ASUS ASUS N10Jc

評価
GPUGeForce 9300M GS
CPUAtom
DRAM2 GB
OSXP
投稿者不良品ハンター
2009-04-01 13:57:46
◆ 購入のきっかけと価格
発売当初から購入を検討していましたが3月半ばに兄がイーモバイルの端末契約をするのに便乗して割引購入。支払い価格は約2万円。
追加で2GBのHynix純正2GBメモリ2千円、別PCの搭載していたWD3200BJKTをこちらに回し、XP Professionalを新たにインストールして現在に至ります。
周辺機器としてSDHC32GBとトランセンドExpress-card32GBをダミーカードの代わりに。外付けドライブにBC-5500Aを使用。

◆ 体感速度の変化
平行して使用しているPCのhp dv3000改に比べるとさすがに動作にもたつきが見られます。特に初期搭載のHDDでは気になる範囲でもたつきが見られましたがHDD変更、AHCI適用後はそういった点も気にならないレベルになりました。単機で使用している限りにおいては分からないレベル。

またローカルファイルの動画鑑賞において9300M GSの効果ははっきり分かります。
MediaPlayerClassic HomeCinemaと組合わせての1920x1080のMP4再生やPowerDVD9 UltraでのBlu-ray再生も難なくこなします。

◆ 液晶の質
解像度はどうしても不満が残りますがこれはメーカーのせいではないので割愛。

グレア液晶は一長一短ですが動画鑑賞には向いているのでこれも一概にマイナス要素ではないでしょう。
発色や明るさ自体はグレア液晶の利点に集中して動画鑑賞が映えるように設定されいてるように思われます。

ASUSのグラボに見られるSplendidが使えるのもグッド。外部液晶に繋いだ時も大まかではありますが調整が一発で行えるのはやはり便利です。
NVIDIAのドライバ機能が優秀なこともあってレジストリをちょっといじるだけで設定外解像度等も簡単に設定できるのもプラス要素。
PowerDVD9 Ultraは起動解像度がXGA以上となっているので通常設定では起動できず、この機能は非常に役に立ちました。
16:9映像では中心に映像部が全て収まるので実害もありません。

◆ キーボード:配列やタッチ
個人的には右側のシフトが押しにくいこと意外は配列そのものに不満はありません。
私のタイピングでは意識して若干押込みを深くしないと入力を認識しないことがあります。
これは個人差のレベルなんでしょうがちょっと気になります。

◆ サウンド
dv3000同じくALTEC LANSING製のスピーカーとなっています。そこそこの音はなりますがデスクトップのそれと比べるべくもありません。それでもチープという感じは受けないので及第点といえるでしょう。

HDMIからの音声出力、S/PDIFの出力能力と機能自体に不満となる点は全く見られません。
またLogitec LBT-AR200C2~Bluetooth(東芝スタック)間での出力も全く問題なくこなしました。

◆ 筐体:質感や強度、コネクタ配置
よーく見るとタッチパッド周辺部の隙間の塗装が剥げ気味だったり液晶ベゼル部の擦り傷が購入時から見られたりとやはり安い感じは残りますが全体的にはうまく隠蔽できていると思います。強度的にも不満無し。質感もぱっと見高そうに見えます。

端子数も不満となる点は全くありません。Expressカードスロット装備はeSATAが使えたりと購入後の拡張性に特に貢献しています。

◆ 排熱:筐体の温度
静粛性重視なのは分かるのですが、CoreTemp読みでCPU温度が70~80℃なのはやはり精神衛生上よくありません。
アイドル時等非常に静かでいいのですが…。もう少し回してもとは思います。

GeForce9300M GSは45~55℃程度。こちらは結構負荷をかけてもそれほど変動しません。

またWD3200BJKTの動作温度はアイドル時40~45℃、デフラグやウイルススキャン時で50℃弱で特に気になるほどの温度にはなりません。

◆ 静粛性:HDD, 光学ドライブ, 冷却ファン
非常に静かです。
寝室の枕元に置いてようやく意識するレベルです。
5400rpmのHDDもデフォルトのSeagate製のものは存在を意識させない位。
7200rpmのWD3200BJKTは回転音と振動がはっきり分かりますが気になるほどではありません。

◆ モバイル:軽さ、ACアダプタやバッテリーなど
1.5kgと一般的には軽くありませんが5kg位までは重さを意識することなく持ち運んでいる身としては全く気になりません。
むしろ面積が少ないのでバッグに収めるのに楽な点はほかの10インチクラスのものと同じ。

アダプタは充電完了時の高周波音が不快。青色LEDも着けるなとまでは言いませんが無駄に明るいのでなんとかならんのかと。
大きさはこのクラスのPCとしてはやや大きめ。

◆ その他
スペック表からは分からない使って気がついた点を。

1.カードリーダーはUSB接続。これが遅くてどのカードを使ってもリードライト共に10MB/secで頭打ち。
2.LANはPCI Express x1接続。
3.リカバリディスクはNorton Ghostでのイメージ。作業時間が通常の普通のインストールより長い。ドライバやアプリケーションも別インストールなのでメリットが無い。DVD1枚。
4.ドライバディスクは一括インストールすると途中でインストール動作が停止するのでインストール済みの確認用にしか使えず。チェックをはずしての単品インストールでもそれぞれ通常完了しないので都度停止させなければならない。管理ソフトが多いので一括できないのは非常に面倒。DVD1枚。
5.添付ディスクはリカバリ、ドライバ+ユーティリティ、ソフト群、AdobeReaderで1枚ずつ。AdobeReaderはユーティリティに入っているので添付されている理由が不明。しかもそれしか入っていない。
6.ExpressGateはWindows上にインストールする形式。BIOS格納や専用領域を作成しないのでHDD交換時やリカバリ時に意識する必要が無いのがグッド。
7.対ショックセンサーを搭載しているHDDを接続するとBIOSにセンサーのON/OFFの項目が出現する。
8.BIOS起動時の音がある。音量も調整可能。ON/OFFができるのに音量に0が選べるのが謎。
9.N10Jの方がBIOSの更新が早い。現時点での互換性はあるようなので更新時はそっちでも可でしょう。(今211を使っていますが全く問題無し)
10.無線LAN(Atheros AR928X)は当方n接続(Aterm WR8500)環境で実測60Mbps程度。i7の有線接続で95Mbps程度の回線なので十分かと。安定性も問題無し。
11.ショートカットキーでのHDMIやVGAへの切り替えも可能。HDMIの音声切替は手動。
12.休止状態からの復帰が劇遅。シャットダウンして再起動したほうが早い。

◆ 総評
とにかくGeForce9300M GS様々。
CPUの非力さを補って余りあります。
使いこなせればエンタメ端末としての完成度は比類ないものになります。

こうなるとIONプラットフォームは非常に使い勝手の良いものになると思われます。
CPU依存度が下がるのでIntelは歓迎しないでしょうが期待したいものです。

添付ユーティリティも使い勝手や安定性も問題無し。
昔はマザーボードメーカー純正ツールは安定性が無く非常に使いにくかった記憶があります。
現在は機能性、安定性、操作性共に完成度が高くなっているのに驚きました。

ASUSは元々マザーボードを日本製PCにも長年納めていましたが、十分以上にPCメーカーとしての実力を備えていることが確認できました。
Intelのプラットフォーム縛りを無視してもそれを通せる発言力も考えると、逆に日本製PCメーカーの凋落を見せ付けられた気もします。