台数無制限のオールアクセスは日の目を見るか
以前書いたレビューの続き。「1パッケージ ○台まで」というセキュリティソフトが増えてきましたが、マカフィーのオールアクセスはちょっと変わってます。1人で使うならなんと “無制限”。
そう、何台にインストールしてもOKなのです。
Windows、Mac、スマホ、全対応。
同時に使えなかったりするのでは?と勘ぐりもしましたが、マカフィーに質問を投げたところ、10台、20台の同時使用もOKなんだそうです。
実売価格はおおよそ5000円。5ユーザー版がかなり手頃。
1ユーザー版 5ユーザー版
これだけ聞くと「おっ」と思うのですが、美味しい話だけではありません。
マカフィーには気がかりな点があります。
セキュリティソフトを評価しているAV-Comparativesのレポートなのですが
メーカーからの寄付金は受けず、各地の大学やオーストリア当局からの支援のもと、ボランティアとインターンによって運営されているセキュリティ評価団体で、比較的公平な指標としてよく参考にされています。
検知率や動作の軽さ、フィッシング検知、誤検知など色々なレポートを出しており、ゴールド、シルバー、ブロンズのベスト3の選出の他、製品ごと、テスト項目ごとに★評価をつけています。
今回は総合評価である「Real-World Protection Tests」と「Performance-Test」をピックアップ。Real-World は前期(3月~6月)と後期(8月~11月)に月1回、計4回のテストをまとめて評価を出しています。
2012年前期の「Real-World Protection Tests」。
マカフィーがどこにいるかというと、下から3つ目(防御率 94.7%)。★は1つです。
ライバルと較べるとイマイチ性能がふるわないのが難点なのです。
2012年後期。相対的な順位は上がったのですがまだ黄色グループ(防御率は 95.4%)。また誤検出が平均を上回ったため、1ランクダウンで ★無しとなっています。
2013年前期。グッと成績を上げ上位の緑グループ入りします。ただし誤検出が多いことから、またしても★を1つ引かれ2つに。
続くレポートはまだ4ヶ月揃ってないので、単月の速報のみですが7月が 99.3%。8月は 96.8%となっています。
2013年8月成績
点線は何も入れてない状態のWindows 7。緑がブロック、黄色は検知したもののユーザーに判断を任せたケース、赤はブロック失敗です。カスペと日本産のトレンドマイクロが見事100%防御。AVGはほぼ検知するものの判断はほぼ全てユーザー任せという妙なことに(笑)
アンラボ、キングソフト、Qihooなどアジア勢は苦戦してますね。中国製インスタントメッセンジャーで有名なQQがいい成績残してますが、Aviraエンジンを使っているようです(参考)。
評価を並べてみるとこのように。
“AV-Comparatives regret to announce that Symantec Norton have decided not to enter its security product in the AV-Comparatives test series for 2012.”
こちらはパフォーマンステスト。いわゆる “軽さ” のテストです。
AV-Comprativesの独自スコア+ベンチマーク PC Mark の結果から算出されています。
マカフィーはファイルコピー、そしてソフトのインストール作業の遅さで後塵を拝しています。この辺はAmazonのレビュー評とも合致する結果です。
性能も良ければ飛び抜けた製品になるのですが、いまのところ “無制限” で買う製品にとどまっています。今後も検出性能が好調を維持できるのであれば化けてくると思います。
また機会があれば追っかけたいと思います。
⇒ オールアクセス2013 (1ユーザ) 体験版
関連
→ マカフィー オールアクセス 2013 レビュー 以前のレビュー
→ AV-Comparatives - Award List
→ AV-Comparatives - Vendors List