2007年春 非光沢の廉価GPUモデル WinBook DN7020

2007-6-14 SDカードスロットの写真、Sandraベンチの写真を追加

ソーテックさんからお借りすることができたので、早速レビュー。
非光沢で3Dな「WinBook DN7020」の実力はいかに。

ao.gif さらに珍しくなった非光沢液晶モデル

昨年はdynabook AW6(非光沢)が貴重な非光沢液晶モデルとして支持を集めていましたが、いまはそのAW6も廃版となり、単体GPU搭載で非光沢を持つのはThinkPad Tなど、一部モデルのみとなっています。

そんな2007年春ですが、穴馬ともいえる非光沢モデルがこのWinBook DN7020。

非光沢で、MobilityRadeon X1600、WSXGA+の液晶を持つ珍しい存在です。

dn7020_11.jpg dn7020_13.jpg

 → http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0115/sotec.htm
 ⇒ WinBook DN7020 

GPU
CPU
チップセット
メモリー
HDD
液晶
光学ドライブ
質量

MobilityRadeon X1600 (256MB)
Core 2 Duo T5500 (1.66Ghz)
Intel 945PM
DDR2 1GB
Western Digital WD800BEVS
15.4型 WSXGA+ 非光沢
松下 DVD-RAM UJ-850S
2.8kg

 → Sandra9によるシステム情報

 

ao.gif 筐体の質感

ごくごく普通のプラスチック筐体。最近は凝ったプラスチック筐体も多いので、DN7020の飾り気のないプラスチックはレトロ感さえ漂います。天板は以前持っていたSamsung P10に似ています。

dn7020_32.jpg dn7020_31.jpg

裏面には「Subwoofer」と書かれた穴が中央にどーんとありますが、中からのぞくとあまりスピーカー構造らしきものも見えないので、過度の期待は禁物です。

dn7020_20.jpg dn7020_27.jpg 内部はこのように

dn7020_30.jpg dn7020_29.jpg 右がCPUかな

dn7020_45.jpg dn7020_46.jpg dn7020_47.jpg

HDDコネクタ HDDのコネクタ

 

ao.gif 音質

Subwooferと書かれた穴がついていますが、付いていないような音です。
あまり期待せぬよう。dynabookについているharman/kardonにはとても及びません。

dn7020_26.jpg

 

ao.gif キーボード

Enter右にキーが配置されているタイプで、PageUP、PageDown、HOMEキーは独立。EndキーのみFn連動です。たわみはないですが、タッチはやや固めで最初引っかかりがあります。ガシガシ打つ人にはいいかもしれませんが、蹴茶はどちらかというとソフトなキーが好みなので、ちと相容れないタッチです。
タッチパッドのボタンは小さく、押し心地もいまいち。

dn7020_12.jpg

 

ao.gif 各ポート類の配置

ポート類は最低限のものは揃っていますが、及第点でしょうか。USBが排気口から離れた位置に4つあるのは評価できますが、ペアのUSBがくっつきすぎです。おそらく片方にUSBメモリを挿すと、隣接するUSBポートは使えなくなりそうです。

注意点として、アナログミニSub15ピンがなく、代わりにDVIポートが存在します。家で外部ディスプレイに繋ぐ人には、DVIの方がむしろ都合が良さそうです。逆に会社の古いプロジェクターなどで、DVIが使えない環境では不便な仕様となります。要注意。

dn7020_25.jpg 正面

dn7020_24.jpg 背面

dn7020_23.jpg 右側面

dn7020_22.jpg 左側面 DVIがあるのは珍しい

dn7020_44.jpg PCカードスロットはダミー式

 

ao.gif 液晶

長所でもありネックでもある非光沢液晶。この価格でWSXGA+なのは貴重な存在です。

ただ、ファーストインプレションは発色がやや悪く、視野角が狭い。決していい方ではありません。輝度だけは非常に高く、この点は良いのですが、通常は輝度設定を下げて使ったほうが良いでしょう。

1時間ほど使い続けていると、それなりに良く見えてきます。デスクトップ画面やオフィスアプリは問題ないかな。ただ、暗いシーン、例えば蹴茶が遭遇したのはファンタジーアースのゲブランド帝国首都。

dn7020_36.jpg 夜になると非常に暗いゲブランド帝国首都

こういったシーンでは、暗部のコントラストがハッキリせず、黒く潰れてしまいます。視野角が狭いため、真っ正面から見ないとかなり見にくくなります。いつでもどこでも真っ正面から見るというのは、そこそこストレスなので、この点をどう考えるかで評価が変わるかと思います。

Catalystコントロールパネルでガンマ値を上げると、多少見やすくなりますが、今度は明るいシーンやデスクトップに戻った時に明るすぎるのが困りものです。

dn7020_14.jpg

 

正面

発色がやや悪い。

 

 

 

dn7020_16.jpg

 

横から

視野角は狭く、目に見えて色が変わります。

 

 

 

dn7020_15.jpg

 

上から

こちらも同様。色が大きく変わるのではなく、かすんだようになってしまいます。

輝度調査(簡易的なものです)
 非常に高い輝度を持ちます。

 あまりに高いので、Inspiron 9400を計り直してみましたが、こちらは以前と同じ程度の値が出ました。
 無光沢なのでスコアほど輝度差を感じませんが、確かに輝度が高いようです。
 凝視する使い方では目が痛いので、蹴茶は設定を下げて使用しています。

