Lenovo ThinkPad X100e

GPU
Radeon HD 3200
4月から追加されたデュアルコア版のX100eを入手いたしましたのでレビューしたいと思います。
購入した仕様は以下のとおりです

CPU:AMD Turion X2 Neo L625 (1.6GHz) L1 64KB×2 L2 512KB×2
Mem:DDR2 667 2GB×2
HDD:Seagate Momentus 5400.6 320GB(5400rpm) → Intel X25-M 80GB(G1)に交換
OS:Windows XP Professional 32bit (Windows7 Professional 32bitダウングレード)
LCD:11.6型 WXGA(1366×768)LEDバックライト+ミッドナイトブラック天板(無難に黒を選択)
GPU:AMD M780G (Mobility Radeon HD3200)
その他:日本語KB、30万画素Webカメラ、6セルバッテリ、 802.11b/g/nワイヤレスLAN

GW明けに注文し、約10日で届きました。
今回は上海の工場で生産されたものでした

【購入のきっかけ】
現在使用しているX61sが少々くたびれてきた(と言ってもまだまだ現役で使えます)ので代替のマシンとして購入しました
購入に当たりX100eの他にM11x、VAIO Z、T410s、X201sを候補として検討しました
最終的にX100eにした理由は以下のとおりです
・検討機種の中で最安(約8万でした)
・AMDプラットフォーム(特にデスクトップ機でも評判の良い780Gを踏襲したM780Gチップセット)のノートであり、IntelのCULVノートで不満のあったグラフィックス性能に満足出来そうだった
・コストダウンはされていますが、Thinkpadのアイデンティティ(キーボード、トラックポイントなど)はしっかりと受け継がれている
・業務用のアプリケーションはもちろん軽いゲームもこなせそうだったこと
・本命のデュアルコア版で迷う理由がなくなった

落選機種の結果
・VAIO Z
あのスペックをあのパッケージでまとめたことがSonyならではのこだわりであり、そのこだわりに共感できるならば確実にZを選んだ方が後悔はないでしょう。が、スペックを重視過ぎてPCとしての使い心地を見失っている点が気になります。特にキータッチフィーリングは先代のVAIO Zとほぼ一緒でしたが、やはりキーを押して離す時のフィーリングが良くない。Thinkpadはキーを押していく過程で深さによってストローク感を変え、キーを戻すときの反発力にも細やかなセッティングがされている様な印象で非常に心地よいのですが、Zは常に一定という感じで素っ気ないという感じでしょうか・・・まぁ、ソニスタで欲しい仕様(汎用SSD搭載用にi5 540MとHDD仕様)にすると20万近かったのでやめました。(キーボードに関して補足すると、アルミの一枚板で剛性も高そうなのに、このレベルのキータッチフィーリングしか実現できないのはハード的な設計というよりも、設計思想のレベルなのでしょう。マンマシンインターフェイスはあまり誉められた機種とは思えませんでした。)

・M11x
スペック上で最も最高のGPUを搭載しており価格も10万以下と魅力的でしたが、現物が田舎では置いていないためキータッチフィーリングがわからなかった事、やはりあの奇抜な筐体をモバイルするのは無理でした。あと、DELL独特のEnterより右側のキー配列(Homeなど)が慣れないと感じたので・・・

・X201s
特に不満となる要素はなかったのですが、この中で唯一のIntelオンボードというのが引っかかり購入対象から外しました。(ゲームを多用するわけではないのであまり重視するところではないのですが・・・)

・T410s
本命はT410sでしたが、Quadroと1.8インチSSD仕様(なかなか1.8インチのSSDは売ってないんですよね)にするとやはり高額だったことと、USB3.0が発表された時期に10万円以上も出してUSB2.0機種を買うのに抵抗があったので、ボツに(USB3.0の T4x0sが出れば購入するつもりです)

