Qualcomm 低消費電力のMirasolディスプレイ 再登壇
「開発凍結」と報じられていたMirasolディスプレイですが、開発から試作品の製造までほぼ8年を費やしたわけだが、失敗の要因はMirasolディスプレイの製造が容易ではなかったからではなく、最終的にコストがあまりにも掛かりすぎることが分かったからだ。このディスプレイ技術をあえて採用し自社製品を開発しようとする大手企業も出現しなかった。
→ Qualcomm、Mirasolディスプレイ開発を凍結 - ITmedia
意表を突き、ディスプレイの展示会 SID 2013 に新型パネルを展示。
・ 5.1型 2,560 x 1,440 577ppi スマートフォン形状
・ 1.5型 スマートウォッチ形状
海外でも「Mirasolは蘇った」と報道されています。
→ Mirasol reborn: 5.1″ phone display with near Retina MacBook resolution - SlashGear
1.5型 Mirasol試作品。艶っぽさはないですが、綺麗にカラーが出てます
発色の原理はカラーフィルターやRGBの光源ではなく、光の屈折を利用したもの。
見た目はE Inkの電子ペーパーカラー版といった感じですが、動画も表示OKな点が大きな違いです。
このパネルは外光を利用する反射式になので、手で覆うと真っ暗になります
低消費電力を活かした背面サブディスプレイとしての提案
メインディスプレイはオフに、時計や位置情報などを常時表示
こちらは表題にもなっている 5.1型 577ppiの高精細パネル
1.5型と違い、バックライトが組み込まれてます
Qualcomm 577 ppi Mirasol Displays eyes-on | Engadget at SID 2013 - YouTube
ちなみに、シャープがQualcommから受注していたMEMSディスプレイはこのMirasolとは別のMEMSシャッターを使った方式です。
シャープ次期社長の高橋興三副社長は米半導体大手クアルコムからの出資について、条件の「微小電気機械システム(MEMS)ディスプレー」のサンプルが高評価を受けたことを明らかにした。6月前半には、2回目の約50億円の出資が受けられる見通しという。
クアルコムとは昨年12月に第三者割当増資で、2回に分けて総額99億円の出資を受けることで合意。だが同ディスプレーの実用化が進まず、期限を当初の3月下旬から、6月28日にずらしていた。
→ シャープ・高橋副社長、米クアルコムから追加出資50億円に手応え - 日刊工業新聞 / 朝日転載
Mirasolと違いバックライトを使用し、発色が良いのが利点です。
→ 蹴茶: Qualcommとシャープが作るMEMSディスプレイとは [2012.12.5]