ヒューレットパッカード HP ProBook 4710s

評価
GPUMobility Radeon HD 4330
CPUCore 2 Duo
DRAM4 GB
OSXP
投稿者魚弱
2009-10-19 22:56:26
◆ 購入のきっかけと価格
諸事情でHP2133が不要になり、下取りが意外なほどいい値段だったのと、仕事でほぼ据え置き(極々稀に持って出るかも)ポジションにパワフルなノートが欲しかったので。
PCデポ店頭扱いの4Gメモリ増設モデルです。

◆ 体感速度の変化
FFXIやECO(エミル・クロニクル・オンライン)などライトゲーム系ならバランスがよく、実用的なパワーです。
CPUパワー寄りなFFベンチは、非力なVGAに強力なCPUでもそこそこ高い値が出て、実際の滑らかさとは若干の相違がありますが、この機種の場合、値ではなく画面を眺めていて「これはイケル」と感じられます。
実際ECO、FFXIクラスだとPhenomX2 550+790GXオンボードのデスクトップと変わらない使用感です。

◆ 液晶の質
可も無く不可もなく、縦方向の視野角がやや狭いも普通のレベルに感じます。値段からすると「良」だと思います。
出来ればもう一声、WSXGA+ならばと思いますが、巨大な筐体のため、手前に書類を置くスペースなどを取るとパネルの位置が頭からかなり遠くなるのでこのくらいの解像度が丁度いいのかもしれません。

◆ キーボード:配列やタッチ
アイソレーションタイプのキーボードは初めてですが、がっしりしており剛性面で不安も無く、コンパクトな配列はいい感じです。
ただし、爪が伸びているとかなり押しにくくなるのが難点です。触ってみた女性の方はかなり難儀してました。

10キー付きなのも初めてなので初めはやや戸惑いました。
外部モニタは向かって右に置く派でしたが、10キーがあるので体がノートに対してやや左に寄るようになり、外部モニタは左側に置くようになりました。

◆ サウンド
ここは値段なりです。ボリュームを絞ってモニター用なら十分ですが、DVD視聴はきついです。サウンドエフェクト機能もドライバに含まれて居ないのでちょっとそっけないです。

◆ 筐体:質感や強度、コネクタ配置
とにかく巨大です。家庭の場合特別奥行きのある机が必要です。オフィス机には問題ありませんが、体感的にコタツ1個を占有する位欲しいです。
筐体はシンプルなプラスチック感がいい方向でも悪い方向でも強いです。ヨーロッパ車の普及グレードの内装のように、色気が無いのをシンプルと取るか安っぽいと取るか、人それぞれかもしれません。

左右にUSBが2機づつありますが、左右共に一番手前なのでちょっと使いにくいです。特に右側2個はマウスの邪魔になるのでL字延長コネクタを刺してます。

サイズがサイズのためどこを持ってもゆがみ無く、と言うほどの強度はありませんが、バスタブ構造と軽さのためか、同じサイズのプラスチック筐体を持つノートより「剛性感」はあり、頼りない感じはありません。
個人的に重視しているヒンジ、パネル側の強度もしっかりしており液晶パネルは節度を持って開閉できます。

SSD換装のために分解してみましたが、底面に窓は無く、キーボード>パームレストとちょっと分解が厄介でした。
PCデポの人もメモリ増設するのに難儀したのか少しだけ擦り傷とか付いてました。(目くじら立てるほどの傷ではありません)
内部はかなりプラスチックでおもちゃを分解してるような気分でしたが、スライドして引っ掛けてあったり、ネジの受け部分だけ補強してあったり、コスト/強度をすごく煮詰めてある感じで機械好きとしては好感が持てました。

◆ 排熱:筐体の温度
SSDに換装してあるのでパームレスト右も熱くならず、筐体もそれほど熱を帯びる事もありません。M400Aでは燃えるんじゃないかと心配になった制作業務で酷使していても不安感はありませんでした。


◆ 静粛性:HDD, 光学ドライブ, 冷却ファン
排熱ファンは常に回っており、大きめです。M400Aと同等ぐらいでしょうか。自宅で使用しているときは喫煙者なので近くに空気清浄機を置いており、それほど気にはなりませんが、静かなノートからの乗り換えの場合は確実に気になると思います。

◆ モバイル:軽さ、ACアダプタやバッテリーなど
意外に軽く(3kg強)、LED液晶の恩恵かバッテリーも意外なほど持ちます。普通に使っていても2時間位は動いてました。
オフィスで自分の机で使いながら使わないときは鍵のかかるボックスへ、会議には持って動き、1会議は十分にバッテリーが持つ、閉じた状態では躊躇無く小脇に抱えて移動できる「フロアモバイル」としてみればかなり高い水準でバランスしていると思います。

◆ その他(個人的な憶測)
少し気になったのはファン制御が2133が壊れかけた時と同じような気配を感じることです。
2133ではスタンバイから復帰後に回転数が上がったまま下がらなくなったり、負荷が下がってもファン回転数が落ちなかったり不安定な症状が出たしばらく後に起動不能になり、基板交換になったことがあります。(正規の修理で下取り時にも申告済み)
たった2台での個人的な憶測ですが、HPさんのノートはファン回転制御に何かがあるのかもしれません。

◆ 総評
ずば抜けた低価格と各部のバランスのよさから、PCにあまり詳しくないゲーム仲間にも安心して薦められます。
ファンの音さえ許容できればコストパフォーマンスの高い「うちにはこれ一台だけ」に最適だと思います。
また、国産ノートの様な華はありませんが、程よいシンプルさがモノクロ系のおしゃれな部屋には合うと思います。

☆5つは価格帯、オフィスの喧騒、自宅では空気清浄機で補われてのポイントです。
人によっては騒音のため☆2ぐらいもありえるかもしれません。

追記:
このレビューを書いた後、投稿まで時間が空いていたのですが、価格も安いので使い倒すと決め、たまたま中古のCore2DuoのP8600見かけたのでCPU交換してみました。
(決めたのが先か、見つけたのが先かは議論の余地ありですが^^;)
HDDにアクセスするまでは通常のネジでいいのですが、そこから先はバスタブ構造をほぼ完全に「1枚板の中蓋」が覆っており、かなり面倒でした。
あちこちプラなのでトルク管理をしないとねじ切りそうです。

GoogleMapやリッチコンテンツ系が「実用」から「快適」レベルに上がりなかなかいい感じです。
CeleronT1600は35W、P8600は25Wなのでファンの動きに期待していましたが、あまり変わりは無いようでちょっと残念です。
アイドル近辺長時間でも回転数が上がりにくくなったかな?程度です。
FFXIベンチHiは5450まで延びました。
BIOS対応が博打になりますが、いっそT系を試してみれば面白かったかもしれません。

さらに追記:
分解時の写真等をアップしました。
 → HP ProBook 4710s導入、分解、あれこれ乗せ変え

こちらにいらっしゃる方々には釈迦に説法かもしれませんが一応、
分解を行うとメーカー保証がなくなります。必ず自己責任でお願いします。