◆ 購入のきっかけや価格
①N10JbではCPU性能が低すぎるためCULVに移行
②比較的酷評の少ないwin7に興味
③家内にある5年間使用中のゲートウェイのノートが未だ現役で馴染みがある
④AMD製GPU搭載製品を使ってみたい
⑤office2007付きで82000円に魅力を感じた
⑥intelから技術提供を受けた例の冷却機構に関心があった
◆ 体感速度の変化
N280のN10Jbと比較するとやはり非常に軽快になりました。
AtomとCore2Duoでは性能が段違いであると改めて感じました。
ただSU9400は型番通り、超低電圧版Core2Duoなのでクロックが1.4GHzと割合低く、
T8300やP8600のような通常版C2Dに比べるとやや動作がモッサリしています。
特にそれを痛感するのは複数の作業を同時に行う場合や、ゲーム時に顕著に差が出ます。
総合的には普通に使用する分には処理能力には全く不満はありません。
満足度を★であらわすと
Atom N280 | ★★☆☆☆ |
SU9400 | ★★★★☆ |
P8600 | ★★★★★ |
といったところです。
SU9400の一番の売りはやはり10Wという消費電力の少なさで、ある程度の性能を実現していることですので、それらも踏まえ好感のもてるCPUだと思います。
◆ 液晶:輝度、視野角、発色の印象など
明るすぎず暗すぎずといったところでしょうか。デフォルトは明るさ最大になっておりましたが特に明るいなとは思いませんでした。不満はありません。
◆ キーボード:配列やキータッチ、タッチパッド
打鍵のしやすさはごく一般的なA4ノート程度。アイソレーションキーボードにした方が格好良くなりそうなデザインなのでその点が少し残念です。キー配置は少々違和感があるものの、慣れてしまえば特に問題なく思います。
◆ サウンド:音楽CDの印象や音割れの有無など
良くもなく悪くもなくです。
◆ 筐体:質感や強度、コネクタ配置
パームレストの質は熱を伝えにくそうなVostro1500のような合金を思い出させます。ツルツルしておらず、ザラザラもしていませんので手触りはわりと良いと思います。
筐体のデザインは13.3ノートにしては少々厚く感じます。
液晶は最大限に傾けても30度程度程度が限界です。
ただ最大限に液晶を傾けて当製品を遠くから見ると格好良く見えたりします。(勿論独断ですが)
◆ 排熱:筐体の温度
ここは例のintelの冷却機構が効いているのか、アイドル時は全く熱を感じません。ベンチマークやゲーム時もほとんど熱を持たず、掌をパームレストにじっくりかざして初めてほんの少しの暖かさを感じる程度です。
ちなみに裏面も暖かい程度で頭が下がります。
この点は非常に評価できます。
◆ 静粛性:光学ドライブ、冷却ファンなどのノイズ
光学ドライブは非搭載です。搭載して1.8kgならもっと良かった・・・
静粛性ですがこの製品はスイッチャブルグラフィックスにより、GMA4500MHDとMobility Radeon 4330に切り替えることができますのでそれぞれ記載します。
○GMA4500MHD
ファンは回らずHDDの回転音のみ。「サーッ」という音のみで非常に静かです。
負荷をかけると回りますが、耳に障らず加減されています。
○M Radeon4330
アイドル時も常にファンが回ります。しかしアイドル時はさほど耳に障りません。
ゲーム等の負荷をかけるとファンの回転が速くなり、少しファンノイズ音が気になります。
冷却機構のおかげで排熱はしっかりやっているんだろうなぁと独断で納得しておりましたが実際その判断は間違っておりました。詳細に関しましては後述致します。
◆ モバイル:軽さ、ACアダプタやバッテリーなど
頑丈そうな見た目と裏腹に10型のN10Jbとあまり重さに違いを感じません。
XPS M1330と同程度で1.8Kgなのでモバイルは許容範囲です。
それに加え、スイッチャブルグラフィックスにより、GMA4500MHDに切り替えることで8時間近く持ちます。さすが超低電圧CPUといったところです。
◆ その他
高負荷をかけても本体に熱をほとんど持ちませんが内部は・・・・
ファンタジーアースゼロを1時間プレイ後、GPU-Zで温度測定すると88度~93度を推移しておりました。「外部はほとんど熱を感じないのに内部はこんなに熱いのか!」と少し不安になります。
※ちなみにアイドル時は50度~60度の範囲でした
例のintelによる冷却機構というのは単純にユーザーに熱を感じさせないための配慮に過ぎないのか、それともAMDのGPUがコア内部で過剰に発熱しがちなのか(4330は消費電力7Wとかなり小食であることが後ほど調べてわかりましたが)、その点は私にはわかりませんが、熱暴走しないことを祈るばかりです。
ちなみにCPUは60度前半とCPUを酷使するゲームの割には妥当な値だと思いました。
◆Mobility Radeon 4330の実力
型番からローエンドクラスであることは明らかで、更に独立チップの4***シリーズでは最も性能が低い4330ですが、前世代のローエンドクラス 34** シリーズのSP数40から2倍の80と大幅な進化をしているため、予想以上のベンチ結果を出しました。
3DMark06では超低電圧版のCPUでありながら、2600をオーバーしたのは少し驚きました。
FFベンチではCPU重視でありながらCULVでハイスコア4000をオーバーしたため、GPUの性能がうまく生かされている気がします。
しかしやはり、ストⅣやバイオ5等、最新タイトルのベンチではスコアが伸び悩んでおり、設定を最低クラスにしないと普通に遊ぶには難しいでしょう。
総合的に判断すると軽めの3Dゲームであれば問題なくプレイできる性能はありそうです。
ベンチ結果から、Mobility Radeon 4330はデスクトップ版 Geforce7600GS 程度、モバイル版では8400MGT以上8600MGS未満の性能はあるように思います。3200と3450の性能差と同様、4330も4200に毛が生えた程度だろうと思っていましたが良い意味で裏切られました。
Core iシリーズのグラフィックス性能はかつてのintel製グラフィックスと比べ、大幅な性能向上となり、現時点ではモバイル版GPUのローエンドクラスに迫る性能を発揮するまでに至っているため、最近ではローエンドクラスの独立GPUを選択する意義が薄れつつある中で、ローエンドGPUの更なる躍進を期待したいところです。
◆ 総評
ファンタジーアースゼロはCPU性能を大きく要するため、設定を落とさなければ快適にプレイすることはできませんでした。
しかし当然ながらCPUがAtomであるN10Jbとは比べ物にならないほど、スムーズに動いてくれます。
体感的にXPS M1330と快適度は同程度です。
XPSの方はCPUがT8300とSU9400よりかなり高性能ですが、如何せんグラフィックスがvista付きの8400MGSだったのでそこがボトルネックになっていたのか4330の方が滑らかな感じがします。
そして何より、無線でファンタジーアースゼロが遅延なく快適に動作できるほどまでに進化していることに感動しました。
内部が異常発熱する点は非常に気掛かりですが、それ以外はスペックを納得したうえではコストパフォーマンスは非常に高く、大変良い買い物になりました。