22.34
 4K : 0.410/0.062
→Seq : 220.0/120.9 (IDE互換モード)
→512K : 193.7/100.6 (IDE互換モード)
→4K : 14.00/ 2.771 (IDE互換モード)
※Seq : 139.4/ 63.27 (AHCIモード)
※512K : 123.5/ 36.25 (AHCIモード)
※4K : 8.419/1.288 (ACHIモード)
『闘神都市Ⅲベンチマーク』
 61.3fps
→108.3fps
『GNO2テストツール』
 3D描画 平均値:51.1フレーム/秒
→3D描画 平均値:72.9フレーム/秒
2D描画 平均値:354.2フレーム/秒
→2D描画 平均値:503.5フレーム/秒
『スーパーπ Ver 1.1』
 104万桁 23秒
→104万桁 16秒

『モバイル時バッテリ駆動時間』
 2時間31分(アイドル時)
→3時間15分(アイドル時)
 2時間20分(オフィスソフト利用時)
→3時間01分(オフィスソフト利用時)

◆ ゲーム1 (GUNDAM NETWORK OPERATION 2)
普通に起動すると一万を超えるファイルをチェックするため非常に起動時間がかかる。しかしSSD化により起動時間が大幅に短縮。以前は20秒掛かっていたが現在は6秒で起動しており、たいへん満足のいく結果となった。ゲーム中のフレームレートも60fpsを超え、快適な動作である。気持ちとしては5点満点中7点を付けたい。

◆ ゲーム2 (ZWEIⅡ)
外部モニタに接続し高解像度設定にした時に、改良の効果が大きく現れた。ノートPCの液晶でプレイする分には特に変化無し。

◆ ゲーム3 (闘神都市Ⅲ)
ベンチマークの結果の通り、フレームレートが大幅に向上した。3D表示を最高品質に設定しても全くコマ落ちせず、フルエフェクトの掛かった綺麗な描画で遊べる。

◆ 余談
◎「真・三國無双 Online ベンチマーク」と「3DMark Vantage (Build 1.0.0)」は公開が中止されており入手できなかった。
◎アンチウィルス、スパイウェア対策、ファイアウォール、システム監視、ソフトウェアサウンド等、常駐ソフトを数多く入れている。これらを一時的に切ればベンチマークスコアは向上するだろうが、常用環境での数値が本来のものだと考え、常駐ソフトは全て動かしたままベンチマークを行っている。
◎CPUのX9000には倍率ロックが掛かっていなかった。Intel版Black Editonだろうか。定格以上の逓倍率ではハングアップしたが、クロックダウンは正常に行えた。
◎M/BのFSBの変更はどうやってもできなかった。
◎今回分解のついでにヒートシンクとFANの清掃も行った。大量の埃を吹き払い、PC全体で3度温度が下がっている。遅ばせながらの大掃除が功を奏した。
◎RAMディスクを作成していると、Windows エクスペリエンス インデックスのプライマリディスク測定中にエラーが出る。
◎2Dでの限界クロックは、GPUコアが650MHz、メモリクロックが1000MHzまで行ける。しかし3Dでは600MHz、950MHzが実用での限界。

◆ 比較
同型サイズの専用GPU搭載製品と比較した場合、DELLではCentrino2プラットフォームのStudio XPS 13が発売されている。また他社製品も見逃せない。おそらく現時点で最強の3D性能を持つEPSON DIRECTのEndeavor NA802はもちろん、SONYのtype S VGN-SR92シリーズやtype Z VGN-Z91シリーズ、LenovoのThinkPad SL300シリーズ、HPのPavilion Notebook PC dv3500にすら、改良前の構成では正面から太刀打ちするのは正直難しい。改良しても背中を見るのがようやくといった状況であり、Centrino2世代への交代は確実に訪れていると感じる。

◆ 総評
多少枯れた感のあるXPS M1330は情報量が非常に多く、改良時の情報集めやトラブル対応も楽だった。そして3Dゲーム機としてだけでなく、モバイル用途でも十分活用できることを確信した。総合的に十分納得のできるPC環境にすることに、大変満足している。メーカー保証の切れる約3年後まではXPS M1330との付き合いになるだろう。思う存分使い込んでいきたい。