ソニー VAIO VGN-AW72JB

評価
GPUGeForce 9600M GT
CPUCore 2 Duo
DRAM4 GB
OSVista
投稿者桜華
2010-03-10 00:01:39
◆ 購入のきっかけや価格
3年ほど使ったQosmio G30/797HSがそろそろ旧式化してきました。
・BIOS更新の影響でファン音が大きくなった
・メイン機をデスクトップに移行したので、巨人機はもういいや
・超軽量機はX505があるので、これと使い分けられる性能は欲しい
・高解像度は譲れない
というわけで新型VAIO Zをかなり本気で検討しました。
しかし何故SonicStage Mastering Studioを削ったのか…。それでは何のためのSoundRealityかと。その他のDSD系ソフトも全滅。どうやらWindows 7導入と同時に無くなった模様。
DTMをやるわけでもないのですが、この辺のソフトは個人的にVAIO最大の魅力と認識していたので、しばし逡巡。SZの中古なども検討するものの、高解像度狂いの私が1280x800なんて画面で納得するとも思えず…。悶々と数日。※この時点で何故かVAIOしか見えなくなってますw
ああそうですね、確かにAWもSSMS+SoundRealityでしたね。ですが私が求めているのは18.4型なんていう非常識な巨大戦艦ではなくて、モビリティに配慮したモデルです。それにフラッグシップ機なんて幾ら掛かると思って…

ポチッ

こんな凄いマシンが155000円だなんて、良い世の中になりましたね!(キリッ


◆ 体感速度の変化
リカバリディスクだけつくって即座にSSDに換装し、東芝THNS128GG4BBを2基でRAID0構成としています。
PhotoshopやFirefoxのような比較的起動の遅いソフトも3-5秒程度で難なく立ち上がり、特別に重負荷を掛けなければ遅くなることも無いようです。十分に満足の行く水準ですね。

・対Qosmio G30比
同じSSDを載せて同じくRAID0構成でしたが、全般にきびきび感が向上。3D系のベンチも明らかに上の滑らかさになりました。3D系はもちろんGPUの性能向上、それ以外はチップセットとドライバの改善によるものでしょうか。

・対メインデスクトップ比
軽負荷時でも全般に多少遅れる感じがあります。
メイン機の構成は右記のとおり:Phenom II X4 955BE、DDR2-800 8GB、790GX+SB750、Radeon HD 4870、THNS512GG8BB(AHCI-AMDドライバ)、Win7pro-64bit
消費電力も含めて比較にならない相手なので、仕方ないかと思っています。


◆ 液晶
もう少し使い込んでみたいところですが(何しろAdobeRGBの素材があまり無い)、発色の良さは大したものですね。AdobeRGB面積カバー率100%ということで、その点では心配していません。また、各素子の配列も非常に綺麗に整っており、ギラツキの類も一切ありません。視野角もTNとは思えないレベルに仕上がっています。宣伝通り優れたパネルのようです。
ただ、最低輝度が高すぎ、眩しくて目が大変疲れます。慣れられれば良いですが、そうでないとかなり辛いことになりそうです。
なお、アンチグレアとは言っても映り込みが皆無ということはないので、やはり色が重要な仕事をする場合はフードをしないと駄目なようです。


◆ キーボード
これは基本的に良好ですね。難を挙げるとすれば、押し始めにガクンと落ち込む感覚が少々気に入らないこと、矢印キーが下がっていないので違和感があること、です。たわみなどは無いので、よく出来ている方かなと思います。
それにしてもリターンキー、何の意味があってこんなに巨大にする必要があるんでしょうか。


◆ サウンド
スピーカーの方はあまり聞いてないですが、可もなく不可もなく、という印象。良いとは言わないものの、敢えて半端な外付けスピーカーを付ける必要は無いかな…?
ヘッドホン端子の方ですが、これは正直驚きました。以前Qosmio G30の時も「PCとしては、なんていう前置きは不要」と書いていますが、ゼンハイザーのHD800を接続して聞いたところ、AWはさらに数段上を行き「下手なヘッドホンアンプは不要。AWの方が上。」というレベルです。こうなるとSACDの再生も出来て欲しかったですね。

ちなみに「DSD Direct Player」という音楽再生専用ソフトがインストールされていますが、これがまたマニアック。
・マニュアル「他のプログラムを終了してから使用することを推奨します」
・何故かというと、「CPUパワーをほぼ全部使い切って高音質処理をする」から
・起動すると当然のように強制フルスクリーン
・最小化すると強制的に再生中断
・設定変更をしようとすると強制的に(ry
という具合に、集中して音楽を聞く以外の行為は許してくれませんw
確かにWMPでの再生より一皮剥けたかなという感じがしますが、何よりこんなソフトを作って載せておくSONYの変態さ加減にシビれますw
これで思いましたが、ゲームソフトもフルスクリーンが解除されると自動的に一時停止する機能があると良いですね。


