ASUS EeePC 1215B

評価
GPURadeon HD 6310
CPUE-Series
DRAM2 GB
OSWin7 x64
投稿者shoota
2011-05-19 01:10:50
日本発売も遅れているようなので、台湾版ですがASUS 1215Bのレビューを投稿させていただきます。

端末ハード自体は台湾で販売されている1215B(台湾繁体字・注音キーボード、黒色)です。
ただしMSDN OSでWindows 7 Home Premium x64 日本語版をクリーンインストールし、
ASUSサイトの日本版ドライバを適用、自分にとっての必須ソフト、
iTunes、Windows Live Essentials、Microsoft Security Essentials等
いくつかの常駐ソフトをインストールしました。

各ベンチマークは、ウイルスソフトを除く常駐ソフトを極力落とした状態で測定しています。


◆ 購入のきっかけや価格

ベッドサイドのWeb閲覧用機として、iPad(初代)を便利に買っていたのですが、
Flashサイトが見えない、MP3ライブラリの編集ができないなど、
ちょっとした作業ができないことをやや不満に感じており、
久しぶりにノートPCを買ってみました。

今回ノートPC選定の要件は、
 ・小ぶりで、軽量(1kg前後)であること
 ・液晶は光沢(動画見栄え重視)、縦600ピクセルは却下
 ・HDMI出力があること
 ・普通の使い方でバッテリが4時間以上持つこと
ただ、信教上の理由でAMD一択だった、というのも大きいですが(笑)。

GWに台湾旅行をしていたのですが、
台湾市民の日本震災支援に感謝し、台湾経済に貢献するためにも、
AcerかASUSかmsiのE-350ノートを買おうかと考え、
店頭とWebでいろいろ見た結果、この機種を衝動買いしてきました。

購入した個体は、光華商場近くの家電チェーン店「燦坤」で
ショーケースに入っていた展示機を出してもらって買ったものです。
ASUSを扱ういくつかの店を回りましたが、現地でもこの1215Bは品薄のようでした。
(台湾のフォーラムでも、もう売っているの?どこで買った?などのやりとりが見られた)

ちなみに購入日は5月7日、`
定価が19,988台湾ドル(内税)のところを、燦坤会員価格15,999台湾ドル(内税)で購入。
(燦坤の会員カードは持ってなかったけど、ねだって会員価格適用にしてもらった)
ちなみにクレジットカードで買ったので、日本のカード会社側の課金金額は45,552円でした。


◆ 体感速度の変化

iPadと比較してもアレですので、会社で利用中のLenovo ThinkPad X201と比較すると、
動作は、ややもっさりしています。が、遅いとまでの印象はなく、全然許容範囲です。
メモリを4GBに増やせば、ちょっと改善するかもしれませんが。


◆ 液晶:輝度、視野角、発色の印象など

LEDバックライトの12.1型液晶ですが、新品でもあり輝度は十分。
光沢液晶で、映り込みレベルは標準的といったところでしょうか。
上下方向の(色変化しない)視野角も狭めで標準的。価格なりか。


◆ キーボード:配列やキータッチ、タッチパッド

この個体のキーボードは台湾配列ではありますが、
BackSpaceキーの右にHomeキーなどが1列あり、
よくタイプミスしてイライラします(笑)。

そしてタッチパッド(Synaptics製)が、この機種最大の弱点でして、
プラスチックのパームレストと一体成形になっています。

このパームレストのプラスチックがよく帯電するようで、
しょっちゅうカーソルが動かなくなります。
タッチパッド付近を覆うように1秒間手のひらを置けばしばらくは復活するのですが。

仕事で常用するには、マウスが必須かもしれません。
幸いBluetoothは内蔵、USBも両サイドにあるので対策はできます。


◆ サウンド:音楽CDの印象や音割れの有無など

本体底面前方にスピーカーがありますが、音楽を楽しむにはちょっと厳しいです。
音は軽く、こもり感があります。

ちなみに、内蔵スピーカーのMAXボリュームはそんなに大きくないので、
めいっぱいに上げても音割れはしない感じです。


◆ 筐体:質感や強度、コネクタ配置

天板はマットな質感。黒いので、指の脂がつくとちょっとテカるのが気になるものの、
畳んだときに安っぽくはなくて個人的には好きです。
(天板のASUSロゴは好き嫌いあるかもしれませんが)
開いた印象も、プラスチックの光沢をうまく使っていて健闘してます。
底板はプラスチッキーでちょっと安っぽいです。

