マウスコンピューター LuvBook LB-K810S

評価
GPUGeForce GT 650M
CPUCore i7
DRAM8 GB
OSWin7 x64
投稿者時をかける少年
2012-07-14 21:53:49
◆ 購入のきっかけや価格
蹴茶さんにはご無沙汰してます。実は,元々,3年余を経過したデスクトップPC(Core2,XP)をそろそろIvyBridgeベースのシステムに更新しようとBTOに特注加えてショップに注文したところ,特注があだになったか納期が2週間後と言われてしまったので,待ちきれなくなり,ついでだからノートも新調しようかと取り急ぎお安いショップものを購入した次第です。マウスコンピュータで79800円。なぜかこの時期仕事が忙しくて時間がとれず,購入後1週間あまりでようやく基本的なセットアップとベンチ等の検証が一段落したので,レポートいたします。前回同様,長文にて失礼します。

◆ 体感速度の変化
約2年前にドスパラで偶然にも同価格で購入したGalleria DXG(第一世代Core i3 2.26GHz,4GB DDR3, GeForce GT330M,Windows7 HomePremium32bit)との比較になりますが,日常的な体感速度はあまり変わりません。ストレージがスタンダードな5400rpmのHDDと同じであるため,まあそんなものかと。ただ,64bitOSのせいか,メモリ容量の大きいせいかは不明ですが,画像を多く貼り付けた100MB以上のExcelファイルを開くのが圧倒的に早くなりました(そんな点は,蹴茶に集う人々にとってはどうでもいいことかな。)。
さて,問題は3D性能ですが,驚きました。GT330Mとはとうてい比較にならないパフォーマンスです。この価格で,一応ゲームもできるよ的にしか期待していませんでしたが,いい意味で裏切られました(詳しくはベンチ結果をご覧ください。)。IvyBridge+Keplerのコンビネーションは,廉価帯のモデルとはいえたいしたものだと感心しました。
今となっては古めになってしまったバイオハザード5なら,FullHDで平均65FPS近く出るので,バイオだけならデスクトップ不要って感じです。
さすがにFull HDであらゆるゲームをしようと考えるのはムリムリですが,15.6型という比較的小さなディスプレイを奇貨とし,なにげに解像度をHDレベルに落とせば感覚的な描画品質をあまり落とすことなく(少なくともPS3よりはきれいに見えます),新しいゲームでも十分快適に動作させられます。これはお得w。
内蔵のGT650Mはオプティマス対応で,描画負荷に応じ自動でCPU内蔵のIntelHD4000と切り替わります。今のところ,自動切替でのトラブル(負荷の高いゲームをしているのに,統合GPUのままパフォーマンスが出ないなど)はありません。
このモデルは,手動でオプティマスのオン・オフを切り替えるスイッチがついていて,どちらが動作しているのかもインジケータでわかるようになっており,視覚的にも楽しめます。ただ,オプティマスをオフにすると,統合型GPUでのみで動作する仕様になっており,GT650Mオンリーにはできません。オプティマスオフモードは,「さあ夏だ。ゲームを我慢して節電だ」「今は仕事,仕事。エクセルとワードしか使わないぞ」という時向きでしょうか。

◆ 液晶:輝度、視野角、発色の印象など
2年前のGalleriaの時にも思ったのですが,ショップものの比較的廉価なモデルでも意外に高品質といえます。LEDバックライトで輝度も視覚上全く均一に見え,光沢液晶特有の発色の良さが生きています。動画はふつうにきれい。厳密に測定したわけではありませんが,視野角も日常使用前提では問題なし。文句ありません。映り込みの低減などに関しては昔から進歩していないという印象ですが,まあ,これは仕方ないかな。
あと,15.6型のFull HDという点で,高精細なのはいいのだけれど,フォントなどが小ささすぎて見にくいのではと危惧していたのですが,高解像度で鮮明な分不思議に見にくくはなく,ほっとしています。