 

起動直後

15分後

1時間後

部位

82

96

90

88

104

86

88

89

93

94

105

97

96

116

95

99

100

97

95

105

95

94

115

95

94

101

96

参考:他の機種では

 

Lesance CL706

Inspiron 9400

Pavilion dv6200

dynabook AW6

dynabook TXW

デル 2405 FPW

部位

56

60

58

58

56

60

78

73

87

48

50

48

52

52

50

68

67

65

51

56

53

54

62

54

58

56

58

41

45

45

49

53

51

66

65

70

45

48

45

56

60

56

60

63

61

214

216

199

217

224

206

193

207

186

平均

65.1

55.6

55.8

53.9

54.9

206.9

 

ao.gif 静粛性

静粛性はうるさい方といえます。
起動直後は比較的静かですが、しばらくアイドルで放置しておくと熱がこもり、70dBAまではいきませんが、サー音が聞こえるようになります(約53dBA)。FF11ベンチを回し負荷をかけると70dBAを超え、かなり大きい音になります。

dn7020_17.jpg

 

ao.gif カードリーダー

dn7020_48.jpg

 

密かに仕様、速度で大きく差の出るカードスロット。

SDカードスロットは、旧来のSDのみでSDHCは読めませんでした。
しかしノーマルのSDカード読み取りは内蔵ドライブとしては非常に速い。

capture_09052007_005141.gif

 

ao.gif プリインストールソフト

以下のソフトが確認されました。
 JWord
 Yahoo!ツールバー
 MacAfee
 ISP勧誘系 BIGLOBE、ODN
 ebi.BookReader
  etc.

ベテランユーザーにとっては不人気度ナンバーワンではないかと思われるJWordも入っています。このあたりはある程度インストールソフトを取捨選択できるdynabook TXWのようにはいきません。

セットアップランチャー

 

一応、左写真のようなセットアップユーティリティが確認できましたが、上記のソフトはリストにはありませんでした。

たぶんうちに来る前に他所でレビュー機として使われていたと思うので判断が難しいです...

 

ao.gif ベンチスコア各種

電源設定はパフォーマンスモード。CPU電源管理を「最小のプロセッサの状態」100%にしてあります。

dn7020_19.jpg
3DMark03
 

dn7020_21.jpg
3DMark05
エラーによりインストールできず

dn7020_33.jpg
3DMark06
 

dn7020_18.jpg
FF11 ver.3

ソーテック WinBook DN7020 sandra 9 メモリ帯域ベンチ
Sandra 9 メモリ帯域

 

 

ao.gif ゲーム動作レビュー

PSU 1024では問題なく遊べますが、1280だともたつきがあります。
ファンタジーアースZEROはやや引っかかりはありますが、特に周りの足を引っ張ることなく戦闘参加ができるレベルです。まずまず問題なし。

dn7020_34.jpg dn7020_35.jpg

 

ao.gif 総評

総評です。

3D性能

評価 3

 

M.Radeon X1600らしい性能.いまとなっては平均的な性能か.

液晶

評価 2

 

ThinkPad Xのハズレ液晶ほどではないですが、特に視野角については不満ありです.

キーボード

評価 2

 

固いのが嫌で無ければ、★3で良いと思います.

騒音・ノイズ

評価 2

 

アイドル時もサー音がし、ほぼ無音とはいかない.

筐体の質感

評価 2

 

ミシミシしたりはしませんが、ちとデザインが古い

発熱処理

評価 2

 

左パームレストが熱くなります.右は大丈夫.

総合評価

評価 2

 

安易に選んでしまうとガッカリしてしまうかもしれません.現在では非常に珍しい存在だけに、その特徴を納得の上、選びたいモデルです.

厳しい評価となったdn7020。ただ10万円前半の価格で、15.4型のWSXGA+であることを考えれば、各項目がこのような結果になるのは仕方のないことといえます。

くどいですが、このモデルの利点は価格非光沢15.4のWSXGA+

dn7020以外に、10万円前半で、非光沢で、15.4型WSXGA+の液晶を持ち、Mラデ X1600並みの性能をもつモデルがあるか?というとたぶんありません。光沢は嫌いだけど、高価なデル Precisionまでいってしまうのはちょっと...という方には選択肢として念頭に置いておくと良いモデルです。

少し前はCeleron M 搭載で10万円を切るモデルがあり、非常に面白い存在だったのですが、いまは無いようですね。

 ⇒ WinBook DN7020 

◆ 評価ランクの指標 ver.2

旧採点法

評価 5 小さな不満が1〜2 名機レベル

90-100点

評価 4 小さな不満が3〜4 並みより上

80-89点

評価 3 大きな不満が1 まぁこんなもの

70-79点

評価 2 大きな不満が2〜3 失敗した買い物

50-69点

評価 1 不満だらけ 近日中に処分予定

0-49点

「価格を考えれば納得」といったコストパフォーマンスの良さが
認められる場合は通常の評価から1ランク程度アップさせます

 → 3Dゲームをノートで 蹴茶