アップル MacBook Air MC505J/A

評価
GPUGeForce 320M
CPUCore 2 Duo
DRAM4 GB
OSOS X
投稿者S.W.
2010-11-12 03:10:00
◆ 購入のきっかけや価格
以前からiPhoneアプリ開発に興味があり、手頃なMacBook Pro 13inchを導入しようかとも考えたのですが、メインとして使っているXPS M1530も7 64bit化していてまだまだ使えますし、どうせならもう少し待って独立GPUを積んでいる15inchのMacBook Proの次期か次々期モデルを購入してデュアルブートを導入し1台にまとめよう、と考えていました。
そこに11インチのMacBook Airが発表され、手頃な価格、光学ドライブも無ければストレージ容量も64(128)GBとメインマシンとは成り得ませんが、サブ兼モバイルとして非常に魅力的なものに見えました。
13inchのMacBook Proはもう少しいけばメインとして使えそうなものだけに上記理由から購入を渋っていたのですが、今回のMBAは全然メインには成れないことが逆に買いたくなる理由となったようです。

発表日から3日程考え、10万円に収まる範囲で64GBモデルのメインメモリを4GBに変更して注文しました。

◆ 体感速度の変化
レビューサイトにも書かれているようにSSDの威力はかなりなもので、起動時間は15秒、スリープからの復帰は2-3秒です。長時間閉じた状態で放置した場合にはスタンバイモードに移行するようなので画面表示上の復帰が3秒、実際にマウスカーソルが動くようになるまでが5-6秒といった具合ですね。いずれの場合も十分高速で使いたいときにサッと使えます。
画面上の動作の快適さについてはそれなりに強力なGeforce 320Mが搭載されているだけあり、滑らかに動きます。(上記のスタンバイ状態ではメインメモリの内容がSSDに書き出されているようで、復帰後にはある操作の最初はわずかにカクつきます。)320Mは3DMark06で4000近くのスコアが出るらしく、(実行解像度は違うでしょうが、)メインのXPS M1530と数値上ほぼ同じという事からはGPUの確実な進歩が窺えます。

◆ 液晶:輝度、視野角、発色の印象など
液晶輝度はLEDバックライトが採用されているためか十分明るく、スリープからの復帰時にも即座に明るく見えます。デフォルトから数段階落としても全然実用的なレベルなためバッテリーのためにその状態で運用中です。
視野角は横方向はそれなり、縦方向はあまり広くないようです。MBAはモバイル機で机の上であったり膝の上であったり様々な高さで使用するので、個人的には縦の視野角の方が欲しかったですね。
ディスプレイのベゼルはもう少し狭く、つまりディスプレイサイズをがもう少し大きければ良かったと思います。

◆ キーボード:配列やキータッチ、タッチパッド
キーボードはApple社が拘っているだけはあり通常の大きさが確保されており、文章やソースを打つ事に苦は感じません。ストロークが若干浅いことはありますが適度な堅さがあるため打ち応えはあります。
配列はMacなので少しWin機とは違いますが、一般的な話題としてEnterキーが最も右にあるというのは重要だと改めて気づかされました。最近はEnterの右にキーが配置されているパターンが多く慣れてしまってましたが。
トラックパッドは他社ノートとは一線を画し、広大なので非常に使いやすいです。またマルチタッチがMac OS XのExposeやモーメンタムスクロールを非常に使いやすいものとしています。ただわずかに感度が悪いのが気になります。
実用的なトラックパッドですが、やはりマウスの使いやすさには勝てないですね。

◆ サウンド:音楽CDの印象や音割れの有無など
デザイン上スピーカーの存在を意識させないようになっていますが、割と大きな音が鳴らせます。音質も悪くはないはずです。

◆ 筐体:質感や強度、コネクタ配置
筐体の質感については言わずもがな、ユニボディのおかげでパームレストの一端を掴んで持ち上げたりしても歪みを全く感じさせず、強度面でも安心そうです。
XPS M1530の上に置いてみると大きさが段違いです。画面サイズの違いが最大要因であることは間違いないですが、次点としては光学ドライブが無い事やLEDバックライトの採用等でしょうか。

◆ 排熱:筐体の温度
廃熱は初代MBAでは結構な問題になっていたようですが本機は全く問題ありません。
iStat Pro Widgetで各コンポーネントの温度が表示されますが、CPUが40度近く、他は30度近くです。文字を打っているような低負荷状態ではどの部分を触っても冷たいと感じます。高負荷時にはCPU温度が70度近くになりヒンジ部周りは温かくなりますがパームレストは少ししか熱を持ちません。

◆ 静粛性:光学ドライブ、冷却ファンなどのノイズ
静粛性も問題ありません。普段はほとんどファン音は聞き取れません。

◆ モバイル:軽さ、ACアダプタやバッテリーなど
軽さは1kgという定量的なデータ以上に語る事は無いでしょう。筐体が薄いためカバンの出し入れは手軽です。ACアダプタ自体は小型で扱いやすいですが、アダプタ-コンセント間のケーブルが結構太いためあまり素直に曲がってくれません。
バッテリー駆動時間はかなり優秀です。Skypeをバックグラウンドに起動してウェブブラウジング、iPhoneアプリ開発でのXcode、iPhoneシミュレーターの使用を主としてざっと計測してみましたが5時間ぴったり耐えました。この様子から文章編集、軽いウェブブラウジングだけなら公称スペックすら超えそうな勢いです。

◆ その他
Mac OS Xは自分用としてしっかり使うのは初ですが、使いやすいですね。狭い縦の解像度を広く使うためにDockを自動で隠す設定にして、アプリケーションのウインドウを最大化表示させて使用しているのですが、最大化にしても画面下部4pix程は空きがありその領域にカーソルを持っていくと初めて隠されたDockが表示されるようになっています。このことからカーソルがアプリウインドウ内にある内には絶対にDockが出てきて邪魔をするようなことがありません。iPhoneもですが、こういった細かい点にAppleのこだわりを感じます。
ただフリーソフトの数ではWindowsに比べて圧倒的に不利ですやはり。Appleは細かい点に拘るあまり最近は排他的になりすぎているため、程々にやってほしいと思います。そういう観点では時期OS X LionのMac版AppStoreには不安も感じます。

◆ 総評
値段もSSD / CULVにしては手頃、画面解像度も問題なし、SSDのおかげでサクサク動き快適、バッテリーも優秀と、相当バランス良く出来上がっているモデルです。
メインマシンとしてはおすすめ出来ませんが、私のようにMac入門機としてはかなりいいと思います。