◆処理速度等について
Turion X2 Neo L625(1.6GHz)は性能としてはIntelのSU2300とSU9400の間ぐらいの性能なのでM11xのSU7300とほぼ同じぐらいでしょうか
ワープロ等の事務作業は当たり前ですが全く支障なく動作します。
1080p動画もMobility Radeon HD3200に搭載されている動画再生支援機能で全く支障なく再生できます(CPU使用率は約5割程度でした)。
支援機能が現時点ではサポートされていないウェブブラウザでの再生は720pまでは問題なく再生できますが、1080p再生はどうしてもカクつきがありますので、Flash10.1の正式リリースが待ち遠しいですね。(X61sでは1080pがCPU使用率ほぼ100%で辛うじてスムーズな再生が出来ています)
ゲームに関してはベンチスコア通りで、オンボードでも強力なHD3200のおかげで軽いゲームなら十分こなせそうです。ただ、DX10対応のゲームをプレイするには力不足すぎますが・・・

標準の Seagate製の320GB(5400rpm)からIntel X25-M(G1)に換装したためHDDのスコアは高くなっています。交換はリアのカバーを外して交換するだけなので非常に簡単です。低価格でもThinkpadのアイデンティティを実感できました。

◆液晶:輝度、視野角、発色の印象など
ノングレア液晶なので映りこみの心配は不要ですし、LEDバックライトは従来のCCFLよりも明らかに明るいです。まぶしすぎるので大抵半分ぐらいの輝度にしています。液晶もビジネス向けでは十分すぎる視覚野と輝度を確保していると言えます。普通に視聴するレベルであれば当方は特に気になりませんでした。

◆キーボード:配列やキータッチ、タッチパッド
従来のThinkpadとは異なる6列のアイソレーションキーボードです。正直一番心配していた部分ですが、店頭でキータッチフィーリングを試したところ、心配は杞憂に終わりました。十分なストローク(約2mm)とキーピッチ(約18.5mm)は必要にして十分でCULVノートとしては合格点です。一番心配していたキータッチフィーリングは従来のThinkpadよりも軽い感じでちょっと劣るかもしれませんが、この価格帯としては剛性感もあり心地よいキータイピングが出来ます。6列にしたことによる弊害(特にDeleteキーの位置)もありますが、これは慣れでしょう。(よくよく考えれば7列キーボードと配置場所は同じですしね)トラックポイントになれた身としてはタッチパッドが不要なのでカスタマイズで非搭載の選択もできるようにしておいてもらえるとより良いと感じました。ただ、東芝のRX1のようなツライチ仕様ではないのでタッチパッドに故意に触れてしまうことはないですし、タッチパッドのみを無効にもできるので、特に支障はありません。
キーボードに関しては価格を考慮しなくても十分Thinkpadを名乗れる出来でしょう。
細かい評価点としてはPgUpとPgDnキーが小型化され若干低く設置されていることで誤って押すことがなくなったことです。X61sではこの部分にあった「進む」と「戻る」キーを誤って押してしまい、せっかく書いた文章が消えてしまうなど何度も痛い目にあってきた苦い経験があります。その点が改善されているのは評価できます。
ただ、NumLockキーやScrollLockキーがありませんので注意が必要です。(当方の場合、使うケースはないので特に問題はありませんが)

◆サウンド:音楽CDの印象や音割れの有無など
本体手前の背面部にステレオスピーカーが搭載されています。 X201sでは搭載されていないので、これも購入の決め手だったりします。内蔵SPとしては合格点ではないでしょうか。
内蔵SPで物足りなければ BluetoothによるA2DPプロファイルで外部SPに無線で接続できるのもポイントが高いです。

◆筐体:質感や強度
RollCage や炭素繊維強化プラスチックなど軽量で強度を維持できる高コスト部品は採用しておらず、筐体は確かに安っぽいプラスチック製ですが、全く強度的に不安を感じさせない筐体です。むしろX61sよりも強度、剛性感ともに高い印象です。パームレスト部分を片手で持ってもまったくボディがねじれたりする印象がないですし、液晶部分も全くヤワさを感じさせません。キーボード部分もキーを押すと周りが沈み込むことも無く、剛性感の高さを感じられます。その分重量は若干犠牲になっていますが、この価格帯でこの強度と剛性感を実現しているのは立派だと思います。

