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コダック破産、富士フイルムは大丈夫?
米コダックが日本の民事再生法に相当するチャプター11を申請。事実上の倒産です。
→ 時事ドットコム:米コダック、破産法申請=デジカメ対応に失敗
コダックはここ最近ロウソクの最後の輝きのごとく各社を訴えまくってました。この提訴も苦し紛れというよりは計算のうちで、今後の資産再編ではこの訴訟も資産扱いされると思われます。
→ 1月11日 アップルと台湾HTCを提訴
→ 1月13日 富士フイルムを提訴
→ 1月18日 韓国サムスン電子を特許侵害で提訴
「日本のフィルムメーカーも危ないな」という声もありますが、日本のフィルムメーカーはちょっと事情が違います。コニカミノルタは既にカメラ事業をソニーに売却済みですし、富士フイルムもまた写真フィルムの企業では無くなっています。
富士フイルムによると写真フィルムの需要ピークは2000年度だそうです。

2000年度の時点では売上構成比の19%を写真フィルムが占めています。
それが2010年度にはわずか約1%にまで激減しています。

利益面では2000年度で「写真感光材料関連事業」が6割を占めていたそうですから、凄まじい事業転換です。(持株会社制に移行し、富士ゼロックスを組み込んだ影響も大きい)
→ 2006年 富士写真フイルム → 富士フイルム、社名変更
2000年以降、何をしたかというと猛烈な勢いで企業を買いまくります。
富士ゼロックスを連結子会社化する追加出資も2001年に行われています。
→ 富士フイルムグループの歴史 「買収」の2文字が並ぶ
結果、2010年度の事業構成はこんな感じに。全然カメラ屋ではありません。

我々PCユーザーにとって馴染み深いのは液晶の光学フィルムですね。
これも富士フイルムの強い分野です。


(以上のスライドは「構造改革を完遂 ―いよいよ反転攻勢へ―」より)
もっとも、視野角改善フィルムはノートパソコンではあまり使われていません。
ノートの上位モデルはそのうち低価格化の進むIPSに移行するかもしれませんね。
→ 蹴茶: ノートPCは視野角拡大フィルム無し仕様が90%以上 [5.23]
→ 蹴茶: 最近TN液晶だらけ? TN復権に視野角改善フィルムあり [9.19]
例)
左はThinkPad W700。おそらく視野角拡張フィルム付きのTNパネルです。
右はThinkPad SL300。こちらは視野角拡張フィルム無しと思われます。


このW700のパネルをもってしてもIPS液晶と較べると、一目瞭然で違います。
→ 蹴茶: IPSノート EliteBook 8740w と ThinkPad W700を比較 [2.28]
以上、知っている人も多いかと思いますが、富士フイルムの変貌についてメモってみました。
関連
→ 瀕死のコダックと飛躍する富士フイルム