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東芝、3TBの個人向け3.5インチHDD Seagateは株価大復活
買収した3.5インチHDDのラインナップを充実させる東芝。→ 東芝、3Tバイトの個人向け3.5インチHDDを製品化 - ITmedia
□ 経過 □
20120229 東芝、Western Digitalの3.5インチHDD製造設備を取得
20120602 東芝の3.5インチHDDが発売に、製造元はHGST
20120623 東芝製の2TB HDDが初登場、自社工場版? / SASモデルも発売に
WDが日立GSTを買収する際、欧州委員会から条件付きで合併にOKが出され(独禁法審査)、その条件というのが一部設備の売却でした。そしてそれを買ったのが東芝。
→ 蹴茶: 東芝、WesternDigitalから3.5インチHDD製造設備を取得 [2.29]
価格競争に明け暮れたHDD市場ですが、SamsungとHGSTが買収で消滅。SeagateとWDによる業界寡占がほぼ完了するため、今後は価格安定、利益も見込めそうです。
米国の市場調査会社アイサプライによれば、日立の子会社買収後のウエスタン・デジタルのシェアは約50%、サムスンのハードディスク事業買収後のシーゲートのシェアは40%で、これらの買収が2つとも成立してしまえば、2社で世界のハードディスク市場をほぼ独占することになる。
→ 米国の2社寡占状態になりそうなHDD業界 欧州委、シーゲートによるサムスン事業の買収を承認
Seagateの株価
Seagateは2009年頃、価格競争で弱っていたところへ、PCメーカーを巻き込む大規模不具合で地獄を見ました。一時、株価は3ドル台にまで落ちましたが、驚きの大復活です。
→ SeagateのBarracuda 7200.11などにアクセス不能になる不具合
PCメーカーにしてみれば、HDDベンダーの2強状態はあまり嬉しくない事態です。
今後は東芝への分散が進み、徐々に 3すくみへの移行が起きるかもしれません。
汎用品であるHDDの場合、Western DigitalとHGST、あるいはSeagateとHGSTのように、複数のソースから調達することが可能だ。上位企業による寡占化が進んでいるから、Western DigitalとHGSTから供給を受けていたPCベンダーは少なくなかったハズだ。この場合、Western DigitalとHGSTが一緒になると、供給元が1つになってしまうから、Western DigitalとSeagateから調達する、という形に切り替わっていく。
→ 元麻布春男: 日立がHDD事業をWestern Digitalへ売却した背景
東芝はHDD専業のSeagateと違って、収益に占めるHDD事業の割合は限定的なので株価への影響も限られるでしょうが、上手く立ち回ったなぁというのが印象です。
関連
→ 蹴茶: ASUS Q4初の赤字, Intelは減収, Seagateも [1.14]