筺体の強度感は、可もなく不可もなくといった感じでしょうか。
この大きさとしては軽量なので、ぎっしり感がない分、ボディの強度不足感もありません。

上蓋はラッチレスですが、片手で開こうとすると、本体ごと浮き上がります。惜しい。

コネクタは側面に集中しており、前面・背面にはありません。
 ・左側面(手前から) カードスロット(SDHC/MMC)、排気口、USB(2.0)、HDMI、D-sub VGA
 ・右側面(手前から) ヘッドフォン、マイクロフォン、USB(2.0)、USB(3.0)、有線LAN(10/100 Atheros製)、ケンジントンロック穴

なお液晶上中央にはWebカメラ(30万画素 製)とデジタルマイクがあります。
カメラ部に手動シャッターが付いているのは気が効いてますが、画質は最低限です。

無線は802.11b/g/n(Broadcom製)、Bluetooth 3.0(Broadcom製)を搭載しています。


◆ 排熱:筐体の温度

左側面から排熱しており、ベンチマークを走らせても、
キーボードやタッチパッドが不快なほど熱くなることはないようです。
さすがE-350。


◆ 静粛性:光学ドライブ、冷却ファンなどのノイズ

光学ドライブは内蔵していません。

冷却ファンは常に回っている印象ですが、幸い音が静かで、あまり気になりません。
高負荷時も、ファンノイズの質が明らかに変わる感じはありません。好印象。
良いファンを使っているのか、低発熱だからなのかはわかりませんが。


◆ モバイル:軽さ、ACアダプタやバッテリーなど

本体1.46kg、常時持ち歩くには重いが、たまの携行なら苦にならないかな、といった感触です。
自分的には、海外旅行などの荷物を減らしたいシーンで、ぎりぎり合格、といった重さです。

付属のACアダプタ(DELTA製)は、小型軽量でケーブルが太すぎることもなく、なかなかいいです。
(入力100~240V、1.2A、出力19V、2.1A)
ボックス部には青色LEDの通電インジケータ付き。
給電コネクタは、ASUS独自形式ということはないでしょうが、
日本メーカーのノートPCでは見たことがない、とても径の小さいコネクタピンなので、
他社製品の流用はできないでしょう。

バッテリは、カタログでは6セル、57W/h、8時間駆動をうたっています。
バッテリ駆動時間のベンチは測っていませんが、
YoutubeをテレビにHDMI出力しながら3時間以上はしっかり持つ印象だったので、
まあそこそこではないでしょうか。


◆ その他

日本版と同じかはわかりませんが、台湾版の外箱パッケージは
ECO仕様のクラフト紙ベースで、緩衝材がほぼなかったりと合理的、
また箱自体のサイズもとても小さいです。
ジャストフィットのネオプレン系PCケースが同梱されているのは好感。

なお、台湾版ではMS Office 2010 Starterがプリインストールでした。
OSごと入れなおしたので消えたけど。
日本版はKingsoft Officeにグレードダウンなんですよねー。


◆ 総評

ずばり、「小さめのノートがほしいけど、Atomでは動画サイトが…」という層に、
最適なノートではないでしょうか。
性能としては、ネットブックとCULVノートの、ちょうど間に位置するような印象です。
日本販売予価が5万円弱と、マーケティングの落とし子のような位置にハマるようなので、
ちょうどお手頃と感じるか、もうちょっとお金積んでCULVがいいと感じるか、
人によって評価が分かれるかもしれませんね。

個人的な総合評価は、
「この価格ではなかなかいいんじゃない?」と4つ星をつけたいところですが、
タッチパッドのストレスが無視できないため、3つ星あたりでしょうか。