◆ 筐体
最初から分かっていたことですが、信じられないほど巨大です。しかもテンキー持ちのため、ホームポジションを身体の正面に据えると、マウスを持つ手が筐体にぶつかるという罠まで付いています。(右利きの場合)
さらに深刻なのはヘッドホン端子で、右手前側にあるため、挿していると簡単にマウスとぶつかります。USBも恐らく同様。
左利きの場合はというと、ExpressCardスロットに何か挿していると、やはりマウスとぶつかるのでは。HDMIも同じく。
ExpressCardスロットは筐体サイズを考えても/54にして欲しかったですね。それから有線LAN。蓋付きでしかも奥まった場所にあり、使うなと言わんばかり。全般に端子配置はイマイチです。
UDMA対応CFスロットというのはGOOD。ただし、ダミーカード方式はいただけません。逆手に取って「メモリカード入れに改造する」という手もありますが。
ストレージベイは2基まとめて右パームレスト下にあり、ネジ一本を外すだけで空けられます。そのため換装は非常に簡単で、標準でRAID0という少々危険な構成を考えても、ありがたいところです。メモリも同様、ネジ一本を外せばアクセス可能。

強度面での不安はほとんどありません。力を入れて捻ると多少歪みますが、十分「ガッシリ」感があります。液晶側はそれに比べると強度は落ちますが、平均は確保している印象。こちらも不安に感じる事はないかな。

デザイン的には外側はやや派手目の重厚感、開くと落ち着いた感じを狙っているのかな?
開いてしまえば枠以外はほぼ艶消しなので、作業中に目障りという感じもないです。フードを付けてしまえば枠も気にならないでしょうし。


◆ 排熱と静粛性
冷却ファンは常時回っています。静粛性に不満はないですが、ファンレス・ゼロスピンドル機とは明確な差がありますね。(注意すればいつでも聞こえる)
また、排気がやや下を向いているようで、床面を加熱します。下手な物の上に置いて長時間使うと、排気が当たる場所だけ変色したり劣化したりするかもしれません。
重負荷条件ですが、Prime95 + MHFベンチ、気温20度時でも騒音はそれほど大きくならず、不快な音も出ません。このときGPU温度は78度。デスクトップGPUでは大して気にならない温度ですが、大丈夫かな?
また、リカバリディスク作成時しか使っていませんが、光学ドライブは人並み程度の音は出します。他より特に大きな音ではありませんが、静かとは言えないですね。BD視聴はまだ試していないので、このときにどうなるかは分かりません。
発熱は排気口周りの他、左のパームレストも人肌程度に温度が上がってきます。この点はパームレスト-キーボードのエリアで全く温度上昇の無かったQosmio G30が上です。


◆ モバイル
Qosmio G30から1kgもの軽量化に成功し、大幅なモビリティ向上を…ふぅ…。
衝動買いのツケはここに集約されている感じです。
幸いにして私の場合は常用バッグに収まりましたが、これだけ大きいと入れ物探しも難航するでしょう。
でも、Qosmio G30に比べると楽になったのは事実です。
(このレポートも出張先のホテルで作成中)


◆ その他
AdobeRGB100%なパネルを載せていますが、それを使う各種設定はもう少し突き詰められたかなと思います。カラーマネージメント対応のFirefoxを適切に設定してインストールしておくとか。
もっとも、それを気にするのは「わかっている人」で、そういう人は自分で設定できるから問題ない、そもそも当初の値段であれば素人衆は手を出さないだろう、というのも確かに一つの識見ではあるかと思いますが。

それと、Windows 7への移行をサポートしたモデルではありますが、移行した場合はSSMSを含めてかなりのソフトで動作に制限が加わるようです。
現状で特に問題なさそうなので、AWについてはVistaのままにしておこうかなと思ってます。

あとはリカバリディスク作成にBDを使えないのが気になります。DVDだと3枚も使ってしまうので、是非BDに対応してほしいところ。速度の観点からUSBメモリにも対応してほしいですね。


◆ 総評
CFスロットで読んで、Photoshopで編集して、高品位な内蔵モニタで確認できて、プリンタプラグインも載っているということで、写真編集の流れは一通り整ってはいるようです。私がその完成度を確かめるのはまだまだこれからですが、明確なコンセプトとそれに対する答えを追求したという姿勢は好ましく感じます。
必然的に性能面もそれなりの物を備えていて、なにげに音が良かったりするので、細かくみると残念なところは結構あるんですが、総合的には非常に満足しています。こういった全方位での質の良さという点では、まだまだやっぱり日本の大手しか無いのかなと思いますね。

それだけに、後継モデルが無くなってしまったのが残念です。Rも無くなったのでフラッグシップ不在。それはメーカーとしてどうなんだと思います。…FがAの後継とは認めませんよ? ただ、SONYの気質からして、Zをフラッグシップだと考えてそうな節はありますが。

ともあれ、AW自体は非常に良い機種なので、液晶輝度さえ何とかなれば、3年間使い倒そうかなと思っています。もちろんモバイルもしますし…。
最近はPSP/PS3ばかり遊んでましたが、セイクリッド2辺り、手を出してみようかな。(1は英語を読むのに疲れて途中で投げましたw)