淘汰進むSSD業界、残るのはNANDベンダーだけ?
また1社、SSDメーカーが消えました。SanDiskが Fusion-ioを買収。
→ 米サンディスク、フュージョンアイオーを11億ドルで買収へ:ITpro
→ 忘却の彼方: SSDコントローラメーカーの課題
似たような話は他にも。
東芝
破産したOCZを東芝が買収。
→ 蹴茶: OCZ 破産、東芝が資産買収へ 他社の収益追記 [2013.11.28]
そのOCZは2011年にSSDコントローラメーカーの Indilinxを買収してます。
→ 蹴茶: OCZ がSSDコントローラーメーカー Indilinx を買収 [3.15]
SK Hynix
SK Hynixは コントローラ開発のLink A Media Device (LAMD) を買収。
→ SK Hynix to Acquire Link_A_Media Devices
Samsungや東芝、Micronなどと違って、SK HynixはSSDメーカーのイメージが希薄ですが、一応リテール品を売ってます。
なぜNANDベンダーは買収に走る?
理由の1つにSamsungの成功が挙げられると思います。
2011年にLSI社は採用件数の多いSSDコントローラ「SandForce」を買収。LSI「これで躍進だぜ、ひゃっほー!」と思っていたら、喰えるはずのシェアの大半を自社製コントローラで攻めるSamsungがもっていってしまったという。
Talwalkar氏が獲得できると期待していた市場シェアの大半は、Samsung Electronicsに持っていかれた格好だ。Samsungは、独自に開発したNAND型フラッシュメモリチップやコントローラを搭載したSSDの供給を開始し、シェアを伸ばすことに成功した。SandForceがこれまでコントローラを供給してきた、比較的小規模な独立型のメーカーは、垂直統合型メーカーの巨人であるSamsungやSanDiskなどにシェアを奪われている状況にある。
→ 事業買収が進むSSD業界 - EE Times Japan
これに突き動かされる形で、東芝やHynixも垂直統合に本腰を入れはじめたように見えます。
LSI社CEOは今後さらにSamsungに代表される垂直統合型のSSDメーカーが躍進すると予想しています。
「NAND型フラッシュメモリメーカーは、2010年のSSD市場ではわずかなシェアしか獲得できていなかった。だが、今後2~4年以内に、クライアントSSD市場において70~80%のシェアを獲得するだろう。
7,8割とはまた大胆な。
売られるSandForce、拾うSeagate
その後、ふるわなかった SandForce事業は売られてしまいます。
→ シーゲイト、フラッシュ関連資産をアバゴから買収 - CNET Japan
捨てる神あれば拾うSeagateあり。ただ問題は LSI社と違ってSeagateは自社ブランドのSSDを売っています。つまりこれまでのお得意様がライバルになります。Sandforceがこれまで通り外販されるのかどうか面白くなってきました。
今後どうなる?
HDDはどうなったかというと、最終製品のメーカーは3社に淘汰。
ただ分業体制は一部で残っています。
東芝のようにドライブの製造、ヘッドの製造、ディスクの製造と水平分業を活かすメーカーもあれば、WDやSeagateのように内製化を進めつつ、足りない分を外部調達する準統合型メーカーが共存しています。
SSDもこれに倣うならSeagateやMarvellなど分業組も活路を見いだせますが、LSI CEOの予言通り、Samsungや東芝が垂直統合で大成功するようだと苦しい展開に。
コントローラ調達をSandforceやMarvellに大きく頼ってきたIntel&Micron陣営(IMFT)はどう動くのでしょうか。MarvellのSSD事業の行方はいかに。
関連
→ OCZ「5年後、10年後も残っていけるようにしたいと考えています。」
→ 微細化だけじゃない!NAND事業成否の決め手はコントローラー | 半導体産業新聞
→ サムスン、ストレージソフトウェア企業のNVELOを買収 - CNET Japan