東芝 dynabook SS S30 106S/2W

評価
GPUIntel 945GM
CPUCore Solo
DRAM4 GB
OSXP
投稿者totsumiura
2009-04-26 00:36:57
皆様お世話になっております。totsumiuraです。

今回は、完璧に不意をつかれた買い物だった、dynabook SS S30をレビューしてみます。少々お付き合いください。

◆ 購入のきっかけと価格
たまたま友人に呼ばれて、秋葉原をふらふらしていたときに、発見。
最初は「X41の用途に関して考えないとだめだと思う」として、かなり躊躇していたのですが、

・持ったときの異様な軽さ
・945GMを搭載しているので、A列車程度であれば、ネットブックより快適
・メモリふたが異様に大きく、2スロットあると思われる

以上のような条件から、購入。
左ヒンジが破損しており、それが理由でジャンクということでした。見る限り瞬間接着剤で留めてしまえばまったく問題ないとの判断。
最終的には時間帯のよさ(散策の最後に見つけてしまった)や、27,800円という驚異的なコストパフォーマンスのよさ、そしてX41の売却先が確定したことで、資金回収の目処が立ったということで、買ってしまいました。

ちなみに、特にレビューする必要もないのですが、この1日前には、旧GatewayのSolo3450をヤフオクで購入しており、「いったい何をしているんだ?」と自問自答してしまう週末でした。

スペックは
Core Solo U1300(1.06GHz)
DDR2-800 4GB(スペック上はDDR2-533 4GB動作)
40GB 5400rpm HDD(SATA)→CSSD-SM60NJ(SSD SATA)
945GM Intel GMA950
12インチWXGA液晶
無線LANなし→Dell Wireless 1505 Draft 802.11n. WLAN Mini-Card
なお、JHL90にて使用していたSSDと無線LANカードを追加していますが、SSDはこちらで計上していますので、8,980円プラス。
それでも36,780円。これではネットブックを買う気にはなれないですね。(ネットブックを買った人間のいう言葉ではないでしょうが)

◆ 体感速度の変化
なんというか、所詮は割り切った存在なので、ほとんど気になりません。
ネットブック目線で見ると、
・ニコニコ動画の弾幕はまったく問題ありません。
・tsファイルの再生は厳しいものの、SD動画は問題なし。
・A列車ベンチ7では、平均25fps。これなら軽いネットゲームなども十分可能。
と、まず問題ないレベルです。
ただし、今回はCore Soloなので、さすがに複数の処理をこなす場合にはかなりきつそうなレベルです。
SSDの効果も大きく、以前どなたかのレビューでHDDの交換が高速化につながるという話が書かれていましたが、おそらくはトータルでJHL90や手持ちのPhenomIIX4のデスクトップとほぼ同等の体感速度になっていると思います。

◆ 液晶の質
12インチ低温ポリシリコン液晶だそうです。東芝は昔からこの液晶なのですが、違いがいまいち分かりません。
経年劣化的なものなのか、それとも特徴なのか分かりませんが、白に対するギラギラ感がやや見られるぐらいで、特に問題はありません。

◆ キーボード:配列やタッチ
キーボードのサイズはまったく問題なく、自然に打てるのですが、配列が気になるところです。
東芝のSSシリーズではおなじみなのですが、上1段のESCキーと半角/全角キーが逆になって欲しいことと、全体的に左側のTabキーやCAPSLOCKなどのキーサイズがほかのB5サイズPCと違い、かなり小さくなっているのも気になります。
打ち心地は悪くないのですが、そういった細かい点が一番気にかかるところです。

◆ サウンド
スピーカーは前面のスリットあたりなのかと思います。
ダイヤル式の音量調節が健在なので、直感的に調節できるのは便利ですね。

◆ 筐体:質感や強度、コネクタ配置
強度は申し分なし。マグネシウム合金で同時に軽さを実現しています。SSDに換装したこともあって、起動中でもブンブン振り回して問題ないですね。(真似しないでください)
コネクタは左手前よりPCカードスロット、SDカードスロット、VGA、LAN、USBx2、電源コネクタ。
右側はモデム、USBx1とそのほとんどが左側に集中しています。パームレストには指紋センサー。フロントにイヤホン、マイク、音量ダイヤル、そのほかユーティリティボタンと電源ボタンがあります。
また企業向けであるため、同型のSS SXシリーズにあるCFスロットが省略されており、その辺がプラスチックふたで閉じられています。
それを示すように、分解すると右半分はスカスカで、ほとんど何もないといったほうが正しいぐらい、中身がありません。

◆ 排熱:筐体の温度
筐体が熱くならないこともそうですが、ファンもあまり回らないです。
低電圧版CPUもそうですし、HDD→SSDの効果も出ています。

◆ 静粛性:HDD, 光学ドライブ, 冷却ファン
上にも書きましたが、そういうわけであまりファンが回ったこともないです。
仮に回り始めても、ThinkPad以上にFANは静かです。
つまり、音という音がほぼ出ないということで、キーボードをたたく音が一番うるさいのが、問題といえば問題ですね。

◆ モバイル:軽さ、ACアダプタやバッテリーなど
1.2キロと非常に軽いです。見た目より軽いので、最初に触ると本当に違和感を感じます。ネットブックより軽く強いということで、持ち運びを躊躇させないのは相当いいです。
ACアダプターも超小型のクラスでしょう。過去にSS3410を持っていたことがありますけど、そのサイズとほぼ一緒です。

◆ その他
その他気づいた点ですが、
まずOSのインストールが、専用のリカバリーディスク(これはDVD-Rなどで作ることができます)のみでしかできないことが問題です。
理由としては、東芝HDDプロテクション用のハードがICHとHDDの接続の間にあるので、インストール時にOS上からHDDが見えないということになるためです。
一応確認する限りでは、BIOS上からもカットできないので、この場合はやむを得ずXPにてリカバリー→OSのアップデートということになります。
Windows7もクリーンインストールができないので、せめてSCSIドライバーのようなものを配布してくれればなあと思います。
SSDですが、おそらくはICH7世代のその多くのPCで言われている、IDE接続で変換されている状態なのだと思われます。
それもあって、上記のような速度なのだと思われます。仮にATA100だとすれば、ほぼ転送速度の限界まで出ているということになります。
しかしながら、JHL90のSATA3.0GB/sでも同等の数字なので、やはりこのSSDでは限界がこの程度ということになるのだと思われます。
いわゆるプチフリですが、これはまったく起こっていません。相性もあるのかもしれませんが、JMicron製のコンパニオンチップを使っているものは、915/945世代のあたりで使ってあげれば、プチフリ現象は少ないのではないかと思います。
バッテリーの持ちですが、異様なぐらい持つようで、確認する限りでは約1時間でバッテリーの残量が7%しか減らない(100→93)というぐらい。細かくつめていけば10時間近い動作も可能かもしれません。

◆ 総評
そんなわけで、100点とはいきませんが、80点ぐらいかなと思います。PCを扱う上で、キーボードが大きな比重を持つことを再認識させてくれたPCです。
しかしながら、それ以外の出来はすばらしく、ネットブックを買うなら中古のPCというのは、これで確信できました。X41の筐体で、この性能なら完璧なのですが、該当モデルであるX60sはなかなかこの値段で手に入らないので、そういう意味では十分過ぎるかなと思います。
ちなみに、このS30は最近リース上がりで結構秋葉原で見かけます。その多くが4万以下購入できるため、ネットブックよりハイスペックなPCを手に入れるには、いいかもしれません。

友人がネットブックに迷っていたら、迷わず薦めていいと思うモデルですね。