◆ キーボード:配列やキータッチ、タッチパッド
アイソレート型というのでしょうか,キーが一つ一つ独立したような体裁のもので,キーピッチが従来型と微妙に違う感じがして,慣れるまで多少打ちにくいかなと思います。最近のはやりか,相も変わらずテンキーがついているので,基本のキーが左にずれていて,やはりこれも打ちにくい。
キーストロークは浅めで,キータッチも悪くありません。軽いタッチがお好みの方には好印象かと。ただし,自分はばんばんたたくタイプなので,かつてのThinkPadのような堅牢度の高いタイプが好きなのですが,これは無い物ねだりか。
タッチパッドは無効にしてますのでノーコメントです。

◆ サウンド:音楽CDの印象や音割れの有無など
内蔵スピーカから出る音に関しては,言うまでもなく最低レベル。聞くだけ野暮です。
ヘッドフォンでポップス等多少聴き込んでみると,ノイズも感じず,従来のモデルよりボーカルなどが柔らかめで上品な印象を受けました。オーディオチップがVIA製で珍しいなと少し調べたら,サンプリングレートとビットが192KHz, 24bitまで対応となっており,デフォルトで48KHz,24bitになってました。サンプリング周波数はともかく,24bitが音質に多少なりともいい影響を与えているのかもしれません。据え置き予定なら外部スピカを接続するのも一つの楽しみ方でしょう。

◆ 筐体:質感や強度、コネクタ配置
筐体の質感は価格相応で,特に可もなく,不可もなく。ただ,液晶の裏面がいわゆるピアノブラックで妙にぴかぴか高級感を出そうとしている意図がありありなのですが,逆に安っぽいし,指の跡がつきやすく,かえって迷惑です。
液晶のヒンジの堅さは適度で,途中でもぴたっと止まりますし,その他強度的に特に気になるところはありません。
最近のノートは皆そうなので,文句を言う気もなくなりましたが,USBが左右側面の手前側にしかなく,USBマウスが使いづらくて閉口します。極小レシーバ付きのワイヤレスマウスにでもした方がいいのかなと感じてます。

◆ 排熱:筐体の温度
統合GPU動作時はタッチパッドのあたりに多少熱を持つ程度で,問題なしです。ゲーム時には,排熱口のある左側面の周辺,キーボード左側,左パームレストあたりがかなり熱くなります。筐体の容量からも熱処理の限度があるし,致し方ないとは思います。
ただ,ファンの風量は結構あるようで,排熱にはある程度配慮もされているようです。

◆ 静粛性:光学ドライブ、冷却ファンなどのノイズ
光学ドライブのノイズについては,普通ですね。静かではないですが並はずれてうるさいわけでもありません。
アイドル時ないし低負荷時は,排気口からゆるく風が出ているか出ていないかという程度のため,ファンノイズはほとんどありません。驚くほど静かです。しかし,GT650Mとi7 3610QMがフルに活動するようになると事態は一変します。ドライヤーに準じたくらいの騒音で,どうひいき目にみてもうるさいと感じるレベル。しかも,高速にファンが回り始めてからさらにもう一段階回転がアップする場面があるようで,泣きっ面に蜂状態に陥る時も。まあ,前記のとおりの一定の風量を確保するため,トレードオフなのでしょう。

◆ モバイル:軽さ、ACアダプタやバッテリーなど
本体の大きさ,重さは普通の15.6型ノートなので,持ち運ぼうと思えばできないこともありませんが,部屋から部屋への移動の時くらいで,外出時に持って行く気はありません。
ACアダプタはでかいです。120Wアダプタで,お徳用厚揚げ一丁分の大きさ。しかも重い(このモデルを買って帰った時にやけに重く感じたのはこいつのせいでした。)。
いくらワットパフォーマンスに優れていると言っても,クアッドコアCPUに384シェーダーのGPUがフル稼働する場面を考えれば,このくらい高出力のアダプタが必要なのもうなずけます。

◆ 総評
自分は,やはり引き続きメインがデスクトップで,ノートはサブ扱いなのですが,今時のノートならこのくらいで十分だなと感じさせてくれるモデルです。上記のとおり,長所短所はあるのですが,性能面から言ったら確実にコスパの高いモデルですね。