◆排熱&静粛性:筐体の温度・ファン音など
通常のアイドル時や低負荷時には静かな音ですが、若干高音ノイズが気になる程度です。ワットチェッカーで測定したところアイドル時では約 15W前後(最低13W)とX61sと比べると半分程度の消費電力です。ただ、高負荷をかけると急にファンが高速で回りだして高音ノイズが出だすので Thinkpadに似合わない下品な印象を受けます。(-5点)数秒経てば徐々に静かにはなりますが、少なくともファン音についてはX61sやW700の方が静かで低ノイズです。それでもCULVノートとしては静かな部類だと思います。高負荷時(3dmark06)は35W前後(最大39W)で、X61sの同条件と比べると2/3の消費電力に落ち着いています。Youtubeの720p動画を再生させたときは約30Wでした。TDPが18WとIntelのULVデュアルコアCPUと比べると1.8倍ですが、実際の消費電力にそれほど差はないと考えられます。ワットあたりのパフォーマンスを強調するAMDらしさが出ている感じです。
筐体温度は高負荷状態だと背面が低温やけどしそうな温度になります。左側パームレストがほんのり暖かくなる程度なので、使用に支障はなさそうです。

◆モバイル:軽さ、ACアダプタやバッテリーなど
X61sと同じ65WのACアダプタでした。実消費電力が 40W以下なのでもう少し小型化出来そうな気もします。バッテリーは6セルなので若干の出っ張りがありますが、通常の11.6型ケースに収納するうえで特に支障はありませんでした。1.5kgなので持ち運びは問題なくできます。ただ、欲をいえばもう少し軽量化(6セルでも1kg前半)して欲しかったというのが本音です。(軽量の素材を使えないので仕方ないですが)

◆装備インターフェイス
非常にシンプルで素っ気無いですが実用的です。USB2.0端子が右側に1つと左側に2つで計3つ、ギガビットLAN、マイク・ヘッドホン兼用ジャック、SD・MSのマルチカードスロット、D- Subコネクタのみです。X61sと比べればかなりシンプルになったなという印象ですが、必要なものはすべて揃っていますので全く不便を感じません。
Bluetooth や802.11n対応の無線LANも装着していますし、グローバル販売しているモデルなので日本にはない3Gオプション用のSIMカードや通信用の MiniPCIカードを装着できるスロットがそのまま付いています。ですので対応する3GやWiMaxといったモジュールを手に入れてしまえば、ワイヤレスWANも使用出来そうです。(実際に搭載されている方のレポートも出ていますね)
ただ、その反面でいただけないのは各種ランプを省略化しすぎていることです。電源ランプと手前にバッテリランプ、スリープランプしかありません。一応ソフトウェア側で有効にさせた場合に画面表示されますが、少なくともHDDやメモリーカードのアクセスランプは欲しかったと思います。(-5点)ちゃんと動いているのかどうか非常に気になりますので、次期モデルでは改善して欲しい点です

◆総評
デュアルコア版のX100eはパフォーマンス的に全く不満のない出来です。発売して時期が間もないので若干ご祝儀価格ではありますが、所有欲を満たしてくれます。Thinkpadの低価格路線は本当に大丈夫かと心配しましたが、杞憂に終わったようです。ちゃんと Thinkpadのアイデンティティは受け継いでいました。しかしそれだけに終わらず、既存の搭載技術をそのまま踏襲するだけでなく、さらにそれらを煮詰めて必要な機能の絞り込みを行い、より使いやすさを向上させているのはThinkpadのこだわりが垣間見えます。最近になって最新世代のM880Gが発表されましたので、このX100eもそのうちアップデートされると思いますが、それほど大差はなさそうなので、今購入してよかったと思います。X100e もまだ発展途上だと思いますので、今後もより良い方向に改善されていくことを期待しています。

・ここからは余談です
製品は満足できるものでしたが、W700をレビューしたときも指摘したように、システム部分の細やかな気遣いにあまり改善が無いのが残念です。
Lenovo の公式通販は、航空便の輸送コンテナレベルでリアルタイムの配送状況を教えてくれるものの、成田で税関をパスした所までしかわからないのです・・・
一応メールで国内に入ってきたことは通知してくれますが、国内の輸送状況がリアルタイムで確認できませんので不安になります
製品には関係ないというものの、是非改善して欲しいですね

注:このレビューはConeco.netでもほぼ同内容にてレビューしております。